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039-滅失により建替え議決の開催日についての定め

問題

039-大規模滅失により建替え議決を行う場合、会議の招集通知は開催日の2カ月前とあるがこの期間について規約で定めことができるのは次のどれか。
1、短縮も伸長もできる
2、短縮も伸長もできない
3、短縮はできないが伸長はできる
4、伸長はできないが短縮はできる

解答

解説

マンションが災害や火災により建物の一部、あるいは価格の1/2以上が滅失した時に修繕、復旧、再建のいずれを選択するかは区分所有者の総合的な判断できまることはすでに理解していることです。

区分所有法では、修繕工事は普通議決、復旧議決(第61条)は特別議決で行うとしています。

滅失の度合いが激しく、復旧工事では被災前の建物の状況に戻すことが出来ないと判断した時は、区分所有法62条、建替え議決に定めた方法に従い区分所有者の意思確認を行う必要があります。

62条は建替え議決を行う前後のルールを定めています。
しっかりと覚えてください。

建替え議決の開催手順

建替え議決の開催までの流れは次のようになります。
多くの重要な議決は同様の流れになります。
この流れをしっかりと頭に入れてください。

ポイントは建替え議決の1ヵ月前までに説明会の開催、その1ヵ月前にまでに開催通知を送付する必要があることです。
区分所有法62条4項に次のように定めています。

 第一項に規定する決議事項を会議の目的とする集会を招集するときは、第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。

区分所有法62条4項

開催までに2ヶ月の期間を開ける理由は、マンションに住めなくなった住民が被災後の生活設計をゆっくりと決めるための期間です。
短縮することはできません。
被災直後はその日の生活を維持するだけで大変です。
冷静になり、今後の身の振り方を考える期間としては最低でも2ヶ月は必要と言うことでしょう。

開催通知に記載する事項

62条では開催に際しては、各区分所有者がマンションの行く末を考えるための資料の公開を義務付けています。

4つの項目が建替え議決の開催通知に記載する必要があります。
被災したマンションは、再建として復旧(修繕)と建替えの選択になりますが、復旧を選択せずに建替えを選択した理由を説明する必要があります。

多くの場合は躯体への損傷が大きく、復旧費用と建替え費用が同額程度になることが多く、建替えを決めるには復旧灯との

(建替え決議)

第六十二条 集会においては、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。

 建替え決議においては、次の事項を定めなければならない。

 新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要

 建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額

 前号に規定する費用の分担に関する事項

 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項

 前項第三号及び第四号の事項は、各区分所有者の衡平を害しないように定めなければならない。

 第一項に規定する決議事項を会議の目的とする集会を招集するときは、第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。

 前項に規定する場合において、第三十五条第一項の通知をするときは、同条第五項に規定する議案の要領のほか、次の事項をも通知しなければならない。

 建替えを必要とする理由

 建物の建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持又は回復(建物が通常有すべき効用の確保を含む。)をするのに要する費用の額及びその内訳

 建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容

 建物につき修繕積立金として積み立てられている金額

 第四項の集会を招集した者は、当該集会の会日より少なくとも一月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について区分所有者に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。

 第三十五条第一項から第四項まで及び第三十六条の規定は、前項の説明会の開催について準用する。この場合において、第三十五条第一項ただし書中「伸縮する」とあるのは、「伸長する」と読み替えるものとする。

 前条第六項の規定は、建替え決議をした集会の議事録について準用する。

(区分所有権等の売渡し請求等)

第六十三条 建替え決議があつたときは、集会を招集した者は、遅滞なく、建替え決議に賛成しなかつた区分所有者(その承継人を含む。)に対し、建替え決議の内容により建替えに参加するか否かを回答すべき旨を書面で催告しなければならない。

 集会を招集した者は、前項の規定による書面による催告に代えて、法務省令で定めるところにより、同項に規定する区分所有者の承諾を得て、電磁的方法により建替え決議の内容により建替えに参加するか否かを回答すべき旨を催告することができる。この場合において、当該集会を招集した者は、当該書面による催告をしたものとみなす。

 第一項に規定する区分所有者は、同項の規定による催告を受けた日から二月以内に回答しなければならない。

 前項の期間内に回答しなかつた第一項に規定する区分所有者は、建替えに参加しない旨を回答したものとみなす。

 第三項の期間が経過したときは、建替え決議に賛成した各区分所有者若しくは建替え決議の内容により建替えに参加する旨を回答した各区分所有者(これらの者の承継人を含む。)又はこれらの者の全員の合意により区分所有権及び敷地利用権を買い受けることができる者として指定された者(以下「買受指定者」という。)は、同項の期間の満了の日から二月以内に、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者(その承継人を含む。)に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。建替え決議があつた後にこの区分所有者から敷地利用権のみを取得した者(その承継人を含む。)の敷地利用権についても、同様とする。

 前項の規定による請求があつた場合において、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者が建物の明渡しによりその生活上著しい困難を生ずるおそれがあり、かつ、建替え決議の遂行に甚だしい影響を及ぼさないものと認めるべき顕著な事由があるときは、裁判所は、その者の請求により、代金の支払又は提供の日から一年を超えない範囲内において、建物の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。

 建替え決議の日から二年以内に建物の取壊しの工事に着手しない場合には、第五項の規定により区分所有権又は敷地利用権を売り渡した者は、この期間の満了の日から六月以内に、買主が支払つた代金に相当する金銭をその区分所有権又は敷地利用権を現在有する者に提供して、これらの権利を売り渡すべきことを請求することができる。ただし、建物の取壊しの工事に着手しなかつたことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。

 前項本文の規定は、同項ただし書に規定する場合において、建物の取壊しの工事の着手を妨げる理由がなくなつた日から六月以内にその着手をしないときに準用する。この場合において、同項本文中「この期間の満了の日から六月以内に」とあるのは、「建物の取壊しの工事の着手を妨げる理由がなくなつたことを知つた日から六月又はその理由がなくなつた日から二年のいずれか早い時期までに」と読み替えるものとする。

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