家庭科教師養成の問題点

男性の免許保持者は多い?

卒論のテーマが男性家庭科教員の現状だったので、過去のデータを調べました。
だいたい家庭科免許保有者は0.3%です。
感覚的なもので200~300人ぐらいが全国で活躍している状況です

家庭科教師になりたくなったら?

単純ですが、大学進学することです。
ところが、ここに少し問題があります。
1種免許を取得できる大学

https://www.mext.go.jp/content/20210430-mxt_kyoikujinzai01-100002450_01.pdf

2種免許を取得できる大学
https://www.mext.go.jp/content/20210430-mxt_kyoikujinzai01-100002450_02.pdf

国公立は基本的に教育学部とお茶の水女子大、奈良女子大、大阪公立大(旧大阪市立大)、滋賀県立大、神戸大、山口県立大、熊本県立大です。
私立は大半が女子大学であり、男性受験者はかなり学力を要することになります。共学も女子大からの転換で男性受け入れが可能になっただけであり、そもそも論として男性の受け入れが少ない状況です。

今から取りたい場合は?

現職の教員だけど、免許がとりたいなどを満たすために通信制大学や夜間大学がありました。
現在、家庭科を取得できるのは日本女子大学のみです。この通信制がかなり難しいと評判ですぐにとれるわけでもありません。
かつて女子栄養大学2部が受け入れを行っていましたが、閉鎖してしまいました。技術科も同様でありなかなか厳しい状況があります。
美術、音楽は大阪芸術大学など保健体育は星槎大学などが開講しています。

採用試験と講師問題

教員の不人気さで倍率は低下していますが、家庭科は割と高い倍率を保っている自治体もあります。
高校の場合は採用なしの年もあり、採用しても1人も普通なので受からない人も多くいます。
それはやむを得ないとしても、家庭科には非常勤講師の問題が存在します。
授業数が少ないため、クラスが少ない学校では正規を配置すると余ってしまいます。そのため非常勤で補うことが普通で2,3校勤務も多くみられ、採用試験の勉強の時間捻出に苦労します。また、不安定な雇用、収入も100万円台ですから生活も苦しい状況です。
同じように少ない美術、音楽、技術と比べると美術と家庭科は非常勤で済ませることが多いと感じます。家庭科の調査では約3割が非常勤とほかの教科に比べて多い印象があります。

家庭科の未来

一部の方々から家庭科不要論があり、また内容がジェンダーに偏りすぎであるとかバッシングを受けたこともあります。
彼らの主張も矛盾を多くはらみ、理想と現実の乖離が見られますが、少なくとも国が決めた以上家庭科は存続していきます。
男性が多く増えることを望みたいところですが、家庭科免許保有者でも小学校教諭になられる方も多く、少子化に伴う採用減を考えると厳しい状況が続きます。
それでも、なりたい方が少しでも増えることを期待したいところです。

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