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マンションすまい・る債の利用価値を考えてみましょう(3)-10年積立商品-

マンションすまい・る債の購入方法は2つありことはすでに説明しました。

単発購入は管理組合が毎年発売されるすまい・る債の購入をするしない、購入額を決める方法です。

10年積立購入は、毎年、1年間積立てた修繕金を10年間、毎年一定額を購入する方法です。

どちらが有利な購入方法なのでしょうか。
考えてみることにしましょう。

マンションすまい・る債の金利を理解する

マンションすまい・る債は発売時に10年間の単年利率を公開します。
購入した時に10年後の利回りを算出できるわけです。

では10年のすまい・る債の表面利回りの推移を確認してみましょう。
各年度で表面利回りに大きな違いがあることがわかります。

2017年に500万円を購入した時と2023年に500万円を購入した時を比較すると

このようにマンションすまい・る債の利回りは、発行年度によって大きな違いがある債券であることを覚えておく必要があります。

10年積立購入のメリット、デメリット

マンションすまい・る債の利回りの特徴を理解して上で、10年積立による購入を考えてみましょう。

次のグラフは年度別10年積立購入の表面金利の推移を示しています。
2013年に開始した場合は2022年の債権が10年目になります。
その時点で10年積立の最終利回りは確定します。

2015年に開始場合は2024年の債権が10年目になり、現時点では9年間の利回りになります。
来年発売さ入れる債券で最終利回りが確定します。

2023年から始めた場合は、まだ1年目となり、現在は単年利率と同じ利回りになりますが、今後9年間の金利の推移で最終利回りが決まるため不確定要素が多く含まれることになります。

住宅金融支援機構は、10年積立マンションすまい・る債の利回りを1.5~2.0%で運用しているようです。
不確定要素が強い債権も最終的には2.0前後で収束すると思われます。
何時から初めての購入年度に大きな差はなく、2%程度の利回りを提供できる商品と見立てています。

10年積立の場合、購入開始から最後商品の償還期間までは20年と長く、修繕積立金の性格を考えると途中解約を視野に入れた購入が必要になります。

住宅金融支援機構のリーフレット出典(加工)

ここで思い出すべきことがあります。
マンションすまい・る債は途中解約をすると利回りが極端に悪くなる債券商品です。

解約する商品は、利回りが当初の見込みを大幅に下回る可能性が高いと言うことです。
このデメリットを承知した上で購入する必要があります。
もちろん、10年積立商品のメリットもあります。
修繕積立金を安定に運用できる点です。

解約したとしても定期預貯金の預け入れしている時よりも多くの利子を受取ることができます。
より多くの利益を追求するとなると10年積立は向かない購入方法と言えます。

単発購入については、途中解約の説明後に効率的な購入方法で説明します。次回はマンションすまい・る債の途中解約について説明します。

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