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銀座Tビルの記憶 1

銀座にあった、ある古いビルで過ごした時間がありました。
建物が無き後、いつか忘れてしまうかもしれない、そこでの記憶を書いてみようと思います。

始まりは2007年。当時、勤めていた編集プロダクションがそのビルに移転した時です。
入居前、このビルを見に行った社長はひと目で気に入り、「骨董品のようなビル」と言って、うれしそうにビルの雰囲気を話してくれました。

立地していた昭和通りは、大きい通りとはいえ、銀座の中央通りのような活気ある賑わいからは離れ、少し落ち着いた場所という感じ。
大きなビルが並ぶ中、そのビルは周囲とは違う時代感をまとっていました。
昭和8年に建てられたものだとか。

1階には喫茶店があり、外壁は石板?(建築に詳しくなくて適切な名称がわかりませんが)で覆われ、上部の看板部分も石造りの装飾が施されていて、どこかヨーロッパの建築遺産のような趣きがありました。
2階から上の外壁はスクラッチタイル(この名称は調べて知りました)の茶色。
喫茶店の右わきのビルの入口のガラス戸を押して入ると、神殿の柱のような重厚な石の手すりの階段に迎えられ、やはり今ではない時代にタイムスリップしたかのように感じたものです。
(見出し写真は、入口の階段横に敷かれていたタイル)

今日書くのはここまで。ではまた。


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