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マンション管理士の独占業務について

マンション管理士を目指す人は年間に約1万人程度です。
昔は多かったようですが、最近は難しすぎるとか、生業に繋がらないとかの理由で受験者は減少傾向です。

しかし、昨年、国交省が制定したマンション適正化計画制度(管理契約認定制度)で初めてマンション管理士に独占業務が出来ることになりました。

と言う訳でマンション管理士の独占業務について説明します。

現在、管理会社のフロントで「マン管」を取得するとお祝や給料が増えるから資格を目指している方も将来のために読んでおいて損はないと思います。

また、資格を取得したけど、これからどうやって開業しようかを検討している人にも参考になるはずです。

マンション管理士の独占業務って何?

マンション適正化計画制度(管理計画認定制度)はマンション管理組合が国土交通省から「あなたのマンションは国交省が認めた管理をしているマンションです」と認めてもらう制度です。

2022年4月に開始された制度で主体は自治体ですが、申請の内容の審査はマンション管理の専門家であるマンション管理士が行います。

マンション管理士の独占業務は認定申請の審査員です。

既存マンション管理組合は「事前確認」

マンション適正化計画制度(管理計画認定制度)は、国土交通省が定めた要件にすべて適合していることが認定の要件になります。

この要件が適合していることを確認する作業を「事前確認」と言います。

管理組合は認定制度に申請する方法は4つの方法があります。

マンション管理センターHPより出典

パターン1、自営のマンション管理士が事前確認を行う

事前確認業務ができるマンション管理士に管理組合が申請を依頼する方法です。
顧問関係にあるマンション管理士は、顧問関係にあるマンション管理組合の事前確認業務を行うことは出来ません。(申請者と審査者が同一人物になるため)

事前確認業務ができるマンション管理士になるためには、マンション管理センターの「事前確認講習」の合格する必要があります。
この業務が独占業務になります。

パターン2、管理会社のマンション管理士が事前確認を行う

管理会社がマンション管理業協会を通して申請を行います。
管理会社に在籍するマンション管理士がマンション管理センターの「事前確認講習」の合格した上で、管理業協会のルールに従います。
*管理業協会が設定するルールのため、詳細が不明。
ただし、マンション管理士として独占業務になります。

パターン3、管理組合が日管連に事前確認を依頼する

管理組合の理事長(法人の場合は法人)が申請者になり、日管連に事前確認を依頼するケースです。
この業務が独占業務になります。

パターン4、管理組合がマンション管理センターに事前確認を依頼する

管理組合の理事長(法人の場合は法人)が申請者になり、マンション管理センターに事前確認を依頼するケースです。
この業務が独占業務になります。

絶対に必要な事前確認講習

パターン1~4のいずれでも「事前確認(独占業務)」を行うためにはマンション管理センターの事前確認講習を受講後、試験に合格する必要があります。

事前確認講習の受講資格はマンション管理士の登録を済ませていることです。それ以外に経験等は求められていません。

以下事前確認講習要綱

①受講資格
マンション管理士の登録を受けている者であること(登録後5年を経過している者については、法定講習を受講していること。)。
日管連に登録することは要件ではありません。

②受講方式
WEB方式

③講習受講申込期間
令和5年3月15日(水)~令和5年4月14日(金)

④講習実施期間
令和5年4月11日(火)~令和5年5月12日(金)(この期間内の任意の時期に受講することができます。)

マンション管理士事務所の独占業務について

パターン1で「事前確認」業務を受注する方法です。
現在、管理組合と顧問契約(これについては一部未確認)、理事監事の職に就いているマンション管理士は契約する管理組合の事前確認を行うことは出来ません。

では、どのように事前確認を行うのかと言うことですが、方法は幾つかあります。
1、サイトや事務所で「事前確認」を請負う
認定を受けたい管理組合から「事前確認」を受けて報酬を受取る方法です。
各要件に適合していない場合は、理事会の意向にもよりますが、適合するように指導や助言を行う業務に移行します。
ただし、この場合、顧問契約に抵触するため事前確認の実施者にはなれません。(顧問料は貰えるように契約するべきです。)
事前確認に適合しているわけですから、他の事前確認ができるマンション管理士に依頼することになります。

2、他のマンション管理士から事前確認の依頼を受ける
1で説明した顧問契約から事前確認を依頼されるマンション管理士になります。

アドバイス

事前確認はハードルが高い要件が幾つかあります。
多くの場合、管理組合に指導が必要になり、指導期間も理事会の開催が必要になるため最低で3カ月、1年程度は必要になります。
あまり事前確認業務に固守せずに、認定取得を入口として顧問契約につなげることをお薦めします。
尚、事前確認の費用は1万数千円前後です。(日管連費用)
顧問契約をする方が利益は多くなります。

以上がマンション管理士の独占業務の内容になります。

追加情報として、パターン3の事前確認の業務を請負うための手順について説明を別章で説明します。


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