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弾けるように子どもが笑うので、私の心はサイダーみたいになる

ぱぱし

朝起きると「ぱぱし」と言いながら、ジャンプしつつアンパンマンのカードを放り投げて、中をひらひら舞うのを喜んでいた。

「よーいどんしたい」と言って部屋の中を手をつないだまま競走した。走る勢いのまま、無印のソファーの上に布団を積んであるのを、それに飛びついて、体全体を埋めてげらげら笑うのを何度も繰り返した。

ピンクの風船を投げ合った。「ぴんくん風船、ある。ふーって」と言って投げてほしいという意味を伝えてきた。

二枚布団が敷いてあって、敷いた布団の外に立つように指示され、風船を投げた。

上手に両手で受け取って、それからにこにこ駆け寄って「はいどうじょ」と手渡されるのでまた投げた。

どうやら、真上には投げられても、風船を前方にほうるのが難しいかららしい。

でも、だんだん、風船を投げることにも挑戦し始めて、最後には投げられるようになった。

風船を受け取るとき、なぜか、わざと転んでひざで勢いを殺すということをしていて、そのたびに「いたかったよ」というので、毎回そばに行って「痛かったね、大丈夫?」とさすってあげた。それもお互い冗談みたいなものだから、二人でずっと笑いながら風船を放っていた。

以前は風船のキャッチボールを「ぽよよん」と呼んで、投げるたびに「ぽよよん」というルールの時もあった。ピンクの風船は最後には割れた。二人で目を丸くしながら「割れたね」「割れちゃったの」と言った。

最近は、子どもが語尾に「ね」「の」を付けるからかわいい。

キラキラのワンピース

「キラキラ着たいの」というので、ひらひらのワンピースを着せた。

キラキラはひらひらとまだ言えないので、キラキラになっているのだ。

ワンピースは、水色と銀色のラメのストライプで、しっかりタックがとってあり、ふんだんなひだが入っていて、回るとひらっとする。

子犬が自分のしっぽを追いかけるように、くるくると回っていた。

キラキラした生地が光っていて、子供の頬が紅潮していて、ぴかぴかしたまなこで、くるりくるりと回っていた。

昨日は勢い余って、テーブルの角に頬をぶつけてあざにしてしまった。

今日は、畳の部屋で回っていた。踊るみたいに。

子どものフェア

パトカーや救急車が来るというので、町でやっているフェアに行ってきた。

大盛況で、二メートル間隔に並びながら検温を待つ列は、催しものをやっている広場をぐるりと取り囲む程長かった。ヤギもいたので、列に並んでいる最中から、囲いをくぐって走っていこうとするのを押さえるのが大変だった。

子は、大好きなドキンちゃんのぬいぐるみをずっと抱えていた。夫に抱きかかえられて、さらにドキンちゃんを手にしているので、抱っこオブ抱っこという感じでほほえましかったので写真を撮った。

検温が終わって、スタンプラリーのカードをもらった。裏側に連絡先を書いて何かあったとき、連絡が来るという仕組みだ。

古いビデオデッキを分解しているところがあったので、見に行った。どちらかというと大人のほうが興味を持っていた。

仕事ができるという雰囲気の、丸い感じのおじさんが「お父さんのほうが興味あるかなー」というので、「本人も興味ありますよ、ほら」と言った。冗談みたいなことだったけど、本当に興味を持ったらしく、コンデンサがいっぱい刺さっている電子回路をそっと触りながら、子供は一生懸命見つめていた。

電子回路の裏がはんだでつけてあった。ICチップも大きいので、壊れた部品を交換して使っていたらしい。貴重なものをどうやって手に入れたんだろうと思ったけれど聞きそびれてしまった。業務用のテレビデッキだと言っていた。放送局で使われていたらしいが、もう三十年前のものだという。

中学生の子が、水も飲まずに黙々と分解していた。「手がもうダメ、震えちゃって」とブースの人に中学生がこぼすとおじさんに「休憩しな」と言われていた。

「これ、分解できないんですよ」「まだ、お前の実力じゃな、無理かもな」とも話していた。そう言われて、中学生は返事をせずに、もう一回ビデオデッキに向き合ってまた分解に挑戦し始めていた。

長い髪をきれいに巻いた女の人もやってきて、「この子は、四歳のころから家で何もかも分解してしまったんですよ」と紹介された。すごい才能だなと思った。「今は分解しないですよ」と照れていて、「今は直せるもんね」と女の人が言っていた。

めえめえさんのところに行こう、と子供に話しかけると、おじさんが「ヤギさんの列も短くなってきたから今行くといい」と言ってくれたので、ヤギの列に並んだ。また消毒する。ドキンちゃんはしまった。子供はヤギが大好きなので、列を無視して走って行ってしまった。捕まえて抱きかかえると、イヤイヤと言って泣きそうになったので「列に並んだら、もうすぐだから」となだめた。

