草原を走り、くるくると回る子ども
月を呼ぶ子
月が出ていると「ムーンいた、ムーンムーンいた」と言って指をさして、私の腕を引っ張って、しつこいくらい一生懸命に教えてくれる。子どもは、月が好きなのだ。歩くと一緒に揺れてついてくるから。
月を見ながらゆっくりと歩いた。
他にもパトカーがいても、バスがいても、青い車がいても、「カー」「バシュ」「あお」と言って教えてくれる。
テレビについて
私たちは民放もNHKもみない。でも、YouTubeは見る。プレステにつないでいるから、そこからNetflixとYouTubeを見る。だいたい、英語の番組を見る。今はやっているのはABCだ。フォニックスやアルファベットをひたすら歌にして、いろいろ紹介してくれる番組がいっぱいある。
子供はアルファベットが大好きだ。なんでか知らないけど、ずっとアルファベットの歌を歌っている。
「ABCが見たい」という。YouTubeだ。でも、すぐ「こえちがう(」と言って、「これは違うから変えろ」と主張するのでたいへんだ。
トイトレは四週間前に終わってしまった。最後に失敗したのは忘れもしない月曜日だった。その日は四回失敗して、あきらめておむつにした。その次の日うんちも失敗してしまった。そのとき子どもはショックを受けたような顔をして落ち込んでいた。それから一回も失敗していない。
トイレに行きたいときには、またを押さえて「ちっこいきたい」という。とてもお利口なのだ。
おズボンを穿くときに、間違えると「はんたい」という。まちがえたも言えるのに、思っていたのと違うときは「はんたい」「はんたいよ」という。うまくいったときは「せいかい」という。
子ども相手だとなぜか「おパンツ」と言ってしまうのだけど、保育園でも「おパンツ穿いて」と言っていたのでおかしかった。
言葉について
私の子どもは言葉が遅い。まだすらすらは話せない。言っていることは善く伝わっていて、例えば「ご飯食べたらゼリーね」ということは伝わる。以前は、目の前にゼリーがあれば食べられるまで泣いていたのに「あとで」がわかるようになった。これは、時間の経過、という視点が育ち始めていることを示唆しているのだと思う。
ねんねについて
ねんねの時にも「八時半になったからねんねしよう」というと、なんとなく時間が遅くなったということがわかっているようなわかっていないような顔をする。
テレビを消すと、大泣きするときもあるけれど、自分からスイッチを消して、布団をかぶってコロンとするときもある。
機嫌がよくても悪くても、寝るのは十時くらい。それを保育園の先生に相談したら「寝る前にYouTubeは刺激が強すぎるのかもしれませんね」と言われてしまった。だから昨日から八時にテレビを消した。そうしたら絵本を持ってきた。おやおやおやさいを読んだ。
子どもはトマトを「トトちゃん」と言って愛している。おやおやおやさいではトマトのイラストがあるので、トトちゃんのことだけを見つめてトトちゃんが出てくると「トトちゃん!」と言って喜んで教えてくれる。
ブドウ狩りに行った
二週間前にも行って、楽しかったので再びブドウ狩りに行った。シーズンは終わりかけていた。もう種類はだいぶ減っていたけれど、ハニービーナスや巨峰やデラウェア、紅環、スチューベン、ピオーネ、サニールージュ、黄玉などがあった。
ブドウの木の下を子供は駆けて行って、嬉しそうにくるくる回っていた。
木漏れ日がさっとさしていた。ブドウは袋に包まれていたが、熟れているものはそれを破られていた。
それを紙の傘の上からぶどうの蔓を切って、手で支えると、ずしっと重みがした。色づきが黒々したものがおいしいと言われた。
地面をはいずった草が生えていたが、歩くのには邪魔にならなかった。
用意されたテーブルとイスを見つけると、子供は駆けよって、ぽんぽんとイスをたたき、よじ登ろうとした。
ちょっと待ってねと言って、かごに入れたブドウを買って箱に入れてもらったり、送ったりした。足元を子供がまとわりついたり、くるくる両手で巻き付いたり、私の周りを回ったりしていてかわいかった。小さな花壇に咲いていた花を興味深そうに見たり、ブドウの飾られている棚を感心してみたりしていた。
途中で飽きた様子だったので、買い物は夫に任せ、手を引いて歩いて、テーブルについた。ブドウの入った箱を置くと、椅子の上から伸びあがってのぞき込み「ちいせえブドウ、○○ちゃんの!」と言ってにこにこしていた。
「これ?」とデラウェアを持ち上げると「こえ!」とのことなので、デラウェアをつまみとって持参したお皿に分けた。
一つずつ丁寧にもぐもぐしつつ、皮まで食べて、「もっと!」というのでどんどん上げた。そのうちの夫が戻ってきた。そうすると今度は「大きいブドウ!てての!」と言った。ててというのは、私のことで、なぜかててと呼ぶ。
じゃあというので、サニールージュを一粒食べたら、「○○ちゃんも!」と主張するので、はさみで切ってやった。はさみで切るとき、いっぺんに大きく切ったので、ぷちんとはじけた。半分に切ったブドウを皿にのせてやると、にこにこしながら口にした。
皮を少しずつ切るとはじけないということが学習できたので、どんどん切ってやった。そしてどんどん食べてくれた。
しばらく食べて、おなかがいっぱいになったらしく「もうおしまい」と言って前掛けを取ったので、おしまいになった。水道でべたべたになった手とお皿とはさみを洗った。
おいちい、おいちい、おいちいよ、の歌
帰りの車の中で、子どもが窓を見ながら、ずっと「おいちい、おいちい、おいちいよ、おいちい、おいちい、おいちいよ」とかわいらしい歌を歌っていたので、本当にうれしいことだなと思った。こういうのを幸福というんだろう。
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