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2023.10.23

最近の私ときたら、取り憑かれているかのようにビーズ遊びにハマっている。リング、ブレスレット、キーリングなど作るものの種類はそれほど多くないが、「こういうものを自分で作ってみたいなぁ」と思って始めたのが、これほど夢中になれるとは思わなかった。
自分が「こういうのが欲しいな」というのは作り尽くしてしまって、人と会う度に押し付けてしまうほどに作りすぎて友達にも「できあがるペースが早すぎるけど無理してない?」と笑われた。
考え事の多い私、頭の中を白紙のように真っ白にすることは不可能だ。ビーズを触っている間は、目の前のビーズ、ビーズ穴の中にどうやってテグスを入れるか、色の組み合わせ、ミクロなことをずっと考える。そうすることで無駄に沈んでしまう、答えのない出口への旅を机上の世界に抑えることができる。
もちろん、作る工程が楽しくて、出来上がったものはかわいくて、それがなければここまで狂気のようにハマることはできなかったと思うけれど、何よりただでさえ答えのない出口の中で生きているんだから、頭を空っぽにできる時間はあった方がいい。

編み物と違って、ある程度雑になっても取り返しがつかないことにはならないのも気楽で良い。
頭の中でいつも私を焦らせ、感情を振り回し、騒々しいものが静まってくれる。
考え事が多かろうが思考が一本化できようが、人はどうとでも生きていける。だからこそ、自分を重たくさせるものから自由になれるなら、その時間を選んだ方がいい時期だってあるのだ。今はきっとそういう時期なのだろう。


最近は不思議な出会いがあって、自分の人生ってまだまだおもしろいイベントがあるんだなぁって愛しくなった。
心を動かす出会いとは、自分のこれまでも、目の前にいる人の丸ごとも愛せるような縁なのかもしれない。心がはしゃいで、子どもみたいにわくわくしたのが落ち着かなかったのも本当に久しぶりだった。
「私たちって運命なんだよ」って目の前にいる人も笑うのだから、私もそうなればいいと願って笑い返した。

自分の中で大切にしていることは曲げたくない、あわよくば周りにだって同じように大切にしてほしいと願うことは贅沢すぎるのだろうか。
自分が今まで過ぎ去ってきた色んな時間を思い返す。
一生懸命だった、目の前に向き合っていた、誠意を尽くそうとした、それは確かなはず。
答えが早く欲しくて焦ったい。
そもそも、どんな理不尽なことがあっても「知りたい」「理解したい」と欲する自分の切実さを大事にしたいと思う。たとえそのせいで世界でいちばん損をするような人になったとしても、私はその選択を後悔したくない。
「読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋、とか言うけど、出会いの秋にしたいんだ」って言われて、私もそんな季節になったら良いなと心の底から思った。今必死に握りしめていた手をまた開く日が来たとき、今日通り過ぎた風のことを思い出すことができますように。

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