葉っぱのついた枝を三本受付でもらった。私はカメラを構えて、斜めの方向から撮った。ヤギは必至の首を伸ばして奪うように葉っぱを食べていた。子どもは物おじせずに、手を伸ばして、葉っぱを差し出していた。

親の分も子供に渡した。それが終わってから、「なでなでよ」と言ってなでさせたらご満悦だった。優しく背中をなでていた。

パトカーの前で写真を撮った。婦人警官が、帽子を貸してくれたので子どもに被せたところ、神妙な感じでおとなしくなった。男性の警察官が写真を撮ってくれた。家族三人で映っている写真がほとんどないので貴重だからとても嬉しかった。

カラフルな綿あめがカップに入っていたのを売っていたのでそれを買った。選ばせてくれるというので、促すと上から「青、ピンク、緑」のカップを選んだ。渡してもらうと大事そうに抱きかかえていた。味が全部違うんですよ、ということだったので楽しみだった。

建物に入って、ベンチに座った。綿あめを食べさせるともぐもぐ食べた。四口くらい食べた後、口や手につくのに気づいて「びちゃびちゃ」と言って手をパーにした。手が汚れることを「びちゃびちゃ」と言う。「汚れた」とはまだ言えてない。

手を拭いてやると、もう食べなかった。口の近くに持っていくと、舌を伸ばして少し舐めるくらいになったので、大人がむしゃむしゃ食べた。すると、子どもが舌をベーっと出した。どうやら、私たちの舌が青く染まっているらしい。子供の舌も青く染まっていた。「青いね」というと喜んで何度も舌を出していた。

お昼を食べて、帰宅して、昼寝をさせると夕方になった。夕食を食べてからはまた遊んだ。夫は仕事に行った。

ピクニック

「ぴくぴっくしたい」というので、ピクニックごっこをした。

「しゅわって」というので、座る。そうすると、おもちゃのミルクやメロン、みかんをお皿に出してくれる。

「ダックも」と言ってドナルドダックを手渡された。

「はいどうじょ」と言ってみかんをもらった。「あむ、ぱく、もぐもぐ」と言って食べる真似をすると、とても喜んでころころと笑った。

「メオン、おいしいね」と言って、子どもは自分のほっぺを押さえながらにこにこしていた。

「ミウクどうじょ」と言って架空の牛乳を注いでもらった。途中でコップを傾けてしまったら「かぼしちゃった(こぼしちゃった)」と残念そうな顔をしたので、拭く真似をしたら、またにっこりして、「ダイジョウブヨ」と言った。

そうして遊んでいるうちに、おもむろに「おたたけ、する」と言ったので、二人でお片づけをした。

お風呂

「ちゃぷちゃぷとしゃわしゃわ、どっちがいい?」と聞くと「ちゃぷちゃぷ」と答えたので、お湯を張って入浴した。しゃわしゃわは、シャワーのこと。ちゃぷちゃぷは湯船でお風呂に入ること。

体を洗って、二人で湯船に入って、入浴剤を入れた。入浴剤を手に持って、お湯の中で手を左右に動かして、水が色に染まるのを楽しんでいた。入浴剤が消えてしまう前に「あわわ。バイバイ」と言って手を振っていた。トイレの時も、「うんち、バイバイ」と言って手を振る。

ねんねの前に歯を磨くと、非常に暴れて泣いた。いつもそうなので、とても苦しい気持ちだ。その上危ない。かわいそうなので、寝る前だけどもう一つだけねと言って動画を見せた。

寝かしつけ

ずっと泣いていたけれど、突然「泣いてないよ」と言って、顔をごしごしこすったと思ったら、また上機嫌になった。電気を消して、ごろんと横になった。すると歌ったり転がったりして遊びだしたので、とんとんした。次は、その腕を「たかた!」と言って捕まえられた。たかた、というのはたぶん捕まえた、という宣言の意味。手を緩めて、また「たかた」して、の繰り返しだから、そのたびに、「つかまっちゃった!」「逃げられた!」とつかまったり逃げたりした。

そのうち、「とんとんしないで」と振り払われたので、頭をなでなでした。今度は「なでなでしないで」と言われたのであきらめて、何もしないで寝たふりをした。

子どもは相変わらず歌ったり、ドキンちゃんを大きめの魚のぬいぐるみにぶつけて遊んだりしていた。そうこうするうちにカギの音がした。「パパだ!」と言って弾けるように子供が笑い、飛び起きて、跳ねて、「パパおかーり!」と呼びかけた。パパが好きなのだ。「パパシャワシャワ」と言って、シャワーに入ることを促していて、「ちゃんちゃんが寝た後にね」と夫子が答えていた。我々は、子どものことをちゃんちゅとか、ちゃんちゃんとか読んでいるのだ。

寝かしつけるのには、苦労して、十時前にようやく寝た。

作曲

おいちいおいちいおいちよ、おいちいおいちいおいちよ、と歌っていたのを夫が採譜して、曲にしてもらったものです。いい曲だ。

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