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001-修繕積立金の支出権限について

質問は次の内容です。


修繕積立金の利用には総会の議決が必要とされていますが、これを規約で理事会の決定とする定めができるか?と言う問題です。マンション管理士資格者でも間違える人が多いと思います。


正解と解説

答えは「YES」です。

区分所有法では総会の承認があれば、理事長に付与する権限を限定していません。(法的に違法なものは除きます)
そのため、修繕積立金の支出についても理事会、あるいは理事長に権限を与えることはできます。
*これは国土交通省にも確認を行いました。

ただし、数千万円に及ぶ資産の支出を理事長に委ねることには組合員もそう簡単には承認はできません。

実際の運用としては、案件単位(大規模修繕、部分修繕など)で決定権を理事会に一任すると言った方法が一般的です。

管理規約で「修繕金の用途、支出を理事長が決定することができる」と言った定めは理論上は可能ですが、お勧めしません。

災害時は別

区分所有法では、災害時等の緊急性がある場合に理事会、理事長に多大な権限を与えています。

1、災害等の緊急時には総会を開催することなく、理事会の議決のみの修繕積立金の支出を決定することができます。

2、理事会の開催が見込めない時は、理事長の判断で修繕積立金の支出を決定することができます。(事後承諾を認めると言うこと)

3、理事会、理事長は災害等の緊急時には、借入金のついても議決により行うことができます。(事後承諾を認めると言うこと)

このように理事会、理事長には管理組合の支出権限が緊急時に定めらえていることは理解してください。

ただし、事後承諾が必要であることは忘れてはいけません。
組合員全員の資産です。
使用用途によっては善管注意義務違反や横領等に該当することもあります。



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