花吹雪

「かけがえない」 その重みを
戻らぬ滾(たぎ)りとともに知る
にじむ幻想 鋭い諦念
僕ら現に佇む

だから探す 終わりの意味
そして辿る 始まりの意味
小さな世界(ほし)で重ねる年は
切なく美しい 花吹雪のようで

春風吹く
掟を告ぐ
舞い散る花に僕ら何を思う?
慰めの雨 ここで止め
凍てつく明日を融かすように
差せ光よ 響け歌よ
風に乗る声と声交わして
夢と夢を重ね合わせよう
これからが君との奇跡


過去に焦がれ 足掻くほどに
因果を悟っていくのだろう
ならば僕らは 滲みる傷にも
風の息吹を感じて

受け容れよう 変わるものを
信じていよう 変わらぬものを
季節は巡り 泣いて笑った
追憶より熱い 望(のぞみ)が木霊する

また春が来て 蕾綻び
花となり それもやがて花吹雪
二度はない日々 有難う
手を振る理由(わけ)をくれるから
往け時間よ 残れ痕(きず)よ
遠すぎる手はもう見えずとも
眠らない夜の星に祈る
永遠(とわ)に照らし給え 生命(いのち)


春風吹く
掟を告ぐ
舞い散る花に僕ら何を思う?
失うたび何かを得て
僕が僕になるのならば
湧け慈愛よ 開(ひら)け道よ
蝋燭を灯す一世の先
百年目の春 また会えたなら
終わりで始まる物語

さあ耀き出せ哲学

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