#青空ノート 徹夜明けに書いたもの

ある晴れた日の午後、僕たちはホームにいた

他に誰もいない 静かな町の中の駅

ただ時計ばかり見つめながら 小さな島の中で

この時間が終わらなければいいだなんて思っていた

警告するような「止まれ」の線の向こう側はもう別世界で、

踏みだしたら戻ってこられないかもしれないと

不安になって でも 何も言えなくて

一緒にいると心地いいんだ 一生ずっと側にいたいんだ

離れたくなかった 離したくなかった

いつだって大切なものは目の前にあるんだ

見て見ぬふりをしても追いかけてくるんだ

どんな時も当たり前の日常は奇跡なんだ

どうして失くしたときにしかそれを気づけないんだろう

刻一刻と迫る時の中で 二人はただ黙っていた



3月22日、午後3時のホーム

行く人、帰る人が交錯する町の駅

流れる時に逆らうように 小さな島の中で

この時間が終わらなければいいだなんて思っていた

いつだって君がいたことはいなくなってから知るんだ

どうして一緒にいるときにその熱に気づけないんだろう

どんな時も出会いと別れは背中合わせだ

でも「願わくばもう一度」を繰り返してきたんだ

けたたましい音とともに 終わりが近づいてくる


もっとずっと一緒にいたいんだ 君を離すなんてしたくないよ

でも、わかってるんだ 信じているんだ

3月22日15時30分

電車が到着した町の中の駅

無限に広がるプラットホームの 小さな二人の間

また会おうねって約束が 

いつだって……

いつだって大切なものは手が届かないんだ

でもそこにあることをちゃんと知ってるんだ

どんな時も無限に続く日常はないんだ

終わりがあるから今を大切にできるんでしょう

いつだって君がいることを僕はちゃんと知ってるんだ

心の中の暖かい場所に君のぬくもりが残ってるんだ

どんな時も日常は奇跡の連続なんだ

「もう一度」があることを信じて生きてくんだ

何度も繰り返した「最後」を笑って見送るよ

何度も繰り返した「最初」を笑って迎えるために

どれだけ離れていてもすぐそばにいること

忘れないよ 忘れないで



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