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c71の一日

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c71の書いた文章を発表していきます。 小説を書きました。
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記事一覧

ブルー・ビーナス・ブルー

 ガソリンスタンドがあった。原付のハンドルを右に傾けて、そのまま車線を横切った。

 店員が「シャース」と声をかける。シャースって、なんだろう。よくわからない。いつも思うけれど、不思議だ。わたし自身も中学生のときは、部活終わりに、「アーッタ」と言っていた。「ありがとうございました」の略だったと思う。いつ発生するのかわからないが、集団には独特の挨拶が伝播する。

 灰色のコンクリートには油のシミや、

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「頭蓋骨を割られたんだよ、それでも」と彼女は

「頭蓋骨を割られたんだよ、それでも」

と彼女は言い、息を吐いて、言葉を区切った。

 わたしの名前は新しい。ここでは新しい名前で呼ばれる。みんな、お互いの古い名前を知らない。わたしはただ耳になっている。わたしは食事をしようとしているが、手はぶるぶると震えていて、箸をうまく握れない。

「それでも、わたしは逃げなかったんだよ、だけどね」

と彼女はまた言葉を続けた。

 テレビで朝のニュースが流れ

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満ち足りたわたしの空洞

        

 

 わたしには空洞がある。わたしの中は空っぽだ。空っぽの中に感情が ふわふわと飛び交っている。怒りはとげの形をして内部を引っ掻くし、 悲しみは内部をかびさせる。外界が、影響して、わたしの中身は振動する。空洞があるから、大きな音が鳴る。音に怯えて、平静を保てないことが良くある。

 わたしの空洞の名前は、「自閉症スペクトラム」だ。わたしの空洞の中には、もっと良いものも含まれて

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