第15話 推しが舞踏会いってしまったら死ぬ
さて、今回は岡山県に初上陸してきた話でもしようかと思うんだが、まあ、期待すんなよ。目的は『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(以下、推し武道)っていう、俺にっとって大事なアニメの聖地巡礼。あと港町の絶景も堪能しちゃおうって算段よ。それから…なんかこう、人生の意味を考える旅的な?いや、違うな、そんな大層なもんじゃねぇや。
んじゃスタート。久々の新幹線にワクワクしたのも束の間、切符の扱い方が分からず改札でプチパニック。駅員さんに“こいつ何年地球で生きてんだよ”みたいな顔されながら丁寧に教えてもらった。ありがてぇ。
で、岡山駅着いたらまず目に飛び込んできたのが桃太郎像。おお、アニメで見たやつ!でもよく見たら普通の像なんだよな。そりゃそうだ。周りは商店街とかイオンモールとかあって、意外と都会っぽい。「もっと田舎を期待してた」とか口に出したら岡山の人全員に殴られそうな勢いだな。
そこから路面電車“おかでん”に乗って岡山城へ向かう。途中で石山公園ってとこに寄ったんだけど、これが『推し武道』で推しのえりぴよがバイトしてた場所。アニメで見た景色がリアルに目の前にあるってだけでテンション上がるわ。いや、一人で来てるから内心だけな。
そして岡山城。これまた推し武道のOPでお馴染みの場所だ。せっかくだから中に入ってみたんだけど、最上階の景色が柵のせいでいまいちだったな。下から眺める方が断然映えるわ、あれは。観光地あるあるだな。
昼飯は月見橋渡った先のカフェ「碧水園」で豚骨ラーメンをチョイス。窓際の席で岡山城を眺めながら食うラーメン、これがもう最高に贅沢な時間だった。でもな、心のどこかで「俺、こんな贅沢してていいのか?」って思っちゃうのが俺の悪いクセ。もっと人生楽しめよって自分に説教したい。
そっから後楽園って庭園に行ったけど、どこも似たように見えちまって滞在時間5分。俺の心が荒んでるのか、それとも庭園が普通すぎるのかは分からん。駅に戻る途中で(これ絶対どっかにオチいるな)って思ってたら、案の定、次は牛窓って港町に行くことに。
牛窓な、これがまた遠い。電車とバスで1時間以上かけて着いた先に待ってたのが、瀬戸内海と夕陽の絶景だ。おいおい、これ映画かよってくらい綺麗でさ、一人で見てるのがもったいないくらいだった。いや、猫もいたんだけどさ。ん、誰か呼べよって?…そんな相手がいねぇから一人旅してんだろ、察しろよ。
2日目は推しの聖地巡礼を引き続き堪能。スマイルホールってライブ会場とか、倉敷美観地区って昔ながらの街並みをぶらぶら。だけど正直、俺のセンスのなさのせいで「まあ、こんなもんか」で終わっちまった。昼飯のオムライスが一番テンション上がったって、どんだけ俺の人生しょぼいんだよ。
そんなこんなで岡山ひとり旅終了。面白いことがいろいろあったわけじゃねぇけど、アニメの場面と同じ景色や牛窓港の綺麗な景色を見れたってだけで俺は満足だ。あと、旅ってのは普段忘れてることに気づかせてくれるもんだって改めて実感したな。人生に行き詰まったら、ひとり旅でもしてリセットすんのも悪くねぇぜ。ただし、帰り道の寂しさは覚悟しとけよ!