「Mリーグ」って何?+約1年「Mリーグ」を見て個人的に思った魅力。
はじめまして。
HN自体は単に語呂がいいなと思って採用したもので、実際に好きなサイコロの出目は「5と9」、親番の担当の時です。「といなな」と申します。
先月からリアル麻雀に手を出し始めたのですが、ネット麻雀で慣れていてもリアルに放り出されると赤子同然なんだなと思い知らされました。
今後は都内各地にあるノーレートに行ってみたいなと密かに思っています。
さて、初っ端からこんなタイトルの記事です。
早速ぶちかましていきます。
2018年発足の「Mリーグ」とは
まず、「Mリーグとはなんぞや?」というところから。
「Mリーグ」は、2018年に発足した「麻雀のプロリーグ戦」です。
私は発足当時を知らないので過去の記事に対する反応などを見ての話ですが、何よりも注目されたのが
「選手をドラフト会議で選ぶ」
「優勝賞金5000万円」
の2点だと思われます。
しかし、Mリーグはそれだけじゃありません。
個人競技から団体競技へのシフト
2021-22シーズン時点で、以下のチームがあります。
・KADOKAWAサクラナイツ(KADOKAWA)
・セガサミーフェニックス(セガサミーHD)
・渋谷ABEMAS(サイバーエージェント)
・KONAMI麻雀格闘倶楽部(コナミアミューズメント)
・EX風林火山(テレビ朝日)
・U-NEXT Pirates(U-NEXT)
・赤坂ドリブンズ(博報堂DYメディアパートナーズ)
・TEAM雷電(電通)
これらのチームに、下記の主要5団体からドラフト会議にてプロ雀士が選出されます。
・日本プロ麻雀連盟
・日本プロ麻雀協会
・最高位戦日本プロ麻雀協会
・麻将連合
・RMU
そして4人1チーム、総勢32人での団体競技として麻雀を行うという形態。
それまでは、麻雀は「個人競技」という色が強く、あっても「団体対抗戦」とか「四神降臨」くらいでしょうか。それでも既存のスポーツにあるような「チーム」としての動きはおそらくなかったかと思われます。
それを企業がスポンサーに就き、上記5団体の垣根を超え、給与も年俸で出す(ここは別個でまとめます)ってんだからまあ驚きです。
「そういやなんかJリーグ発足当時もやいのやいの言われてたとか聞いたことあるな…」と思い、Jリーグについても調べたのですが…そこである事実が発覚。
Mリーグの最高顧問は、Jリーグ発足時にチェアマンを勤めた川淵三郎氏。
※ここまで言っておいてなんなんですが、Jリーグ発足前はサッカーのプロチームが日本になかったってことは一昨日あたりに知りました。
Mリーグ発足時の記者会見がYouTubeに上がっていたので見てみたところ、川淵氏は麻雀が元から好きなようです。記者会見のコメントより要約。
「賭け麻雀(推測ですがおそらくフリー雀荘か仲間内のセットでしょう)やってたけどサッカー業界に迷惑かけたらまずいと思って一切やめた。だがここ最近(2018年当時)は地域の人たちと賭けない麻雀をやっている。」
と語っていました。
繰り返しますが、サッカーのことについて何も知らない自分でも合点がいってしまった事です。
発足当初10チームだったのが、現在はJ1からJ3まで56チーム。
しかも私の出身地である宮崎県にも「テゲバジャーロ宮崎」というチームが昨年にJリーグ入りしていたと知り、目ん玉飛び出てどっか転げ落ちるかと思いました。
Mリーグもこのような発展を遂げる可能性があるかも。
賞金とドラフトだけじゃない、その他の違い
Mリーグの革新的な面は、それだけではないのです。
スポンサー企業から年俸制で給与が出る(最低400万円)
麻雀プロという肩書で儲かるかと思いきや、そうでもないというのが実情です。
まず麻雀プロになったら、団体の年会費を支払います。(年4-5万くらい)
更にリーグ戦の参加費や、それが遠方なら交通費もかかります。
ではどうやって食っていくかというと、雀荘勤務であったり、雀荘にゲストとして呼ばれたり、それなりに人気があれば戦術本なんかを書いたり。
最近ではYouTubeチャンネルの開設もめちゃくちゃ多いです。
「麻雀プロ」でまともに食っていくなんて到底難しいわけです。
そんな中で、このMリーグの発足によって、2000人以上いるプロ雀士の中の32人※が「チームに所属している限りは安定した収入を得られる」という状態を作り出しました。
これは小さいけど大きな一歩ではないかと思います。
※2021-22シーズン時点。発足当時は21人です。
スポーツさながらの「ユニフォーム着用」
後述する魅力に書きますが、それを引き立ててるのはもしかしてコレなんじゃないかなと。
答えを知りたい方は是非下へお進みください。
通常、多くのプロ麻雀対局はスーツ着用が主でした。
Mリーグの場合は、所属チームごとのユニフォームを着用するスポーツさながらの演出を出してきました。
麻雀においてユニフォームって、機能面「だけ」で言えばいらないんですよね。
元々は体を動かしやすい服装なので、最大でも上半身が動くくらいのゲームです。
でも、それを取り入れた。何故か?
