管理業務主任者・マンション管理士資格取得者のための/設備➀/外壁等の爆裂破損の補修工程(はつり補修)
今回は、修繕工事の1つである外壁等ぬい発生する爆裂破損の補修工程(はつり補修)について説明します。
爆裂破損は、外壁等の表面に発生したヒビ等から染み込んだ水分が内部の鉄筋表面を腐食(錆)させることで、鉄筋の体積が膨張、結果として外壁表面が破損する現象です。
皆さんはポップアップとして認識していることでしょう。
このようなコンクリートの劣化の修繕は破損したコンクリートの周辺を除去した後に修繕を行います。
壁等の爆裂破損の補修工程(はつり補修)
1、修繕箇所
マンションの腰壁や外壁に一方向(鉄筋)に膨む状態や表面に亀裂がある時は内部の鉄筋が錆びて膨張していることが想定されます。これを爆裂と言います。
この補修工事は「はつり」➡「ケレン・清掃」➡「防錆プライマー塗布」➡「樹脂モルタル充填」は工程になります。
2、はつり工程
覚えるべきことは「はつり」です。
はつりはコンクリートは部分的に破壊除去することの総称です。
サッシの交換等でも「はつり工法」があり、この場合、既存のサッシの周辺を外壁ごと除去するため「はつり工法」と名前が付いています。
修繕の初めは爆裂した部分を切除します。コンクリートでは「はつり」と言います。鉄筋の膨張が原因なので埋め込まれた鉄筋に沿って爆裂してます。錆びて膨張した鉄筋が露出するまで周辺を含めてはぎ取ります。
3、ケレン工程
錆びた部分をやすり等の工具で綺麗にします。これを「ケレン」と言います。その後、錆が鉄筋に残らいないように清掃します。
ケレンは手すり等の鉄錆劣化(鉄部塗装・・長期修繕計画の大項目)の修繕でもよく聞く言葉です。
錆びた部分を取除く行為をケレンと覚えましょう。
4、防錆プライマー工程
プライマリーは最上級と言った意味ですが、防錆プライマリーは全く違う意味で使用されます。
防錆プライマリーは「下地との接着力を特別に良くした塗布剤」と言う意味になります。
ケレン工程で鉄筋の表面から錆を取除きますが、鉄成分がそのままコンクリート接すると錆びる可能性が高くなります。
それを防止する必要がありますが、防錆材だけでは鉄材との密着性に不安があり、そのため接着力をアップした樹脂として塗布します。
これで錆の原因になる水、酸性、空気との遮断相を形成します。
5、樹脂モルタル充填工程
防錆処理が終われば、空いた穴を埋める必要があります。
コンクリートは骨材があり、細部の充填には不向きです。
そこで、骨材が含まれないモルタル(モルタルは、そのセメントに水と砂を入れて練ったものです。)を使用しますが、組成の違う材料で充填すると脱落等の心配があります。
そこで硬化性の高い樹脂を加え密着度アップさせます。
あとは見た目を整えて修繕工事は終了です。
6、最後に
修繕工事後は、外壁等に修繕跡は残ります。
サンプルは白ですが、色付き塗料の外壁等では似た色の塗料で出来るだけ違和感をなくしますが、まったく同じ塗料は難しく、どうしても修繕跡が残りますが、躯体への影響を考えると仕方がありません。
経年により違和感は薄れる場合もありますが、ほとんどのケースは修繕工事跡は確認できます。
管理業務主任者・マンション管理士資格取得者を目指す方で設備や劣化と言った項目は参考書だけではイメージがわからず、苦労します。
知識は視覚を取入れると覚えやすく、忘れにくいと言われます。
コンクリートの劣化に関する知識として身に付けてください。