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CADネットのもう一つの教育サービス「まなVR」

わたくしたちCADネットワークサービスには、BIMNETeラーニングの他に「まなVR」という教育サービスがあります。こちらは「VRの高い没入感」と「教育」を掛け合わせた体験型学習サービスです。建築業界以外にもあたらしい「仕事の教育」を提供していく新しい試みです。本日は、この「まなVR」のお話しです。


「怖さ」と「安全の知識」を学ぶ、まなVR

VRやAR、メタバースといったIT技術はどんどん進化していて、従来の2次元的な表現から体験型の表現になりました。もちろん、VRを使ったサービスもたくさんリリースされているのですが、わたくしたちは今一度VRの技術を使う意味を見直すことにいたしました。

今までの2次元的なコンテンツ → VRのコンテンツ = Wow! だけ?

3Dの映画が一時流行りました。確かに臨場感や没入感など新しい体験Wow!がありましたが、お金を払ってまで何度も観たいかどうかは、映画のストーリー次第だったのではないでしょうか? また、3D映画には専用のメガネが必要でしたので、映画のストーリーを何度も味わいたいだけなら2次元で十分です。

私たちは、「学び」を必要にしている人に「VR」である必要性を今一度整理いたしました。「まなVR」がご提供できる大切なポイントになります。
 昨年末からリリースされた、物流人材向けの「まなVR」では、「事故の怖さ」と「安全の知識」にキーワードがあります。

画像:フォークを上げたままバランスを崩し、転倒する事故事例

物流の人材教育・安全教育のための「まなVR」

この文章を書いている私は、元々製造業に長く在籍しておりました。まなVRのプロジェクトには後から参画したのですが、物流人材向けの、まなVRは私にはとても衝撃的なサービスでした。

物流の事故や汚破損(商品の汚れや破損)は、当時の私からすると売上・利益を減らす日常的な課題でした。また、月に数回自社の倉庫に行って商品のチェックなどしておりましたので、物流の働く環境がどのような感じか知っていたため、一定の事故は当然の様に起きるものだと思っていました。

厚生労働省労働災害統計によると、フォークリフトに関連する災害(事故)は、この10年を振り返っても、毎年2000件程度で推移し減少していません。また、フォークリフトという重機を使用するため、重篤になりやすい傾向があることがわかっています。
この数字は、届け出られた数字なので、私が在籍した製造業では、もっと多くの物品が破損し物流コストとして経済的な損失を生んでいることを知っています。

※厚生労働省労働災害統計より抜粋

卸・小売、林業、漁業など有形財を扱う限り、物流があって、そこで働く人がいらっしゃいます。
安全な物流で、さらにコストが下がり働く人に還元されれば理想的な仕組みになりますね。

理想的な安全の仕組みを目指して

2023年6月に、物流業・製造業・卸・小売業の、物流の管理責任者1200人を対象に、安全教育の意識調査を実施しました。その結果から、物流の安全教育を改善することでコスト削減や、サービス品質の向上につながると認識している方が約80%もいることが分かりました。

安全教育の一例として、下記の様なものが一般的です。
日常的なもの
 ・5S活動(整理 整頓 清潔 清掃 しつけ)
 ・OJT
定期的なもの
 ・フォークリフト法定研修
 ・講師による安全講習
 ・DVDなど 映像研修
対処的なもの
 ・事故・破損を起こした方のため研修
 ・新入社員研修

これらの安全教育は、これまでずっと行われてきたもので、常に更新されてきた大切なものです。これらの安全教育のなかには、その会社内独自のルールで育てられたものがあります。私たちが着目したのは、これまで行われてきた安全教育を否定したり刷新するものではなく、今までの安全教育に足りなかったことを見つけ補う取組です。

現場の意識を変える。安全の知識

VRの安全教育は、DVDの二次元的な状態より臨場感・没入感を提供することができます。
では、どんなタイミングでこのVR体験をすれば効果的でしょうか。
これまでも行われてきた5Sや、OJTは日常的に行われます。これは毎日そのことを意識させるために行われます。内容としては、5Sはチェック項目を決めて毎日間違いが無いことを確認。OJTは声がけ。ではここで事故体験をVRで行うとどうでしょうか。
私たちは、5SやOJTの目的である安全意識の向上に着目いたしました。

物流の現場では、決して安全が軽視されるものではありませんが、業務のノルマをこなすために、少しリスクがある行動をとられるケースが見られます。
安全教育という体験は、知識以外に安全の意識も向上させる目的があるのですが、時間とともに薄れやすく、リスクになると考えられます。
まなVRは、安全の知識とともに日常的にVR体験を行うことで、安全意識の低下を防ぐ新しい安全教育なのです。

2022年12月からリリースされ、取組としては新しすぎて躊躇される会社様も多くいらっしゃいますが、すでに十数社に採用いただきました。
採用頂いた企業さまは、現状よりより良い環境に変えたいとご共感いただいております。