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仕事に行きたくないあなたへ

 5月中旬になりました。
 みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

 私、新人看護師の時、5月に仕事にいけなくなりました。
 またその後も環境が変わるたびに、5月って辛い気持ちになることが多かったです。
 「看護師辞めたい」「仕事辞めたい」と思っているみなさん多いのではないでしょうか。また「自分は看護師向いていない」「他の仕事がしたい」と、なにかしらの現状から逃げようと思っている人もいると思います。
 今回はそんなあなたに向けてのメッセージです。

 今回の内容はN/thestory様で行われた「ナースの夜な夜なキャリア談義」の2023年5月9日に、私が話した内容を再構築しております。

・そもそも看護師ではなかった僕

 僕はもともと、電車の車掌さんが子供の時からの夢でした。しかし、中学2年生で千葉から福島に引っ越し、その夢が絶たれました。
 特になりたいものもなくなり、高校は普通科、大学は経営学部に進学。しかし、大学卒業と同時に就職氷河期が訪れ、どこにも就職ができず地元福島県の臨時事務職員になります。それ以後も正社員になれず25歳で初めて正社員となるデータベースエンジニアになりました。しかし、あまりに仕事がきつく5月で退職。地元に戻って派遣で老健施設の事務をします。
 実はデータベースエンジニアになる前、看護師になってみようかなと思い看護学校の受験をしましたが、一度落ちました。まあ、自分には看護は縁がないなと思いつつ、手に職もない状態が続き、老健施設の看護師とたまたま話した時に「もう一度看護学校受験してみなよ」と言われ、親には仕事に行くふりをして看護学校を受験。その後合格しました。

 看護学校では担当教員との相性が合わずに学校に行けないこともありましたが、なんとか3年で無事卒業。しかし卒業と同時に東日本大震災発生。福島にいたので大変な恐怖を感じながら看護師国家試験には合格。
 しかし、最初に勤めた所は「なにをやっているのか毎日わからない日々」が続き、点滴のミキシングも人一倍時間がかかりプリセプターとの関わり方もわからず、いろいろ言われるけど意味はよくわからない。学校で習ったことと全然違う。そんなとまどいながらも働いていましたが、5月中旬に出勤途中で行きたくなくなりそのまま出社せず欠勤。そのまま退職となりました。
 その後違う病院で再復帰を目指すも、日々パニック状態で何をやっているかわからなくなり、8月に夜勤を無断欠勤。そのまま逃亡しようと車で逃げるも高速道路で意識を失い車は大破。「もう看護師なんてやめてやろう」と思うも、看護学校時代に実習の得点が高かった「精神」と「在宅」をやってからやめようと思い、絶対に他の科に異動がなさそうな精神科単科の病院に就職。そうしたら不思議と普通に働け、苦労はしたが特になにも問題なく仕事ができ、自分は精神科は向いていると考え精神科看護を得意として働いています。

・5月ってキーポイントだと思う。
 そんなわけで、振り返ると5月ってあれこれとキーポイントになっているんです。ターニングポイントとというか。ゴールデンウィークとかありますが、僕にとってはあんまり良い思い出のない時期です。
 

・なぜ人は心を病むのか

 心を病む=人間が生きていく上で欠かせない生体防御反応です。
参考までに「セリエの汎適応症候群(GAS:general adaptation syndrome)」や「ストレス3段階」で検索してみてください。

『警告反応期』(入職、嫌なプリセプター、モニター、ナースコールの音等)
 なにかショックなことが起きた。→一度活動量は低下し抵抗力は低下。「逃げるか戦うか」の選択が始まる。戦うと決めると交感神経系が活発になり活動水準が高くなる。

『抵抗期』(なんとか仕事に行っている。生活は破綻しているけど)
 身体の抵抗力が高まりストレッサーに対してバランスを保持している。エネルギーを使いまくる。休息と活動のバランスが崩れ始める。エネルギーが次第に枯渇。

『疲弊期』(出社できなくなる。家から出られなくなる)
 抵抗力が下がり、ストレス反応が出る。ストレス反応→怒り、落ち込み、無気力の心理面や過食、泣く、引きこもるなどの行動面、発熱、頭痛、睡眠障害などの身体面に反応が出る。

 なんか、よくわかりますよね。
 寝られなくなる、食べられなくなるってよくありますよね。それでも仕事はなぜか行けてしまうみたいな。もう完全にストレス反応が出ているのです。

・ではどう休むか

「助けを求める」
 人は心を病んでいるかどうか外見からはわかりにくいものです。たとえば、朝食になにを食べたか当てるのと同じぐらい見つけにくい。とにかく辛いことをどんどん吐き出す、溜め込まない。ちょっとづつ常に吐き出し続ける。吐き出せる友人を探す。親でもペットでもいい。とにかく吐き出す。
 
「ストレスの原因となるものから距離を置く」
 究極は職場に行かない。でもこれができるから人間って偉いと思う。辛いことから身を離すのは当然の防衛反応ですから。あとは教科書、参考書などを部屋から出す。スマホであれこれ調べない。わからない未来に対して不安を抱かない。答えの出ない問題を探さない。
 それらのことは「心の自傷行為」だと僕は思っている。
 
「大きく深呼吸する。(休息を取る)」
 外に出る。家から離れる。睡眠薬飲んで寝る。とことん休む。
 絶対に深呼吸って大切。

 これらの行為ができることが「人間らしさ」だと思ってます。

・こんな僕でも生きているということ。
 挫折や休職をしながらも、思えば色んな人に助けられてきたなと思います。とくに友人や同期や親にはたくさん助けられました。その後SNSでもいろんなつながりを持てて、看護師やめようと思っていたのに、なぜか続けています。いまや病棟で働き休みの日は訪問看護をするほど「看護をしている人」になっています。
 楽しく生きられればいいやとは決して思わず、「たぶん理想の夢は叶わないが、嫌いなことも続けていくことは大切。どこかに抜け道はある」と思いながら生きています。

そんなわけで。辛ければ休みましょ。

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