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No-28 マンションの基礎は地に足を付けること

今回は建物の基礎について覚えましょう。
10階建てのマンションの荷重重量は幾らでしょうか。
具体的な数値がわからなくても想像を絶する重量だとは想像できますよね。
その荷重のすべてを受け止めている部分は地面です。
今回覚える内容は、地面に如何に建物の重さを伝え、支えるかと言うことを覚えます。

基礎の理解の前に地盤を知る

建物の重さを直接支える部分を地盤と言います。
一般的には硬い地盤と柔らかい地盤がありますが、これは絶対的な数値ではなく、建てる建物の重量によって変わります。
木造一軒家と10階建てマンションでは建物全体の重さが違います。
同じ土地に物件の建設を行う時は、地中にある硬さを事前に測定して必要な硬さの地盤になる深さを探すことになります。

建物を支える基礎の種類

基礎とは建物の重量を支える硬さの層(地盤)まで建物の重さを伝えることです。
基礎構造には建物を直接的に支える直接基礎と地中の硬い地盤に杭を立てる杭基礎があります。

直接基礎を理解する

土地の地表が硬く建物の荷重を直に支えることができるケースに使用されます。
種類は独立基礎、ベタ基礎、布基礎があります。

独立基礎

独立基礎はフーチング(柱の下の石)を置いて柱を立てる方法です。

地盤がしっかりした土地に木造建築を建てる時に使用されます。

ベタ基礎は建物全体に基礎を作る方法です。
街を歩いていると見たことがあると思います。

ベタ基礎

建物が建つ土地全体で建物の荷重を支えます。
基礎部分は鉄筋コンクリートが使用されます。

布基礎はベタ基礎と一緒に使うことが多くあります。

布基礎

ベタ基礎の上に柱が載る部分を打設した布基礎を作ります。
杭基礎を理解する
杭基礎は地表面の硬さが足りない場合に地中にある硬い地盤に杭を建てる方法です。
杭の作り方によって方法は幾つかあります。

1、既製コンクリート杭(打ち込み杭工法)
工場で成形した既製杭の頭部をハンマーによって打撃し、を所定の深さまで貫入させる工法です。
工事時の騒音が大きい工法です。

2、形成杭(場所打ち杭)
地盤の支持層まで掘削した後に、円筒形の鉄筋製のかごを所定の位置に吊り上げて下ろし、コンクリートを打ち固め、その場で杭を造成していくという工法です。
イメージとしては地中に鉄筋コンクリートの柱を打設します。
多くのマンションで利用されます。

3、鋼管杭
硬い地盤が深い場合に使用されます。
既成の鋼管を地中に打込みます。
費用が高く、工事時の衝撃、騒音が問題です。

硬い地盤がない時の基礎

地中に硬い地盤がない土地に建物を建てる場合には特別な方法が使用されます。
過去に出題されたことがあり、チェックしてください。

摩擦杭

特徴は硬い地盤がない土地に使用されることです。
杭に鍔(つば)があり、周囲面と土の摩擦で建物の荷重を支えます。

地盤改良

地中そのものを良化することで支持力を上げる方法です。
一般的に地中の水分量が多い地盤で使用されますが、改良方法はいろいろあり、ひとつひとつ覚える必要はありません。
締固め法、脱水法、置換法、凝固法などがあります。

以上が基礎になります。

参考までに近年の一般的なマンションの基礎は次のようになります。
杭基礎を立て、その上にベタ基礎、布基礎を設置して躯体荷重を支えます。

次回は不同沈下、液状化について説明します。

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