数秘でみるセレブの半生 -あとがき-

なぜエレン・デジェネレスをテーマにしたのか


私がエレン・デジェネレスを知ったのは今から10年以上前になります。

アメリカの人気司会者にオプラ・ウィンフリーという女性がいまして。キャリアもさることながら、対話能力が素晴らしい方で、相手から話を引き出すことにかけてもずば抜けた才能がありました。その彼女のトークショー番組を某動画サイトで観ていた時、関連動画にエレンのサムネイルを発見したのがきっかけです。

オプラの幅広い語彙力と寄り添う能力はインタビュアーとして超一流でしたが、自分を偽りなく一生懸命語るエレンに深い感銘を受けました。スタジオの煌々とした中で、自分のセクシャリティについて何十万という好奇心丸出しの人前で話すなんて、普通なら怖くてたまらないことですから。エレンについて殆ど知らなかった私でしたが、なんて勇気がある人だと思いました。

当時私は外国暮らしを始めて間もない頃で、文化や人間関係に慣れずに精神的に参っていました。常に比較し否定して当たってくる義両親との折り合いも悪く、日々疲弊しどうでも良くなっていたのです。

自分はどうしたいのか?何をしたいのか?自分の人生と向き合う事すら面倒になって逃げていた時、不安真っ只中でもしっかり前を向いて自分の言葉で話すエレンを見て、羨ましくもあり凄いと感じました。

そして、そのインタビューから数年後の今のエレンの姿を見て更に驚きました。現在の彼女は、カミングアウトインタビューで不安そうに話す女性と同一人物とは思えないほど輝いていたからです。画面一杯に広がる明るいエナジー。彼女にどんな変化があって、こんなにも楽しそうなのか?そここら一気にエレンに興味が湧きました。華やかな彼女とは別の、もう一人の彼女を知りたくなりました。私自身コアナンバーに5が全くない為に好奇心からそう思ったのかもしれません。

単なるコメディエンヌではなく、勇気を振り絞って本当の自分を惜しげもなく見せた事、大きな使命を背負った一人の人間であることを理解すると、私はエレンの大ファンになり、彼女をみんなにも知って欲しいと思ったのです。

レポートを通して得られたもの


私はゲイやジェンダーでもなく、エレンが言うところのへトロセクシャル(異性愛者)に当たります。あくまで現代数秘術を通してのレポートのため、これらのリーディングは決めつけだとか、彼女をわかってないとか、誤解を生む事もあるかもしれません。しかし、セクシャリティが違う私でも、エレンを通して確実に得られた事があります。

2006年に自由勲章の授与式でオバマ元大統領がスピーチした内容の一文を、ここで皆さんにシェアします。

「彼女のカミングアウトは、LGBTコミュニティだけではなく、エレンを知る私たち全てにとって、大きな意味を持つことでした。私たちみんなに愛され、隣人、同僚、姉妹のような存在である人が私たちの持つ思い込みを覆し、自分が自覚している以上に他者と同じものを共有しているのだと、私達に思い出させてくれたのです。そして私たちの国を正しい方向に導いてくれたのです。」

同性・異性愛だけに限らず、異なる国家や言語、職種など、自分と違ったカテゴリに属しているだけで、人は容易に他人と自分との間に境界線を引くことがあります。

人が、私や「あなた」を好きになったり嫌いになったりする時、それは私や「あなた」がセクシャリティや、同じ国家、宗教だからという決めつけではなく、私や「あなた」の生き方や人格から何かを得て判断するものです。世界にいる多くの人々が、みんなそれぞれ違っている中で、それでもどこかに自分と共通するものを持っている事実に気づいたら、そこから生まれた共感は、必ず平和を繋いでいくと私は信じます。

現在よりセクシャリティに対して風当たりがきつかった20年以上も前に、キャリアを犠牲にさらしてまで教えてくれた勇気ある生き方。5000マイル離れた日本人の私に、新しい視野で物を見る事と正直に生きる勇気を教えてくれたエレンに感謝を送ります。


☆長い文章、読んでいただきまして、ありがとうございました!