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No-36 マンションへの給水システムの覚え方(2) 水道直結方式

水道直結方式は現在の給水システムの主流です。
特長は受水槽を持たない給水システム。

大きく2つに分類されます。
1、直結給水方式
2、増圧直結給水方式

それぞれの方式で覚えるポイントは次のようになります。

1、直結給水方式について

水道管本管➡水道管枝管➡メーター➡水栓が基本です。
枝管の水圧を利用して各戸の水栓に水を供給する方式です。
通常3階程度までで採用され、戸建住宅に多くみられます。
設備費や維持管理費が安く、停電による断水の心配はありません。

マンションで利用される例は少なく試験に出題されるとしても3階程度の知識で十分でしょう。

2、増圧直結給水方式について

しっかりとメリットとデメリットを理解しましょう。

メリット

1、受水槽が必要なく、敷地を有効に利用できる
2、受水槽を使用しないため、法定点検(年一度の清掃、報告)はない

デメリット

1、停電による給水の停止
2、受水槽がないため、停電と同時に断水になる

3、増圧方式の種類

増圧直結方式は、マンションのタイプによって3つの増圧方式があります。
マンションの特徴により採用される方式が異なります。
マンションのタイプと併せて覚えることがポイントです。

1)増圧直結方式

給水管に増圧ポンプを設置し、水圧の不足分を増圧して、上階まで直結給水する方式です。
この方式は中規模程度のマンションまでが対象となります。

2)直列多段型

高層マンションで利用され、増圧ポンプを直列に設置し、給水する方式で標準型の増圧直結給水方式より高層階への直結給水が可能になります。

ゾーニングはマンション内に複数設置することも出来、超高層マンションでも採用される方法です。
増圧ポンプを直列に配置していることからこの名称が付いています。

3)並列型

団地などの敷地が広いマンションで利用され、増圧ポンプを並列に設置し、給水する方式です。
同時使用による水圧、水量への影響を無くすために採用されます。
この方法により大規模な集合住宅等への増圧直結給水が可能になります。

注意点

現在では主流になっている増圧直結方式。
受水槽給水方式のマンションでも受水槽の交換時期に併せて、給水方式を変更するマンションも多くなりました。
定期清掃等のランニングコスト、衛生面の不安と言う点でも増圧直結方式を採用するマンションは増えるでしょう。
ただし、停電すると即断水になるデメリットがあることは忘れてはいけません。
住民が多いマンションでは、災害時の対策として受水槽方式を続けるマンションもあります。
また、病院、ホテルなど断水時に影響が大きい施設では規模に関わらず、受水槽方式を採用します。

マンションの増圧ポンプです。
左が制御ユニット、右に2台のポンプ。
増圧ポンプは数年に一度交換する必要があります。
普段はカバーで覆われていますが、中は意外にも単純な構造です。

以上です。

次回は受水槽(貯水槽)方式について説明します。




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