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【OFF THE PITCH】 アトレティコ戦はボールポゼッション率が勝敗を分ける…!?

カディスCF日本公式アンバサダーのRikutoによるコラム、「OFF THE PITCH」。スペイン文化や社会学を専門に研究しているRikutoならではの視点で、スペインサッカーの話、そしてカディスのトリビア的知識をお届けします。

ポゼッションのアトレティコとカウンターのカディス!

「あえて言おう、カディスであると!」

アトレティコとカディスの試合?否、カディスとアトレティコの試合!ムンド・デポルティーボによると、カディスがアトレティコとリーグ戦で対決するのは2006年以来のことだそうです。よく戻ってきたカディス!(その14年前はカディスの敗戦。)

今季のカディスらしいフットボールがあれば、十分にアトレティコを仕留めることができると筆者は考えています。というわけで、打倒!アトレティコの視点から述べていきます。

今回の試合は戦力差とカディスのチームスタイルから 
ボールを持つアトレティコ と カウンターを待つカディス 
の構図になると予想します。ここにチャンスがあります。というのも、FBREF.comのデータを参照しますと、昨シーズンのアトレティコがポゼッション率60%を越えた試合(最高は69%のアラベス戦)はリーグ戦38試合中6試合あり、3勝2分1敗です。

つまり、アトレティコは50%の確率で勝ち点を落としています。今季の同条件での試合は、ウエスカ戦とロコモティフ戦がありますが、どちらも引き分けという結果でした。

ともあれ、アトレティコ相手には、コンパクトな守備から2トップを活かしたカウンターをチームスタイルとする慣れきったカディスの戦い方が嫌でも活かされてしまうわけです。更に更に、CLに参加するライバルに対してコンディションの面でも有利です。これはもう勝ち点3もすぐそこです。

アトレティコのビルドアップに注目!

カディスが勝つことはわかったけど、試合のどこに注目したらいいの?
筆者は、今季のアトレティコの弱点=ビルドアップに注目したら面白いのではないかと思います。

今季のアトレティコの弱点と言えるビルドアップについて、筆者の知人である ぽこるちょねろ氏は「セーフティに回さなければいけないエリアで奪われるシーンが目立ち、ショートカウンターを食らう回数が増えている」、「これは中盤の底でボールを供給していたトーマスの移籍が影響している」と指摘します。実際に昨シーズンの多くの試合において、彼を起点にボールを散らしていたことがFBREF.comのスタッツにも表れていることからも、替えの効かない選手であったことは間違いありません。

実は、筆者はこのビルドアップに対して少し異なる見方でした。筆者は、リスキーなビルドアップは、停滞する攻撃の打開策として採用していると捉えていました。自陣からリスクのあるボール供給によって、敵陣にスペースを残した状態で前線にボールを送る目的があるのではないかと考えたのです。重要なことは正解を決めることではなく、このような雑談をしてサッカーを楽しむことです!

皆さんは不安定なビルドアップを実行する理由は何だと思いますか?

どんな理由にせよ、アトレティコは不安定なビルドアップをすることが予想されます。これに対してカディスは何ができるでしょうか。ここ数試合のカディスはディフェンスラインをむやみに低くせず、ミドルゾーンで幅を取った守備をしています。まさに肉のカーテンなのです。

アトレティコのビルドアップに対して、カディスはどうするのか?
インターセプトを狙うのか?
リトリートの後にスペースを使ったカウンターをするのか?
何もしないのか?

答えはわかりゃしません。実際に試合を見るしかありませんが、このように、アトレティコのビルドアップに注目して試合を見ると面白いかもしれない!という一つの提案なのです。

フィジカルを活かした試合運びで勝つ!

まだ、終わりません。カディスが勝つためにはどうしたらよいのか。堅い守備を崩すのが苦手なアトレティコにぜひ勝ちたいものです。

そこで、今回の試合と類似した展開になりそうな試合はなかったのかと探してみます。つまり、アトレティコがポゼッションで相手を上回ったけども、負けた試合です。昨シーズン行われた20節のエイバル戦がありました。

FBREF.comによると、この試合のアトレティコのポゼッション率は62%でした。しかし、アトレティコはエイバルを崩しきれずセットプレーからの2失点で敗戦しています。ここから、アトレティコのもう一つの弱点としてセットプレーの脆さが見て取れます。

エイバルに敗戦した当時のアトレティコから変化した点はあるとしても、フィジカルを使ったプレーに課題が残っているのです。知人の ざわ氏も「流れの中でのクロスに対するマークのズレや対応の悪さ」を弱点にあげています。恐らく多くのアトレティも周知のことで、実際に先週のオサスナ戦でもクロスから失点していることからも、明確な弱点なのです。シメオネクローンによるアトレティの印象のあるメンバーから大きく変化した現在は、攻撃でも守備でもフィジカルを用いた戦い方を避けていると筆者も考えています。(←筆者は積極的に戦っていくべきだと思う。)なぜだろう。

ともあれ、カディスはこの点を突いていくべきです!カディスの選手たちは、フィジカルを使った守備や空中戦の競り合いを得意とする選手が多数います。これを活かしましょう。
① 流れの中では、積極的にフィジカル勝負に持ち込む
② セットプレーに人数をかけてゴールを取る
これで試合の流れを掴むことができます。

他にも様々な視点から注目点をピックアップできると思います!
とにかく、カディスがどのような対アトレティコ戦術を考案するかが楽しみで仕方ありません。

注目選手!!

最後に注目選手をあげます。今回は、アレックス・フェルナンデスに注目しましょう。今季のアトレティコはローテーションを採用しているため、選手配置の予測は難しいのですが、右サイドバックはトリッピアであると思われます(他に選手がいない)。そして彼の攻撃での絡みはアトレティコの大きな武器でもあります。ということはつまり、トリッピアのいた裏には大きなスペースが!!!!

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ここ数試合を左サイドで起用されているアレックス・フェルナンデスさん、あなたの出番です。カウンターの起点になるサイドの選手の攻守の切り替えの早さと守備の強度は重要と言えます。

更に、忘れていけないのはカピタンのホセ・マリの不在です。ベストメンバーでチームを構成できないことを考えるとメンバー全員の奮闘はもちろん、アレックスの活躍に期待するしかないのです。

協力して頂いた ぽこるちょねろさん、ざわさん ありがとうございました。

引用文献
ムンド
FBREF.com

#サッカー #ラリーガ #スペイン #アトレティコ

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