児玉雨子『誰にも奪われたくない』

奪い奪われながら生きてるって感覚なんかわかるな〜と思った。自分の中で周囲の人の言動が生きてるなと感じることがあるし、その逆もある。
それを奪うとか奪われるって言い回しじゃなくこの世界の片隅にラストのポエムみたいに誰かから学んだ何かをまた他の誰かに共有することで自分の生きた痕跡をこの世のどこかに残していくみたいなポジティブな方に捉えられたらいいんだなと思うしあれ読んでからそういう風に考えるようになったけど。
silentもわりとそういう要素のある話だったんだよなと思い出した。これは有名な感想ブログの受け売りだけど。最終話で桃野がお裾分けって言ってたの聞いて優しい気持ちになった。人は皆誰かのお裾分けでできている。

人間社会で生きてる限り互いに影響を及ぼし合うのは避けれないから、他人の中にいる自分を見つけた時にそれに目くじら立てるのではなくそうして受け継がれていく自分を誇らしく思えたらいいんだろうなと思う。
その自分だって懐かしい誰かや何かの寄せ集めでしかないってこうの史代も言ってた。

まあその辺はその時の虫の居所次第で片隅・silentみたいな穏やかモードにも誰にも奪われたくないみたいなトゲトゲモードにもなるよな。できれば前者でありたいなと思った。

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