記事一覧
大禍津日神の憂鬱 #毎週ショートショートnote「残り物には懺悔がある」
「こんな物しか出せなくて、本当に申し訳ない限りですわ」
店主の悔しげな表情が申し訳なさを物語っている。
「一体どうなすった」
気になった客の男が問いかけた。
「本当なら今の時期は、油の乗った秋刀魚や甘く熟した柿なんかをお出しするんですがね、この異常気象でどうにも出来が良くない。良い物はたいそう値が張るんですわ。お兄さん今日最後のお客だから、残りものしか出せなくてね」
話を聞いた男は「なるほど」
東京献血奇譚 〜滝沢正義の場合〜【短編小説:約9000字】
「ったく、なんでこんな時に」
独り言を呟きながら、滝沢正義は駅に繋がる道を走っている。
入念な下調べをして空き巣に入ったはずだった。閑静な住宅街、普段ならその一軒家は夕方は無人になる。人通りも少ないから、周囲に気を配りさえすれば、誰の目につくことも無く仕事を済ませられる。所要時間は10分も有れば事足りるのだ。これまで何軒もの空き巣を繰り返してきた滝沢にとって、簡単な部類の仕事のはずだった。
し
カラオケは楽しく歌うのが一番♪ #ミハエルカラオケ残暑バージョン
なんと私にもこのバトンが回ってくるとは。
捻くれ者の私としては、バトンなんて渡されようものなら「えいやっ!」と遠くに全力で投げてしまいたくなるわけですが、めっこさんからのバトンをまさか放り投げるわけにもいきません。謹んで拝受致します。
さて、カラオケですよね。
元々カラオケは大好きなのですが、幼少期からの喘息と、数年前に発症した声帯溝症によって最近はすぐ声が出なくなるので、あまりカラオケにも
誘惑銀杏 #毎週ショートショートnote
ある日のこと、ぶらぶら散歩していると、植え込みの辺りに銀杏が一粒落ちていた。
皮は剥けており、艶やかで、ぴかぴか光沢がある。
銀杏の木もないのに、何故ここに銀杏が落ちているのかと考える内、気になって仕方がなくなってきた。
拾って帰ろうと思い近寄ると、つるんとした銀杏の実から手足が伸びて、とことこ道路の方へ歩き出す。
「あぁ君、道路に出たら危ないよ」と声をかけると、こちらを向いてぺこりとお辞
四丁目の神様【短編小説:約5,000字】
「だるぅっ。だっるるるるぅぅぅっ」
東京は豊島区西巣鴨四丁目にある安アパートの一室で、六畳一間の畳に横たわりながら、さも面倒くさそうに中年男が叫んでいる。
「田中さん、ご指令ですよ」
そう言ったのは同居のお目付け猫、名前をイナリという。純白の毛色にぽっちゃりボディ、目は細く垂れ気味である。
「手術を手伝って来いだそうです。2丁目のハルって女の子が今日手術らしくて、その執刀医がヤブで、バレていニャ
2日続けて終電ギリギリの帰宅になりお疲れモードで朝を迎えたけれど、Oasisの再結成というニュースを聞いてモチベ上昇。悪い冗談かと思ったが本当なのね。まぁ、どうせあの兄弟のことだからまたすぐ喧嘩別れすんだろとか思いつつ…オラ、ワクワクすっぞ!そんな朝。おはようございます。
ミックスフルーツとみかんを入れて牛乳寒天を作ってみた。所要時間、作るのだけなら10〜15分くらい。
果物の入っていたシロップと水に粉寒天を混ぜて、軽く沸騰させながら2分混ぜる。さらに牛乳を加え、加熱しながら混ぜる。イケる!と思ったら容器に移し、納得いくまで冷やす。完成。美味しい♪
黒幕の涙 #毎週ショートショートnote「黒幕甲子園」
その年の夏の甲子園大会、初出場の私立松緒高校が旋風を巻き起こし、決勝に進出した。
売りは高校生離れしたパワーを持つ4番バッター剛力猛と、負けず劣らずのパワーヒッターが揃った強力打線である。
決勝までにチーム全体で8本のホームランを放ち、甲子園記録を塗り替える勢いだ。
多少失点しても打線の後ろ盾があることで、投手たちも安心して投げることができた。
松緒高校野球部は全寮制である。快進撃のその力の
終戦の日に寄せて。『蝉と戦争』(加筆修正)
夏と言えば蝉であり、蝉と言えば夏である。
蝉がミーンミンとか、ジージーとか、ツクツクホーシツクツクホーシとか、ジーリジリジリとか、シネシネとか、ファッキン!ファッキン!とか…大合唱を始めると、やっとこさ夏キタ━(゚∀゚)━!となる。
蝉の命は一週間と言われがちだが、上手いこと一ヶ月ぐらい生き延びる蝉もいるらしい。
とは言え、やはりあまりに短い。
蝉はあの小さな体で、短い生涯の中で300〜8
雑記。最近思ったこと、いろいろ。
※全て私個人の価値観による一人語りです。
先週はいろいろ話題が盛りだくさんでしたね。
オリンピック、日本勢本当にすごかった。
勿論もっと行けたんじゃないかって競技もあるし、それは選手の皆さんが一番感じていること。逆に私などは知らない方々も多くのメダルを獲得されていました。
世界中で驚嘆と溜息が繰り返されたパリ五輪も終了。どうでも良い情報に翻弄されるより、4年に一度だけ開催される、最高のスポーツ
迷宮入り #毎週ショートショートnote「鋭利なチクワ」
「死因は失血死だそうです」
俺は先輩と二人、殺人現場に向かっていた。
「失血死か」
「はい。現場は血まみれだと連絡が」
「そうか。凶器は見つかってるのか」
「はい。鋭利な…」
「刃物か。マル害の家だったな。包丁か、ホシがナイフを持ち込んだってとこか」
「いえ」
「なんだ違うのか」
「鋭利な…」
「鋭利な?」
「チクワだそうです」
「お前ふざけてる場合じゃねぇだろう」
「それは俺に言われても。俺
ブレイキンはさすがわからなかった。
すごいのはわかるしなんとなく技術の差もわかるけど、採点の基準がわからない。たぶん何度見てもわからないと思う。
判定が好みによるとか、ちょっと五輪には向かないですよね。次無いのも仕方がない。
ちゃんとルール整備すれば良いのに。もったいないなぁ。