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CBDと鬱①

 カンナビジオールを調べてみると色々な疾患に効能があることがわかります。しかし、薬機法の縛りがありメーカーから発信する情報には限界があります。つまり、効くとか効果があることをうたって販売することは違法になってしまう恐れがあります。そのため、研究結果であっても中々詳細な情報をわかりやすく発信出来ているメディアが少ないという事があると思います。

 ここでは、各国の研究結果をもとにCBDのうつ病に関するデータを考察しながら、その可能性を探っていきたいと思います。

CBDは抗うつ薬の作用を最適化する

目的:CBDの抗うつ効果について臨床報告を行う。
対象:入院治療を要する大うつ病患者3名
素材:SSRIに加え、CBD200mg/日(最初の1週間)、CBD400mg/日(2週目以降)を投与。いずれも2分割され一日に2回投与された。
※SSRIとは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬といい、抗うつ薬の一種。シナプスにおけるセロトニンの再吸収に作用することでうつ症状、病気としての不安の改善を目指す薬。2009年5月現在、日本国内で100万人以上が使用していると推定されている。 ウィキペディアより
回数/期間:12週間
評価:Montgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)、
患者健康質問票-9(PHQ-9)
全般性不安障害7(GAD7)
臨床全般指数重症度(CGI-S)など。

備考:MADRSスコアの抑うつ症状がベースラインから50%以上減少した患者をCBD反応者とみなした。また寛解※はスコアが10未満と定義した。
※病気による症状や検査異常が消失した状態

 結果:3名のうち2名が抑うつ症状の寛解(MADRS10点未満)を示し、1名がCBDに反応した(MADRS半減)
考察:従来のSSRIによる治療に加えてCBDを投与することで抑うつ症状の寛解が見られた。このことからCBDは抗うつ薬の効果を最適化することが考えられた。


CBDとうつ病を調べる中で注目される現象というのは減薬に対してです。併用することで脳機能の整理を促し効果を高める事が注目されています。
CBDを使用することで処方薬を減薬する事ができるとしたら、使用してみたいという方が多くいらっしゃるのではないかと推察できると思います。
※使用の際は必ず、かかりつけ医に相談をお願い致します。

CBDは薬物中毒の抑うつ・不安症状を緩和させる

目的:CBDを用いた薬物中毒患者の精神症状への介入の症例報告
対象:重度のうつ病、社会不安障害、自己愛性人格障害を持つ多剤使用障害(大麻、MDMA、コカイン、エクスタシー)患者(16歳)
素材:CBD600mg/日(最初の3週間で100mg/日から漸増し600mg/日とした)。
回数/期間:8週以上
評価:下図参照

結果:CBDの4週間の投与にて向精神薬であるセルトラリンを中止することができた。8週間のCBD投与により抑うつ症状は軽微なものとなった。
考察:CBD投与によりアナンダミドの分解が抑制されたことでCB1受容体へ間接的に働きかけ、抑うつ・不安症状を緩和したと考える

このように中毒者に対する緩和処置としての可能性もありそうですね。

CBDによる抑うつ症状改善メカニズム

CBDの抑うつ症状への効果について現状の知見を紹介
・CBDはうつ病の改善効果があることが報告されている。
・CBDは抑うつ症状以外にも不安症状や嗜癖に対しても効果があるが、これらは共通の機序が関与していると考えられる。
・その機序としてCBDのCB1受容体への影響があると考えられている。

・具体的にはCBDは内因性カンナビノイドの濃度増加や他の間接的な機序を通じてCB1受容体へ影響すると考えられている。

・またCBDはセロトニンの代謝にかかわる5-HT1A受容体のアゴニスト(セロトニンのように作動するもの)として機能することが報告されている。
・動物実験からはCBDはストレス反応を減弱させる効果があることが報告されている。

・またCBDは抗うつ薬のように海馬の神経細胞を増加させることで抗うつ効果を示していることも考えられている。

・その機序としてはCBDの摂取によって脳内のアナンダミド(内因性カンナビノイド)が増加し、その結果、海馬の神経細胞が増加しうることが考えられている。

・CBDは上記の受容体以外にも幅広い受容体に影響しうることが考えられる。抑うつ症状に対するCBDのメリットは、生体内の幅広い受容体に影響 しうることと、他の薬剤と併用的に使用しうることである。

アナンダミドってCBDを調べていると良く出てきますので、聞いたことがある方も多いかもしれません。これは脳内の神経伝達物質の一つで、内因性カンナビノイドレガントとして最初に発見されました。
今では、ランナーズハイを起こすのはこのアナンダミドという説が濃厚になってきており、運動をする事で抑うつ効果があるというとはこういった点からも明らかになりつつあります。

 実験で使われているCBDの処方量が非常に多いため、個人でこれだけの量を摂取するのは非常に難しいと思いますが、効果機序や可能性を示すには非常に有益な情報になるかと思います。

 今日はここ迄!!もっと読みやすくしていきたいと思います、、、。
次回も引き続き、うつとのテーマで論文のご紹介をしていきたいと思います。

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