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「千住博の美術の授業 絵を描く悦び」光文社新書

画家千住博の半自伝、半美術論。内容ごとに分類され秩序付けられている訳ではないが、著者の熱意が伝わってくる良書。

内容は主に、千住博が美術をする上で重んじている哲学や、美術を教えるうえで気になること。そして千住博本人の作品と彼の作品どの関わり方や経験談に別れる。

彼の代表作の滝シリーズは私自身実物を見たことがあるので、非常に親近感がある。

絵に限らずものごとやものを創る活動をしている人間には大変重要な指針が示されている。他、本書後半には日本の作品が海外で受け入れられる理由が書かれており、我ながら一流の芸術家は卓越した観察眼を持っているんだなと驚かされた。ニューヨークの人々が日本画に魅入ってしまうのは、その絵が人類普遍の何かに触れる力があったからであり、日本産だからではない。私自身インド映画やアメリカンコミックを読み、痛いほど同じ思想を噛み締めて趣味に勤しんでいるが、この本で読んだメッセージは、なんというか、嬉しかった。

とんでもない値段になってますが中古は200円ぐらいです。リンク先にあります。


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