Eagle's Eye ~ボール運びの考え方〜

今回は、先週の群馬戦の内容というより、その2試合を見て改めて感じたことを書いていこうかなと思います。

バスケットボールと制限時間

ボール運びにかける時間と結婚式のスピーチは短い方が良い、という格言があります(今作りました

バスケットボールは、たくさんある球技の中でもルール上の制限時間が多いスポーツです。
1回のオフェンスは24秒まで、スローインは5秒まで、ペイントエリア内にいられるのは3秒まで、動画の撮影は15秒まで、そして、ボール運びにかけられる時間は8秒まで…
制限時間のほとんどは、ボールを保持している側、すなわちオフェンス側に課せられます。その限られた時間の中で、より良い形でのシュートチャンスを作り出すことがオフェンスの目的の1つとなります。

では、この制限時間さえ守っていればそれで良いのでしょうか。
ルール上はその通りです。しかし、より良いオフェンスという観点では、必ずしもそうではありません。ときには制限時間よりももっと短い時間でオフェンスを進行させることも必要だと思います。

その一つが、今回の本題である「ボール運びにかける時間は短い方が良い」という考え方です。

早くボールを運ぶメリット

ボール運びにかける時間は短い方が良いと考える理由は、「オフェンスでは24秒以内にシュートを打たなければならない」というショットクロックのルールと深く関係しています。
当然ながら、ボール運びをしている間も24秒はカウントされます。そのため、ボール運びの時間が長くなればなるほど、その後にオフェンスを組み立てられる時間は短くなります。

…と、ルールを知っている人なら少し考えればわかることを長々ともったいぶって紹介してしまいましたが、でもこれ、実際のところかなり重要なポイントなのです。

バスケは、皆さんご存知の通り展開が早いスポーツです。4秒あれば、オフェンスを仕切り直してトップの位置からピック&ロールを仕掛けることも可能です。たとえ1秒でも、シュートフェイクを1回挟むことができればブロックを避けることもできるかもしれません。
というように、数秒があるかないかでオフェンスの選択肢は大きく広がります。良いオフェンスをするためには、この数秒を無駄にしないことが重要になります。

FE名古屋の場合

少なくとも昨季から、FE名古屋ではボール運びにかける時間をできる限り短くすることを意識していると思います。
クォーター終盤に残り時間を調整するようなシチュエーションでもなければ、ゆっくりとボールを運ぶようなことはないはずです。印象ですが。

一方で、オールコートでプレッシャーをかけられたときのボール運びにはまだまだ課題が多いです。それは先週の群馬戦でも見られました。
第1戦ではプレッシャーに負けてターンオーバーを繰り返し、ターンオーバーからの失点は24点にもなりました。
第2戦ではターンオーバーこそ少なかったものの、丁寧にボール運びをし過ぎるあまり、その後のオフェンスの組み立てに使える時間が短くなってしまい、オフェンスが停滞する時間帯がありました。

特にFE名古屋では、オールコートでプレッシャーをかけられたときにボール運びをジョシュに手伝ってもらうことがありますが、これはターンオーバーをしないための苦肉の策であって、理想とする形ではないように感じます。
ジョシュをボール運びに参加させると、ボール運びにかかる時間が長くなるばかりか、ボールを運び終わってからジョシュがセットオフェンスのための定位置に移動するまで待つ時間も発生し、オフェンスの組み立てに使える時間がさらに短くなってしまいます。

やはり理想は、ガードの選手が相手DFのプレッシャーに負けずにボールを運ぶことだと思います。そして現状それができている、安心して見ていられるのは個人的には杉本くらいかなという印象です。
他の選手はフィジカル面で苦戦していたり、ムキになってオフェンスファウルを取られてしまったり、そもそもあまりボール運びに参加しなかったり…という感じです。

個々の課題は様々ですが、FE名古屋がオフェンスの精度をさらに高めていくためには乗り越えなければならない壁だと思います。
オールコートでのプレッシャーを受けた際にベンチからどういう指示が出るかも含めて、今後のFE名古屋のボール運びに注目していきましょう。

蛇足

オフェンスでは得点源として働き、一方でディフェンスでは相手のベストプレーヤーにマッチアップし、さらにボール運びも手伝い、しかも40分フル出場とかジョシュへの負担が大き過ぎるのでなんとかしてあげてください…

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