倍率「1倍」の推薦入試に落ちた
冬になると毎年思い出す。高校3年生のときのこと。学校から帰宅すると推薦入試の結果が届いていた。不合格だった。
なぜか、受験についてきてくれた母がひどくショックを受けていて、半泣きになるくらい落ち込んでいるその状況に、私はとても動揺した。なぜなら「せっかくあんな遠くに行ったのに……」と、ぼそっとつぶやいたからだ。不合格という事実よりも、頑張って遠くに行ったということの方が彼女にとって重かったらしい。
うん、いやまあ、確かに。わかるよ。愛媛の南の方の山奥から奈良の方まで遠征し