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CULTURE

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株式会社水中のスナックへのこだわり、込めた想いについて。
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スナックでイベントをやってみたら、到底手に負えないことに気づいた <水中 イベントレポート>

重い扉に閉ざされた薄暗い空間「スナック」で、トークイベントをやってみたら一体どうなるのか…? この記事では、8月から月1回のペースで開催された、 トークイベント「裏水中」の様子をご紹介していきます。 そもそも裏水中って?スナック水中の裏の時間。つまり、休業日の日曜日の夜に こっそりと集まって、”普段なかなか会えないヒトと、普段なかなか話せないコトを話せる会”を開こう…と始まったのが、「裏水中」です。 ――なぜ、わざわざ”裏”に集まるのか これまでスナックは、主に働く男

多くの人に小さく頼っていたいし、低空でいいから飛んでいたい

レイワな時代に、なかなかショウワな暮らしをしている 平成10年生まれといえば、この私である。 *** あちゃ〜、ま、そうだよね。 1月6日。 ママから休業の連絡が来たが、この「あちゃ〜」を感じるためだけに店に足を運んで、ママの字はやっぱり達筆だな〜と感心するなど論点のすり替えをして、ヤバさから目を背けていた。 正直にいうと、私の収入は90%くらいスナック営業によるので、例の宣言の影響をバッチリと受ける。 この1ヶ月は、財布の中を頭に浮かべながら、スーパーのセール品に「

不安とどう共存できるかばかりを研究するチーママが、またもや墜落した話

私はしばしば、自分の調子を飛行機に例える。 目標は、堕ち切ってしまわないように、低空に飛行し続けることだ。が、実際には全然うまく操縦できない。墜落しまくっているのが現実だ。 *** 墜落すると、家から出たくなくなる。何もしたくなくなり、できるだけSNSの通知も無視したい。通知が来るたびに、体がずしりと重くなる。何もできない自分にプチ自暴自棄になり、お菓子に手が伸びる、、など逃避行動に出る。それでまた、自己嫌悪になったりするのである。自分の場合、人がひたすら食べる動画をyo

親愛なる自分を愛せない"ご自愛女子"を愛したい

現代社会で闘う女子たちは、魔法の武器が必須である。 いや、そう言い聞かされている、と言ったほうが正しいのかもしれない。 少し前から度々、「#ご自愛消費」など”ご自愛”を冠する#を見るようになった。それに深ーくうなづきつつ、その社会記号に少し腹を立てているのである。 「#ご自愛消費」とはじ‐あい【自愛】 [名](スル)1 自分をからだを、大切にすること。「時節柄ご自愛ください」 主に手紙の結びの言葉として、基本的に誰かに対してかける言葉だ。 「#ご自愛消費」とは、その言葉通

嗚呼、なんと「入りづらい」ことだろう、スナックは

煌々と光る怪しい看板。不明な料金体系。 扉の向こうには何があるのか。 その重い扉を押したとしても、内輪なコミュニティ。 常連客がふんぞりかえってさえ見えるかもしれない。 ーー新参者に優しくないっ!昔は、先輩たちが教えてくれたであろうスナックの入り方。 今は、誰も教えてくれないがネットが教えてくれる。 この記事にあるマナーのうち「家にお邪魔する時のように謙虚な姿勢で」とある。ーーなんだそれ? 飲みに行っているのに、気持ちよく飲むことを許されなさそうだ。 Q.自分にとって最

嘘がつけないくらい脳内が騒がしい1日の記録

4月1日例年、前日からソワソワする。 新しい年度、新しいクラス、新しい学校。 世渡り上手な私は、新しい環境はどちらかというとワクワクする。 加えて、私は学年一の早生まれ。 この日が誕生日である。 だから、決まって「今日なんだか生まれ変われる気がする」を 身に纏って歩く日なのだ。 *** 今年も、例に違わず前日からソワソワしていた。 大学同期の華々しい門出、華々しい進路。 「明日から、みんな立派に働くんだよな〜」 なんて考えながら寝てしまったのが悪かった。 結局よく眠れ

墜落女子が小さなスナックの継承を決めた夜は静か

あるきっかけで小さな場末の「スナックせつこ」に足を踏み入れ、そのまま沼にはまってしまった私は、新卒でその小さなスナックを引き継ぐことにした。 ーーと、今ではようやく言える。しかし、ママから「継がない?」とそそのかされてから、半年間「する!」だの「やっぱり...」だの煮えきらない態度を取り続け、きっと周囲には呆れられていただろう。 踏ん切りがつかなかったのは、言うまでもなく、不安があったからだ。 目をキラキラさせて「する!」と言ったプランも、当然笑われたり、不思議と怒られた

重いドアの向こう側。スナックにはどんな人がいるだろう?

墜落しないよう人に小さく頼りたいと日々考える私は、ケアに特別関心がある。 23歳。健康で、親も元気、子供もいない。だけど、子育て・介護・自分の健康。 「墜落防止」以上の、周囲からのケアがこれから必要になることは明白。 そのケアが必要になった時、日本のケア体制はどうなのか? ...なんてことが気になってしまう私に、少しだけ付き合っていただきたい。 *** 気になる私は、大学OBで医師の森田洋之さんにインタビューする機会をいただいた。 森田さんは、夕張市市立診療所の元院

二度の強姦未遂を経験した自分が、スナック業界に飛び込みたい理由

突然だが、私は過去に二回、強姦未遂にあったことがある。 一人は見知らぬ人、もう一人は自分のよく知っている人だった。 1回目は高校生の時夏祭りの帰り道だった。帰路の途中で入る細い路地で、すれ違いざまに突然路上に押し倒された。その人は左手で私の首を絞め、右手で私の胸を触っていた。 そして低い声で私の耳元で言う。黙れ、うるさい、黙れ... 人が近づく音がしてその人は走り去った。 私は家になんとか到着。1時間迷った後、起きたことを親に説明した。 被害届を出そうと警察署へ同行しても

"DIVE!”ー新卒4ヶ月目ママと夏

拝啓、新卒4ヶ月の私へひょんなことからスナックで働くことになった女子大生は、ご高齢で引退を決めたママから事業を引き継ぎ、期待を胸いっぱいにお店をついにオープン!!! ーーそのオープンから、4ヶ月経った。 この仕事はお客さんの反応が直接見えることが心から嬉しいことであり、ちょっぴり怖いところでもある。 楽しんでいただけたかな? またいらしてくださるかな?失礼なことはなかったかな? この方は何を求めてうちに来てくださるのかな?期待には応えられたかな。 そんなことを毎日・お客さ

とんでもない沼にハマったーーそこは半地下のスナックだった。

私はスナックが好きな、いわゆる「スナ女」に分類される。 ただ、言わせてもらいたいのだが、相当スナック好きだ。スナック狂いだ。 普段は70歳のママが働く場末のスナックでチーママをしている。 カラオケで流れる昭和歌謡にはまりだし、それらを鬼リピし、休学して行ったカンボジアでは屋台を買って、路上で現地の人相手にスナックをして「この人何しとん」という謎な目を向けられ、何も知らず大統領の家の前の路上でスナックをしてしまい警備官にめちゃ怒られて急いで逃げたほどである。 そんな私は、ちょ