リーダーとは特権を持つ権力者。それを隠蔽するのは独裁者。

リーダーは、リーダー以外の者たちと、
横並びの関係だ。上下じゃない。

リーダーとは、リーダーの機能を果たす人という意味だ。それは、「自分たちの置かれている状況を説明して、その条件のもとでどんな選択肢かあるかを示して、おのおのの選択をするとどういう結果とコストになるかを理解してもらって、自分はそのどれを選択するかをきちんと示して、君たちはどれを選ぶのかと尋ねる」というはたらきだ。それがリーダーの役割だ。

教室を生きのびる政治学
岡田憲治/著

リーダーとは数ある機能の一つであり、
それぞれの機能に上下関係はない。

故に、
リーダーは(リーダー以外の)
他の機能と同等だ、として、
冒頭の主張へ続く。

だが、私はこの主張に

断固、異を唱える。



◼️リーダーとは上位ポジション

リーダーは、リーダー以外の者たちと、
上下の関係だ(横並びじゃない)。

両者の能力は、横並びだ。
(著者に同意する)

だが、

両者の立場は、上下の関係にある。
(著者に異を唱える)


なぜなら、
リーダーには3つの特権がある。

特権を持つ者は、
上位に在る。


特権①情報操作が容易
収集した情報の取捨選択が可能。

特権②印象操作が容易
情報伝達の際、意識的にも無意識的にも、
主観の反映が可能。

特権③最終決定権を持つ
選択肢が拮抗した場合、
実質的な選択権を獲得。


特権①情報操作、特権②印象操作
リーダー以外のメンバーにも実行可能だが、
その優位性はリーダーに劣る。

特権③の最終決定権においては、
リーダー以外のメンバーは行使不可能だ。

そして、その3つの特権の代償として、
リーダーには責任が生じ、それを負う。


リーダーの特権とは、
超合理的に、自らの希望と意思
目的(結果)に反映させることができる、
という点にある。
(職権乱用にならない範囲内だが)

責任を負っている手前、
説明責任さえ果たせば、
誰にも咎められることはない。

だから、
リーダーの役職自体が避けられる場合、
その組織はメンバーにとって、
関わるメリットが少ない可能性が高い。


◼️上下関係でも協力は可能

中学・高校の学校生活において、
実質的な上下関係は存在しない
というメッセージを込めて、
「リーダーと他は対等」だと主張し、
協力・協調を促したのであれば、
それは懸念であろう。

上下関係への信憑性や優先度は、
年齢関係なく個人的なものである。

上を立てる演技力が、
円滑な対人関係に必須なだけであり、
本当に敬意を払っているのかどうか
他者には判別しようがない。

そもそも、
関係性は対等ではない場合の方が多い。
(対象や個人への思い入れは温度差がある)

協力・協調の前提条件に「対等」は不要だ。

協力・協調は、
どんな関係性にあっても
必要なものだからだ。



◼️リーダー横並び発言の危険性

上位に立つ者が、上下関係を否定し、
平等(横並び)を主張することは、
権力者が持つ特権の隠蔽である。

それは、無意識のうちに
権力の助長に拍車をかける。

一般個人の意図せぬ上位権力の拡大とは、
権力者の無意識が意図するものであろうか。

政治学者であり、
大学教授でもある著者が、
このような主張をすることに、
大きな疑問と忌避を感じる。


◼️リーダーには、特権がある。

特権を持つ者は、
他の者以上に影響力を持ち、
権力の行使が可能になる。

具体的に言えば、
拒否権(1/5=実質100)を行使できたり、
マイクの電源を一方的に切れる。

権力者は、
特権を持っていることに
常に自覚的であるべきだ。


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