30秒でハートを掴め!~新たなファンの増やし方~

 ここ最近TwitterなどのSNSを見ていて思うんですが、Bリーグのファンって2チーム3チーム、あるいはそれ以上のチームを掛け持ちで応援している方がけっこう多いですよね。
 まだまだ新規のファン層を開拓していかなければいけないBリーグですが、各クラブにしてみれば、優先順位が2番でも3番でもいいから応援してくれるファンっていうのを増やすのも重要なんじゃないかな、と思う今日この頃です。
 いやらしい話、スポーツ観戦にお金を使うということに慣れている分、全くの新規ファンを開拓するよりはコストを掛けなくても開拓できそうですし。

クラブ応援ライバーNo.1決定戦について

 話は変わりますが、BリーグとLINE LIVEが組んで開催したクラブ応援ライバーNo.1決定戦について。え、知らない?興味ない?そんなこと言わずに、超簡単に説明するからもう少しお付き合いください。

 ざっくり言うと、Bリーグ全36クラブにそれぞれ「応援ライバー」なる人がいて、その応援ライバーがLINE LIVEを使って配信を行い、配信の中でファンから獲得したポイントで順位を競うというもの。ポイントは無課金でも送ることができるし、課金して送ることもできます。

 主な狙いはLINE LIVEと組むことで既存のライバー(配信者)のファンをBリーグに引っ張ってくることなのかなあと想像するんですが、意外と(?)、クラブ間でのファン同士の行き来を促進するイベントにもなっていたような気がしたので、ちょっとnoteにしてみた次第です。

30秒でハートを掴め!

 この話をするにあたって注目したいのが、無課金ポイントの仕組みです。無課金でポイントを貯めるにはいろいろな方法があるんですが、その中の1つに「他の人の配信を30秒視聴する」という方法があります。これが面白い。
 ポイントを貯めるために何かを見なきゃいけないっていうのは無料アプリとかでよくある手法なんですが、LINE LIVEでは勝手に広告が流れてくるわけではなく、誰の配信を見に行くか好きに選べるわけです。
 そうなると、Bリーグに興味を持っているファンなら当然、Bリーグに何の関係もない人の配信よりは他のクラブの応援ライバーの配信を見に行きますよね。
 応援ライバーにしてみれば、何もしなくても他のクラブのファンに対してアピールする時間を30秒得られることになります。

 ここでいきなり心理学の話になりますが、「初頭効果(プライマシー効果)」という現象をご存知でしょうか。ざっくり言うと、「人は最初に与えられた情報が強く印象に残る」という現象です。
 今回の企画に当てはめて考えると、ポイントを貯めにやってきた最初の30秒でいい印象を与えることができれば、その後もいい印象を持たせることができるということになりますね。そうなれば、ポイントを貯めたくなったときにはまた来てくれるでしょう。その積み重ねで新たなファンを獲得できるかもしれません。
 逆に最初の30秒で悪い印象を与えてしまったら、次はポイントを貯めたくなっても別の配信者のところに行くことになると思います。
 新しいファンを獲得するためには、この30秒を生かすことができるかが超重要ということです。
 僕自身、全クラブの応援ライバーの配信を見たわけではないのですが、この30秒でファンのハートを掴むのが上手い応援ライバーもいれば、そうではない応援ライバーもいて、なかなか見ていて面白かったです。

超個人的、30秒でファンのハートを掴んでいた応援ライバー4人

 せっかくなので、僕の個人的な印象ですが30秒でファンのハートを掴むのが上手いと思った応援ライバーを紹介します。

◎中谷まどかさん(京都)

 バスケの話はもちろん、クイズ企画やお絵描き企画などいろいろ工夫して楽しませてくれた京都のまどニャリン
 とにかくいつも笑顔なのが好印象で、勝負のかかった最終枠でも奇怪なイラストを手に終始笑い続けていました。個人的に気になった企画はスペイン語講座。残念ながら現在の京都ハンナリーズにはスペイン語圏の選手やHCはいませんが(多分)、Bリーグ全体を見るとスペイン語圏の選手やコーチも多いので、選手やコーチへのインタビューとかぜひそっち方面での活躍を期待したいです。クラブの公式じゃなくても、ダブドリさんとかぜひどうですか。

◎クマムシ長谷川さん(富山)

 富山の応援ライバーは、「あったかいんだからぁ~」でお馴染み、お笑いコンビ「クマムシ」の長谷川さん。
 コスプレしてみたり、DJ風に1時間ノンストップでしゃべり続けてみたりと、こちらも様々な企画を催してくれました。京都のまどかさんと比べると、企画そのものというよりも企画を通して芸人としての自分をコンテンツ化してファンを楽しませてくれた印象です。ファン対応も素晴らしく、コメントでのリクエストには即対応。僕が配信に入ったときはわけもわからないまま元西武のアレックス・カブレラの応援歌を歌ってくれました。
 これまでも富山グラウジーズを熱く応援してくれている長谷川さんですが、今後もぜひチームと組んで富山を盛り上げていってほしいです。

◎戸塚咲季さん(A東京)