一番Mリーグが描く「Mリーグの」、そして「麻雀の」今後のイメージを作るための「演出」が多くの役割を占めていると思います。
Mリーグ発足のきっかけの一つとして、「麻雀を五輪の室内競技に」という動きがあります。
予定で言われていた2022北京で競技が行われていなかったので却下されたのかもしれませんが、この当時マジで麻雀を五輪競技にしようとIOCに申請していました。
これに関しては多少調べれば出てくるので割愛します。
そして、「健全な競技」のイメージ作り、
チーム戦を取り入れたことによる一体感の演出、
一目見たら「あ、○○だ」と一発でわかる視認性。
(例えば、サクラナイツなら白+ピンク、風林火山なら赤黒、雷電なら黒黄など)
ファンを作るための下地としては充分すぎる演出効果です。
プチ炎上もした?「ゼロギャンブル宣言」
先述の最低年俸の保証により収入が安定する代償として、Mリーガーはおそらく麻雀業界にとって最大の制約を受けることになります。
それは「賭博行為への関与の禁止」。
ちなみに関与してたら即クビが飛ぶシステムです。
これは主に賭け麻雀や野球賭博・ノミ屋や裏カジノなどの違法賭博(公営ギャンブルや「遊技」としてすり抜けているパチンコ・パチスロ関係を除く)と個人的には解釈しています。
具体的な例を挙げると黒川元検事長や某マネーの虎令和版の社長達ですね。
ただし、これらのうちの「賭け麻雀」、これは多くの麻雀愛好家が誰しも通る道となっています。
麻雀店として営業している店舗の多くはオンレート、すなわち金銭のやり取りが発生する形態のものです。
純粋にネット麻雀から上がってきたプロを除き、ネットやゲームの麻雀からリアルへ行く道、はたまた初めてネット以外で麻雀に触れる手段の中で一番デカい市場に「NO」を叩きつけました。
これは「麻雀の健全化」とともに「既存の業界への宣戦布告」ともいえるのではないか、という声がありました。
プロの間で行われる競技とか、ネット麻雀や健康麻雀を除けば、「麻雀=賭け事」というのはMリーグ発足前まではイメージでも何でもなく、ただの現実だったわけです。
そこにメスを入れてきたのがサイバーエージェントの対局時の目つきで社員に引かれるほどの麻雀狂藤田晋さんであったり、Jリーグだけでなく多くのスポーツに関わってきた川淵三郎さんだったり、といったところでしょうか。
しかし、この「ゼロギャンブル宣言」によって、オンレートの雀荘にMリーガーはゲストとして行くことができなくなった、というわけです。
麻雀プロの主な収益のひとつを消されることとなりました。
また、キャリアの長いプロは特に、
「フリーで1000万貯めた」「強いメンバー(従業員のこと)がいると噂になった」など、雀荘勤務で伝説を作ったプロもいるわけです。
そういったプロもMリーガーとして名を轟かせているので、そういった要素を無視するのかという声もありました。
※先述のフリー1000万は戦績としてではなく、社員としてフルで働いて社員寮で暮らし、ドケチと言われても納得せざるを得ないほどの倹約をしたから、という説もあります。
ただ、これは「健全化のため」であるなら、遅かれ早かれ通らなければいけない道なのではないかと思います。
あれから4年、どうなったか?少なくとも少々の動きはあると思います。
これは別の記事で。
長い前置きからようやく本題、魅力について。
正直いの一番にこれを語りたかったのに、Mリーグに関する前説だけでずいぶんと文字数を食ってしまいました。
ただ魅力ってのは本当にシンプルで、「え、そんなことある?」と思われるかもしれません。
ただ、長いこと見てるとマジでそう思っちゃいます。まだ見始めて1年ですが。
そのへん歩いてたらパッとしないであろう中高年男性がカッコよく見える
これ、マジでそうなんです。
もしも、世で言う「おじさん好き」にMリーグを見せたとしたら、
「ガチ恋級になる」か、
「おじさんはこんな格好良くなくていい!輝きすぎてる!解釈違いだ!」
と意見が割れるかもしれません。
そのくらい中高年が輝いてます。
いや「頭部が?」じゃないんだよ。
全身だよ全身!!!
これには無論例外もいます。
強面な風貌からか「卓上のヒットマン」と名付けられたABEMASの松本吉弘選手であったり、
見た瞬間頭にこびりつくレベルの松本選手とはまた違った強面とド派手さを兼ね備えた風林火山の松ヶ瀬隆弥選手とか。
あと、麻雀格闘倶楽部の佐々木寿人選手・滝沢和典選手。
あの見た目と身長、七対子の出現確率(約4%)くらいでいいから分けてほしい。
さて、その選手らと対照的に、「Mリーガーとして有名なのでバフかかってるけど、実は駅前の喫煙所とかに普通にいてもスルーするんじゃね?」な風貌の方々もいるわけです。いやめっちゃ失礼。
※以下、あくまで個人的見解です。
ただ、そういった人々をバッチバチ魅力的に映してしまうのがMリーグ。
例えば、サクラナイツの堀慎吾選手。
やや気だるげな表情で打ち、勝ちを粛々と取っていく。
2021-22シーズンの優勝の秘訣はもしかすると堀選手のあの表情なのかも?
