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マン管、管理業務主任者、宅建士の試験のための不動産登記法

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マン管、管理業務主任者、宅建士の試験に必要な不動産登記法をまとめました。
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2023年3月の記事一覧

登-18 区分所有物件の登記表を覚える(1)

マンション、所謂、区分所物権の登記表は戸建てと異なり独特の構成です。 宅建士を目指す人はもちろんですが、管理業務主任者、マンション管理士は管理費等の滞納が発生した時に見る機会があります。 是非、マンションの登記表を覚えてください。 登記表の構造マンションは敷地の上に建つ建物です。 元々、不動産登記は土地の表題部と建物の表題部は別々に存在します。 マンションでも同じで、土地の表題部、建物の表題部は別です。 これを頭にしっかりと叩き込んでください。 尚、土地の登記簿については過

登-17 法改正で諾成契約が増えたって知ってましたか。

不動産登記法にはあまり関係はありませんが、他の民法で役立つと思います。 諾成(だくせい)契約は契約する両者の意思が確認された段階で成立する契約のことです。 一部の要物契約が諾成契約に変更された 要物契約と諾成契約は試験にも出題されますが、要物契約は品物があって初めて成立する契約のことです。 例えば、質権設定契約、代物弁済契約、消費賃借契約などがありました。 これが民法の改定によって諾成契約に変更になりました。 代物弁済契約 代物弁済契約とは金銭の債務を物で支払うよう

登-16 質権と抵当権の違いって何?

物件は理解できましたか? 今回は質権と抵当権の違いについて理解しましょう。 担保物権を知る 質権も抵当権も担保物権です。 担保物権とは、お金を借りた人(債権者)に対して債権の担保として債務の弁済が済むまで担保として提供します。 債務の支払いが滞った時は、担保の処分により優先的に弁済を受ける物権です。 質権とは 質権と言えば「質屋さん」が有名ですけど、利用したことがありますか? 質種(しちぐさ)というお金を貸す価値があるものを質屋に持っていき現金を借りる方法です。 一定

登-15 物権がなくなることはあるの?

不動産の物権は登記登録をすることで第三者に対抗することを説明しました。また、登記をしなくても第三者に対抗できる場合についても説明しました。 では物権がなくなるとはどのようなことでしょうか。 物権のおさらい 物権は登記によりその権利を公にすることが出来る権利は4つでした。 新しい不動産の登記(表題登記) 新しい不動産の所有権登記(所有権の保存登記) 不動産の権利の変更登記(所有権の移転登記) 不動産の滅失の登記(滅失の登記) 新規に不動産を登録する表題登録、その

登-14 仮登記ってなぜするの?

登記の仮登記はたまに試験にでます。 仮登記って何をするための登記なのでしょうか。 仮登記をする理由 仮登記の主な目的は2つあります。 1、登記申請に必要な資料が揃っていないが優先順位は確保したい。 (1号仮登記) 2、将来発生する権利として優先順位は確保したい。 (2号仮登記) 仮登記は権利の順番についての優先順が重要なことがわかります。 具体的にはどのような場合なのか? 1、必要な資料が揃っていない(1号登記) 例えば、不動産売買契約で売買契約は終了した。 すでに売

登-13 中間省略登記って何?

登記の権利の登録(移転登記)は自由意志です。 登記義務は現在はありません。(令和6年以降相続登記は義務化されます) 中間省略登記って何? 中間省略登記は物件の所有権の移転登記で行われます。 こんな例が代表例です。 マンションの一室の所有するAがBに売買しました。 Bは転売目的で購入し、Cに売却しました。 Bは登記に必要な登録免許税の節約のため、登記をせずにCに売却しました。 本来登記は不動産の履歴の記録です。 不動産登記法では、A➡B➡Cに所有権が移転した場合、Bの登