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感覚とシミュレーションの挟間

今回は、私の仕事観というか仕事におけるポリシー的なことをお話ししたいと思います。

とはいっても、電気設計にかかわりのない方にとっては、ピンとこないお話になると思います。

私は、通常の電気設計において回路シミュレーションソフト(Spiceなど)を使用することは、ほぼ皆無です。
なぜかというと、過去の設計経験からくる感覚と実際の回路動作における電圧波形や電流波形の挙動から傾向を導き出し、理論化するからです。

回路シミュレーションの良いところは、実際の回路が手元になくても波形を観測し、簡易的に定数の変更でどのような挙動になるかを観測でき、傾向を観ることができることです。

あえて簡易的と書いたのは、実際の回路と同等の動作をさせるためには、各部品のパラメータや基板上のパターンのモデル化などによるパラメータを入れ込む必要があるからです。
もしかしたら、今はそれさえも自動で入力されるのかもしれませんが・・・
最新の技術にはついていけていないので旧世代の話をしていることもあるかもしれません。

その時は、時代遅れなやつだと笑っていただいても構いません。
それはそれで事実ですから(笑)

しかしながら、私は経験することが一番確実に物事を理解することだと思っていますので、実際に来ている現象から理論を創っていくというか、積み上げていくというかそういった方が好きなのです。

本だけの知識やシミュレーションの結果だけで得た知識では応用が利かないというか臨機応変に起きている現象に対応できなくなってしまうからです。

それではなくとも、現代日本において、私が感じていることは技術の断絶が発生しており、回路もろくに理解していない技術者(?)が、いきなり回路開発会社に要求仕様を丸投げし、出てきた結果を理解せず設計者を気取って、
自分が設計したんだと思い込んでいることです。

今では、本当に一から回路設計のできる設計者ってごく少数のように感じています。
もちろんいるとことに入るのは確実ですが、特にアナログ設計や電源設計ができる設計者はレアキャラと化していると思います。

もちろん私もほぼレアキャラですが・・・。
ただし、どの分野にも上には上がいることは知っていますのでレアというよりハイノーマル程度なのかもしれませんね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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