太陽光でEV三輪車を走らせるなら…
私の購入するEV三輪車「EV BOSCO」は、3時間のフル充電で75kmを走ることができる、最高速度60km/hの乗り物である(写真は発売元であるガレージ・ボスコさんのブログより拝借した)。三輪車と言っても側車付軽二輪に分類されるため、ヘルメットなしで高速道路を走ることもできる。
既に別の記事で書いたが、EVの悩みどころは、いかに走行距離を伸ばすかにある。もっと言えば、いかに電気を調達するかである。そこで今回は、私がEV BOSCOを用いて「ソーラーパネルだけで走り続けるなら」ということを書く。
ソーラーパネルの発電量
冒頭に述べた通り、EV BOSCOは最高速度60km/hを出せて、3時間のフル充電で75kmを走ることができるEV三輪車である。そのため、1時間でフル充電に等しい電気を作り出せるのであれば、ガス欠ならぬ電気欠を気にすることなく何kmでも好きなだけ走り続けることができる。
最初、私はソーラーパネルを載せて、その電気で走り続けたいと考えていた。ところが計算してみると、真上から見た時のEV BOSCOの面積では3時間のフル充電にあたる電気どころか15〜20分の充電くらいの電気しか生み出せないことがわかった。
単純に1日のうち12時間が昼だとする。さらに半分は曇りや雨で発電できないとする。ここまでの条件だと1日平均6時間、太陽の光を使えることになる。
そこに加えて、太陽とソーラーパネルの角度が合っていないことにより、発電効率がさらに20%に落ちたとする。そうすると1日平均1.2時間くらいしか充電できないことになる。
EV車の用途は週1で買い出し
このように1日平均1.2時間くらいしか充電できないということは、裏を返せば、およそ6日でフル充電されるということである。つまり、週1で75kmを走るような用途であれば、十分にソーラーパネルを積んだEV BOSCOで走り続けることができるということになる。
例えば、毎週1回、片道30kmの所に出掛ける。
西荻窪にある我が家の場合、幕張のコストコは片道40kmということでアウトだが、入間や多摩のコストコなら25kmを切るからセーフである(私はまだ一度もコストコに行ったことがない)。
IKEAだと立川は20kmを下回るから余裕だけど、船橋は35kmということでギリギリ行けるかもしれない。ただ、何が起きるかわからないから、これはアウトだと考えたほうが良いだろう。意外なところで横浜の港北にあるIKEAは20kmだから余裕で行ける。
これはEVに関係ない個人的なことだが、IKEAのチーズケーキが好きだ。それとベジボール。私の場合、ベジボールを「エコ作」という太陽熱調理器で蒸し焼きにして食べている。プラントベースラーメンも、お湯は太陽熱調理器で沸かして食べる。私にとってIKEAは光熱費0円クッキングの良き友である。
そんなIKEAに、今まで妹の車を借りるか電車に乗って行っていたのが、毎週行けるとなると実に嬉しい。
時々「東京は何でもあって便利で良いよね」なんて言われるが、正直なところ千葉市のほうが「何でもあって便利」だと私は思う。その典型として、我が家の近くにイオンモールはないのだが、川口のイオンモールは片道25kmなので行くことができる(川口のは行ったことがない…幕張のは行ったことがあるけど)。
これだけあちこち行けるなら、とりあえず良いんじゃないかな、というのが私の考えである。ソーラーパネルを載せるのにお値段はかかるけど、ガソリン代0円で走れるのは嬉しいね。
そして忘れてはならない、このEV BOSCOは側車付軽二輪なのだ。車検は不要、税金もバイク並みに安い。後部座席があれば誰かと一緒にお出掛けだってできる。
毎日乗るなら
自分のライフスタイルからして、私は車に毎日乗ることはないと思う。ただ、人によっては毎日乗る人もいるだろうから、もしソーラーパネルを積んだEV BOSCOを毎日乗るならということも書いておく。
先に述べた通り、EV BOSCOにソーラーパネルを積んでも、1日平均1.2時間くらいしか充電できない。そのため天候にもよるが、1週間でフル充電されると考えたほうが良い。そしてフル充電したEV BOSCOは75km走ることができる。よって単純に割り算して毎日乗るなら片道6kmを目安にしたら良いということになる。
我が家の場合、最寄駅まで歩くと20分くらいかかる。そんな駅までの送り迎え+近所のスーパーでの買い物くらいなら、ソーラーパネルからの電気で十分だと思われる。
諦めや割り切りも大切…かな?
本当は、「#買ってよかったもの」で紹介したお墓にもEV BOSCOに乗って行きたかった。つくばに購入したお墓は片道60kmのため、向こうに到着したら充電しないと帰ってこれない。そして家庭用のコンセントから充電すると、フル充電には3時間かかる。
お墓の近くに、レストランが併設された農協の直販所がある。そこでお昼ごはんを食べて買い物をしている間に充電させてもらえれば…とは思う。高速に乗ってサービスエリアに入ることも可能だ。
ただ、やっぱり人様から充電させてもらう時、その電気はどうやって作られた電気なのかは気になる。石炭を燃やす火力発電の電気とか、森林破壊して作ったダムによる水力発電の電気とか、核のゴミの行方が謎すぎる原子力発電の電気とかは、使いたくないからね…。
私の母は長野市の出身だ。善光寺さんの裏山で、長野市内が見渡せる場所に、母の両親のお墓はある。父は北海道の、かなり北の方の出身だ。
本当は長野や北海道のお墓参りもEV BOSCOで行きたいところだ。でも現状では何度か充電しないと行けない。
これは割り切って電車やバスを乗り継いで行くんだな(北海道も電車で行けるなんて、スゴい時代だ)。公共の交通機関が、どんなエネルギーを使っているかは、目をつぶっておくことにしよう。あのグレタさんだって、どうやって作られた電気かアヤシイ電気を使った電車に乗るでしょうし。
大好きな温泉も諦めよう…とりあえず品川のちょっと向こうにある戸越銀座温泉は片道20kmだから、それくらいかな。そもそも徒歩5分の秀の湯だって最高に気持ち良いし(秀の湯は天然温泉ではないけどね)。
嫌われ者が嬉しくなる
本当にソーラーパネルを載せて走り出したら、多分、渋滞が嬉しくなると思う。
速度をそんなに出さないからバッテリーの持ちが良いだろう。それと、渋滞中もソーラーパネルは電気を作ってくれる…微々たるものだけど。
あとは、屋根のない駐車場。立体駐車場の屋上部分なんて、遠いし暑いし、みんな嫌がる。それがソーラーパネルを積んだEVにとっては特等席になる。
タダでさえEV BOSCOは車幅が狭く車長も短いから駐車スペースに困らない(軽自動車専用の駐車スペースでも、詰めれば2台停められるくらいだ)けど、なおのこと余裕で駐車できるだろうね。
まとめと次回予告
車両の屋根に搭載したソーラーパネルから供給される電気だけでEV BOSCOを走らせる場合、毎日乗るなら片道6km、フル充電されたら乗るという具合なら週に1回のペースで片道30kmというのが目安になる。実際に自分の生活圏でこの6kmや30kmという距離を調べてみると、意外と広範囲であることがわかる。
どうしても遠出をする場合は充電が必要になるが、日常生活で使う分には全く問題なく乗れるのではないだろうか。
次回は、EV BOSCOを風力発電で走らせる場合について書く。
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