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Eagle's Eye ~19-20シーズンの振り返り~

突然のシーズン終了でなかなか気持ちの整理もできず、シーズンの振り返りもしないまま今に至りましたが、そろそろ記事にしてみようかなと。
今回は、開幕直前に書いたコチラの記事の内容について、実際どうだったのか検証していこうと思います。プロの戦術家でもない1ファンの予想を詳しく検証したって仕方ないので、サラッとね。

印象で見るFE名古屋の変化

上の記事では、今季のFE名古屋は「オンボールスクリーンが増加」し、「スピードのミスマッチを利用」するようになったと書きました。
では実際のところ、シーズンを通してFE名古屋のオフェンスはその通りに変化していたのでしょうか。

結論から言うと、
オンボールスクリーンが増加 → 大正解
スピードのミスマッチを利用 → どちらともいえない

のような感じだったと思います。

オンボールスクリーンについては昨季よりも明らかに増加しました。川辺HCともシーズン中に何度かお話しさせていただきましたが、オンボールスクリーンを上手く使うことについては常に課題の1つとして意識されていた印象です。また、練習でも重点的に指導していたようで、何人もの選手についてオンボールスクリーンに関する技術の向上が見られました(この辺りはまた別の記事でまとめたい)。
一方で、ミスマッチが発生したときの攻め方については、特にスピードのミスマッチを重視している印象はありませんでした。序盤戦こそスクリーンをかけてもらったガードの選手が勢いそのままにゴール下まで切り込む場面が多く見られましたが、クリス・オトゥーレ選手というインサイドでの強力な得点源を得てからは、むしろ高さのミスマッチを利用することの方が多かった印象です。

データで見るFE名古屋の変化

印象としては既に述べた通りですが、実際にデータにはどう表れていたのでしょうか。先の記事では、今季のFE名古屋の変化に伴う見どころとして、「日本人選手の積極性」「ダイナミックなプレー」を挙げました。

「日本人選手の積極性」については、FE名古屋の全得点に占める日本人選手の得点割合を見てみます。(なお、ここでは帰化選手であるソウ・シェリフ選手の得点は日本人選手の得点に含めていません。)

●全得点に占める日本人選手の得点割合
 昨季(18-19シーズン)→ 47.6%
 今季(19-20シーズン)→ 52.3%

日本人選手の得点割合がおよそ5%上昇した結果となりました。昨季に比べれば、日本人選手の積極性が増したといっても差し支えないと思います。
ただし、この52.3%という数字は、B2全体では18チーム中11位とどちらかといえば低いです。もちろん、高ければ高いほどいいというものでもありませんが、途中にベンジャミン・ローソン選手が離脱した試合があったことや、1人で1on1を仕掛けて得点を量産するようなタイプの外国籍選手がいたわけではないことを考えると、もう少し高い数字になってもよかったのかなと思います。

「ダイナミックなプレー」については定義が難しいのですが、ここではビッグマンがゴールめがけて走りこんでくることによって増えるであろう「ダンク」と、ピックアンドロールによってディフェンスがインサイドに収縮することで生まれるキックアウトからの「3P」に関するデータを見てみます。

●1試合あたりのダンクの本数
昨季(18-19シーズン)→ 1.67本
今季(19-20シーズン)→ 2.43本

ダンクについては、1試合あたり約0.76本増えた計算になります。身体能力の高いベンジャミン・ローソン選手の加入によるところもあるとは思いますが、それ以上に、昨季までのインサイドにボールを預けてから始めるオフェンスから、ピックアンドロールを使ってインサイドのディフェンスを揺さぶるオフェンスに変化したことによる影響が大きいと思います。

●全FGに占める3Pの割合
昨季(18-19シーズン)→ 30.6%
今季(19-20シーズン)→ 33.3%

こちらも、昨季よりは増えています。ただし、B2全体では13位と、どちらかといえば3Pの本数が少ないチームとなっています。インサイドにどっしりと構えたビッグマンからパスをもらって3Pを打つという昨季のスタイルから、ピックアンドロール主体でチーム全体がポジションチェンジを繰り返す中で3Pを打つ機会を伺うという今季のスタイルに変化したことによる戸惑いもあったとは思いますが、3P成功率がB2全体2位のチームにしてはやはり少ないと思います。高確率の3Pは間違いなくFE名古屋の武器になるので、その武器をより効果的に使うことができれば、さらに強いチームになれると思います。

まとめ

以上、ざっくりとですが今季のFE名古屋について開幕前の印象と比較しながら振り返ってみました。
個人的には、今季のFE名古屋は昨季以上に見ていて楽しいバスケットボールをするチームに変化したと思います。大きくシステムが変更されたこともあったまだまだ粗削りな部分も多々ありましたが、川辺HC体制2年目となる来季は、さらにブラッシュアップされたバスケットボールを見せてくれるものと期待しています。できることなら、それを開幕から生で観戦できるようになるといいですね。

それでは皆さん、体調にはお気をつけて!またすぐにお会いしましょう!

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