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中外医学社「厄介で関わりたくない精神科患者とどうかかわるか」を読んで

なんともすごいタイトルの本だったので、思わず買ってしまいました。厄介で関わりあくない人なんて患者さんだけではなくいますからね(笑)

僕は看護師人生のほとんどを精神科で働いています。これからはどんな人生になるかは分かりませんが、多分、精神科関連の仕事をしていくと思います。患者さんとは1日のうちせいぜい8時間から9時間、夜勤だと夜の18時間ぐらい関わるわけですが、厄介な患者さんは少なからずいます。正直こっちが参ってしまうこともあります。

この本の著者は精神科医です。ものすごいたくさんの患者さんをみてきたのでしょう。だからこのタイトルが書けるんです。このタイトル、インパクトはありますが「どう関わるか」が書いてあるんです。そう、関わり方。逃げ方じゃない。いかにして関わるかが書かれています。

厄介な人に、自分から関わろうなんて人はいません。患者–看護師関係だけではなく、日常生活においてもいるだろうし、病院以外の職場でも「どうしても関わらないといけない場面」はあります。「今だけの関わりだから」とか「このプロジェクトが終われば関わりも終わりだ」なんて思って、結局は「逃げ場を求める」関わり方しかしてないのではないでしょうか。

この本ではとにかく「関わりが大切」と書いてあります。厄介な人が抱えている問題や悩みについて具体的な事例を通してたくさん書かれています。また身体拘束が外せない患者さんや、病識がない患者さんへの関わり方も書かれています。

どうしても医師からの目線なので、医師よりも患者さんに関わる時間の長い看護師からすると、やや過剰な関わりの仕方に思う部分もあったが、「人を治療するのは人、人の心を治療するのは人の心」という気持ちをたくさん受けてめることができました。

新人の看護師さんよりも、ベテランと言われる年代の看護師さんに、今一度、原点に戻る気持ちで読んでもらうと、とてもわかりやすい本だと思いました。

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