見出し画像

Eagle's Eye〜タイムマネジメント③〜

過去2回のnoteでタイムマネジメントについて書きましたが、2/2(日)の群馬戦でもタイムマネジメントについて紹介したいプレーがあったので書いてみます。今回は、ルールを上手く「使った」、ちょっと裏ワザ的なプレーです。

時間のあれこれ

今回のプレーを紹介する前に、時間に関する様々なルールのおさらいです。

1.競技時間
第4Q及びオーバータイムの残り2分を除き、シュートが入った場合でも競技時間を測る時計は停止しません。

2.ショットクロック(24秒ルール)
ショットクロックは、スローインされたボールがコート上の選手によってコントロールされたときから計測されます。

3.スローイン(5秒ルール)
スローインをする選手は、5秒以内にボールを手離さなければいけません。

覚えましたか?今回紹介したいプレーは、ある意味この3つのルールの組み合わせによる穴を突くプレーです。

紹介したいプレー

今回紹介したいのは、第3Q最後のFE名古屋のオフェンスです。
第3Qの終盤、群馬のシュートが成功した時点で残り時間は34秒ほどありました。1回のオフェンスは最大24秒なので、普通に考えればFE名古屋と群馬が1回ずつオフェンスをして第3Qが終了する計算になります。
ですが、過去2回のnoteで紹介したように、各クォーターの最後は自分たちのオフェンスで終わった方がお得です。そこで、FE名古屋は次のようなプレーをしました。

スローインのボールをコート内に優しく転がし、残り時間が24秒を切るまで誰も触らない。

このプレーによって何が起きるのでしょうか。
まず、このときは第3Qであるため、群馬のシュートが入った後も競技時間を測る時計は停止しません。
一方で、コート上の誰もボールをコントロールしていないため、ショットクロックの計測は開始されません。
さらに、スローインをする選手はボールを手離しているので、5秒ルールも適用されません。

このため、コート上の誰かがボールを拾うまで24秒の計測が開始されず、5秒ルールも適用されないまま、競技時間だけが消費されることになります。これによれば、群馬のシュートが決まった時点で残り時間が34秒もあったにもかかわらず、FE名古屋は残り時間が24秒を切ってから最後のオフェンスを開始することができます。
つまりFE名古屋は、プレーの再開をあえて10秒以上も遅らせることで、群馬の最後のオフェンスの機会を潰したことになります。

…だったはずなのですが

ただしこのプレーにはオチがあって、FE名古屋の最後のシュートは外れ、そのリバウンド争いでファウルをしてしまいました。FE名古屋はチームファウルが5個に達していたので群馬にはFTが与えられます。その時点で残り時間は0.2秒。せっかく潰したはずの群馬の最後のオフェンスが、不死鳥のように復活する結果となってしまいました。

結果論でしかないのを承知の上であえて言いますが、仮に最後のオフェンスリバウンドを拾えたところでシュートには間に合わなかったと思うので、無理せず見送った方がよかったかもしれませんね。
とはいえ、こういったタイムマネジメントの意識が見られるようになってきたのはいいことだと思います。今後のさらなる成長に期待しています。

おまけ

バスケットボールには時間にまつわるルールがたくさんありますが、その計測開始/終了のタイミングはなかなかに複雑です。
例えば、ボールを8秒以内にフロントコートに運ばなければいけないという8秒ルールでは、バックコートの選手がボールを手離しただけでは計測は終了しませんが、フロントコートの床にボールが触れさえすれば、選手がボールに触らなくても計測が終了します。5秒ルールの計測終了や24秒ルールの計測開始ともまた違う条件ですね。なので、8秒ギリギリでパスをするときはバウンズパスをするのが絶対におすすめです。
他にも、オフェンスの選手がゴール下のペイントエリア(長方形)にとどまってはいけないという3秒ルールでは、「シュートをするためにドリブルをしている場合は3秒を過ぎてもOK」「ペイントエリアから出ようとしている場合は3秒を過ぎてもOK」「自分や味方がシュートを打った場合は3秒を過ぎてもOK」など、いろいろな例外があります。

もちろんそんなことまで理解しなくても十分に楽しめますが、そういったところに注目するのもまた面白いですよ。

よろしければサポートをお願いします。いただいたサポートはFE名古屋を中心にBリーグに還元します。回り回って、あなたの推しクラブ還元されるかも…?