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銀座Tビルの記憶 7 [給湯室]

各階のエレベーター横には共用の給湯室がありました。
ここで朝、掃除用の雑巾をすすいだり、お茶を入れるための水を汲んだり、食器を洗ったり。ゴミの収集場所もここで、決まった曜日に給湯室内に置くことになっていました。
ほか、喫煙する方もこの場所で。

給湯室というと、ドラマでOLが噂話をしているイメージがありますが、オフィスからちょっと離れたスペースだったので、同じ会社の人同士でというよりは、他のテナントさんと出会う、ちょっとした交流ポイントでした。

朝は、同じ階のテナントで掃除や水汲みをする方と会うことが多く、蛇口が1つだったので、よく譲り合いがありました。
入居して間もない方とご挨拶をしたりも。
管理室の方で各テナントの名前ラベルを貼ったカゴを用意してくださり、スポンジや洗剤は各自でそのカゴに入れて置くことになっていました。そのカゴの存在でテナントが増えたり、いなくなったことに気づくこともありました。

資源系のゴミの一部は、一つ上の階の給湯室で集めていたので、たまに行くと、その階のテナントの方ともお会いしました。
ペットボトルキャップを集めている容れ物が置いてありましたが、そこで会ったその階の方が話してくださり、このキャップ収集はビルでやっているのではなく、有志の方がやっていることを教えてもらったりもしました。

あと、給湯室というと印象に残っているのは、それほど広くない給湯室で存在感があった、淡いグリーン色の業務用らしい円柱形の湯沸器。
これでお湯を出すことができたのですが、温度を上げる操作をすると「お湯を沸かしてます!」と伝わってくる音がして、爆発しないかちょっと心配な気持ちになることもありました。建物が古いとはいえ、湯沸器はおそらくそこまで古くないものだとは思われましたが。

見出しの写真は、昭和通りの脇に植えられていた紫陽花。
空梅雨だった夏、色付く前に枯れた緑色の紫陽花は、見たことがなく、不思議な感じがしました。先の湯沸器の色もこんな緑色をしていました。

今日書くのはここまで。ではまた。


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