 アゲアゲのテンションで配信をする応援ライバーが多い中、落ち着いた優しいトーンで配信をしていたA東京の戸塚咲季さん。
 配信に来てくれたファンの情報をその場でメモするという好感度抜群のムーブで、アルバルク以外のクラブのファンのハートも鷲掴みでした。コメントの拾い方も上手で、アルバルクに限らず他のクラブの話題にもひとつひとつ丁寧に返していたところも、ファンの人気を集めた理由かもしれません。そしてとにかく笑顔がかわいい。もうそれだけで優勝です。
 A東京には、公式HPやマッチデープログラムで観客役などのモデルが必要になったときは、真っ先に咲季ちゃんに声をかけてほしいところです(そうしたらマッチデープログラムをもらうためにA東京のホームに行かなければ)。

◎倉冨なおとさん(SR渋谷)

 イベント期間中、いろんな応援ライバーさんがいる中で一番この企画を楽しんでいるように見えたのがSR渋谷の倉冨なおとさん。
 Bリーグのトレーディングカードを箱買い(しかも一度に3箱も)して開封していく配信では、好きな選手が出るたびに歓喜の声を上げていました。また、開封配信ではSR渋谷以外の選手でもカードが出た選手のプチ情報をスラスラ紹介したり、バスケのルール解説の配信をしたりするなど、Bリーグのガチブースターとしての力を存分に発揮。最終日には、なぜかシーフードカレーを作る様子を音のみで配信するという名(迷)企画をしていましたが、それも含めてとにかく楽しい配信でした。
 反応を見ているだけでも面白いので、パブリックビューイングのゲストに来てくれたらとても楽しくなりそうです。

意外と難しいイベントの終わり方

 という感じで、狙い通りなのかはともかく結果的にクラブ間のファンの行き来を促すことができたこのクラブ応援ライバーNo.1決定戦、上手く使えば新しいファンの増加につながりそうなイベントでしたが、意外と難しいと感じたのがイベントの終わり方でした。

 終わり方には大きく分けて「最後まで1位を目指す」と「1位獲得とは違う目標にシフトする」とがあると思いますが、その切り替えの判断が難しいです。
 イベント期間の終了時点でポイントを多く獲得していた応援ライバーの勝利という企画の性質上、イベント期間の終了間際にポイントが集まりやすいので、最後に大逆転もあり得ます。
 それだけに、どうしても最後まで望みをつないでしまいがち。それまで応援してくれたファンの気持ちを考えても、1位獲得を諦めるという判断をするのはなかなかしんどいところです。
 「じゃあ最後まで1位を目指して頑張ればいいじゃないか」という意見もあると思いますが、それはそれでデメリットもあります。

 またも心理学の話になりますが、先述した「初頭効果」とは相反する現象として、「親近効果(リーセンシー効果、終末効果)」という現象があります。これは、「最後に与えられた情報が強く印象に残る」という現象です。

 スポーツでもなんでもそうですが、最終的に1位になれるのはたった1人。このため、最後まで1位を目指して頑張ったものの結果的に1位になれなかった場合、「1位になれなかった」というネガティブな印象が強く残ってしまうことになります。
 しかも、課金が絡んでくるイベントである以上、このネガティブな印象を自分の中だけで消化するのは難しく、どうしてもLINE LIVEやBリーグ、あるいは応援ライバーに対する各クラブのサポート体制に批判が向きがちです。
 そうなった場合、新しいファンを獲得できないだけで済めばいいですが、既存のファンにまでそっぽを向かれてしまっては、企画としてはマイナスですね。
 まあ実際には、こうした企画もので自分が応援しているクラブに批判が向くことは少ないのですが、各クラブのファンがリーグ本営への不満を抱えている状態が健全であるとは思えませんし、リーグ本営への不満が重なれば、そこに所属しているクラブからも離れてしまうケースが出てこないとは言えません。
 そうならないためにも、応援ライバー本人はもちろん、運営元や各クラブの広報の方にも、ファンの煽り方には十分注意してほしいところです。

まとめ

 と、いかにももう「クラブ応援ライバーNo.1決定戦」が終了したかのように書いてきましたが、実は各ブロックを勝ち上がった応援ライバーによるファイナル(決勝戦)はまだこれから始まるところです(5/26~5/31)。

 そしてこのファイナルには、我らがFE名古屋の応援ライバーであるTAKAOさんも参戦しています!

 さらにさらに、ファイナル期間中の配信には、ブロック予選に引き続きFE名古屋の選手やFEgirlsが応援に駆けつけてくれるようです!!特に今季でFEgirlsの引退が決まっているAyaさんが登場するなんて、男子連中の課金がはかどりますね!!!

 と煽ってみましたが、イベントが終わった後に後悔しないように、なにより楽しくイベントを終えられるように、あくまでもそれぞれ無理のない範囲で精一杯応援しましょう!

 また、上で紹介した4人を含め、惜しくもファイナルに進出できなかった応援ライバーの中にはファイナル期間中にこのイベントとは関係なく配信をしてくれる方もいると思います。
 いい機会なので、ポイントの回復がてらいろいろなクラブの応援ライバーの配信にも顔を出して、みんなでこのイベントを楽しめたらいいですね!

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