あとはセガサミーフェニックスの近藤誠一選手…は雰囲気からして「あっ麻雀強そう…」ってなるのと、多分普段の風貌からして目立ちます。
そんなわけで、堀選手以外なんかパッと思い浮かびませんでした。
小林剛選手は女性と子供に大人気だろうなーって見た目。年齢を調べてみたらなんと46歳。あのーライトノベルの中に一旦入って出てきたんですか?
ドリブンズの園田賢選手は世界線が違えばサッカーとかのコートにいそうです。
この世界線ではリーチ後のツモ切りがすごく独特です。あの動作は個人的に練習中です。
とりあえず次の魅力にも行きたいので、この話題は一旦終了。一旦ね。
実況・解説が面白い
対局もさることながら、麻雀の放送対局というものに「風」を巻き起こしたのではないか?となるほど面白い。
思わず「面白いんです!」ってやりたくなるほど。
実況にはまず、松嶋桃さん・小林未沙さんの女性2名。
雀魂のリーグ戦「神域Streamerリーグ」の実況にも呼ばれています。
(小林未沙さんは第1節、松嶋桃さんは第3節)
そして…
「麻雀界のジョン・カビラかピエール北川か」と噂されている(されてない。多分)日吉辰哉さん。
また、解説には土田浩翔さん、渋川難波さんなど解説席でお馴染みのプロ雀士、そしてたまに「プレイヤー解説」としてMリーガーが呼ばれるなんてことも。
シナジーを生んだりすれ違いを生んだり様々です。
スポンサーのノリが凄い。
Mリーグは企業の協賛によって成り立っているのですが、選手の負けシーンをそのままCM化したり、女性プロのみならず男性プロにも容赦なく片っ端から「大好き」と言わせる企業だけならまだしも、昨シーズン(2021-22シーズン)からどえらいブチ壊れたスポンサーが参入してきました。
日清食品です。
おそらく一部のオタクはこれで納得する、震え上がる、発狂する等様々な反応を見せることでしょう。
ホロライブ×カレーメシは記憶に新しいですね。
スマホ音ゲー「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」では有名ボカロPの書き下ろし名曲4曲と楽曲もPVもMASTER譜面もトチ狂ったやべーやつ1曲という怒涛のコラボを魅せてきた日清食品。和服の寧々ちゃんマジかわいい
そんな日清食品がスポンサーとして参入開始早々にやったこと一覧がこちら。
・地和出たらUFO”一生分”と発表(平均寿命から逆算して送るらしい)
・麻雀用語に「メン」というワードが多い(リャンメンとかメンタンピンとか)ことから、日吉さんが実況を担当している1試合から「メン」をまるごとカウント。
・UFOから連想し、多井隆晴選手を「麻雀星人」認定。その根拠として示された「濃い濃い”ソース”」そのうち2項目は顔芸とVTuberへの投げ銭額。
・↑の「麻雀星人」仕様UFOが実際に作られ、多井選手のもとに大量に届いた。
・それだけでは飽き足らずオリジナル麻雀牌、通称「日清牌」を最新自動卓対応で作る。
・更にはその牌を使い「麺麺位決定戦」を開催。「東南西北」が「日清食品」、東1局は「日1局」。理解が追いつかない。
「日清食品とコラボするとだいたい大変なことになってる」ってのが、Mリーグでも実証されました。
Mリーガーたちもそれに呼応するように日清食品の製品に関するエピソードがあったり、まさにシナジー。
ちなみに、現在Mリーグで採用されている卓「AMOS REXX III」はなんと史上初の「上下整列機能」付きとなっており、1個前の「REXX II」まで何世代も使い回せた牌がその関係上使えなくなっています。
「日清牌」はその事実上専用の牌でオーダーしているのです。コスト度外視。
まとめ:百聞は一見にしかず。まずはYouTubeで切り抜きを見よう。
いや、もうちょっと語りたいところなんですが、そろそろ文章を書くのに疲れてきたのと、読み手のほうも疲れるんじゃないかと思って一旦ここらで切り上げます。一旦ね。
今シーズンの開幕は10月、それに先駆けてドラフト会議が7月に行われます。
とりあえずシーズンオフで、過去の試合もAbemaプレミアムでしか見られません。(特集時に配信の麻雀chで流れてたりしますが)
ですが、有志制作の切り抜きがたくさん上がっているので、「Mリーグ 切り抜き」あたりで検索をすればいっぱい出てきます。
※かつては公式チャンネル以外の切り抜きやMADなどは削除されていたのですが、MCNに加入してアップロードができるようになりました。
スポンサーの狂気の「メン」カウントや「麺麺位決定戦」はYouTube公式チャンネルにあります。
変なところばかりを挙げましたが、Mリーグの魅力が0.00158%(地和の出現率)でも伝わればいいな。
それでは。
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