見出し画像

【Audible】村田沙耶香『コンビニ人間』朗読:大久保佳代子

『コンビニ人間』
著:村田沙耶香
ナレーター:大久保佳代子
時間:3時間42分

Audibleで聴きました『コンビニ人間』
『推し、燃ゆ』の時にも思った事ですが、本当に「普通」とはなんだろう、と深く考えちゃいます。

うるさい男子を静かにさせるために、頭をぶん殴って静かにさせたり、雀の死骸を見つけて「焼き鳥にしよう」とはしゃいだり、
いわゆる「普通」の感覚からずれている主人公が、コンビニバイトを経験して人生が変わる話。
コンビニマニュアルはしっかりとしていて、やるべきことがしっかり書かれているから迷わない。
自分が存在していい場所がやっと見つかった!
という所から、
40代も間近になり、
「いまだに結婚もせず就職もせずコンビニのバイト」
という、次なる「普通」からの視線が、圧力が迫ってくる。
なんとも胸の痛い話なのですが、
「あんたの遺伝子なんて後世に残さずここで途絶えて!」
とか非常にキツイ事言われても
「なるほど、その方が人類という共同体のためかもしれない」などとどこかクールな、合理的な?思考に辿り着いてしまう主人公のあり方に、
どこか喜劇的な印象もあり。

普通になるってなんだろう、普通に生きるってなんだろう、という問いが常に鋭い矢として飛んでくる強烈な作品。

作品中盤からはコンビニバイトの同僚男性も現れ、
いわゆる「人生ツンデル」感に拍車がかかりつつ、話がとんでもない方向に。からの、どこか神々しささえ放つラストまで、夢中で聴きました。

コンビニバイト男性がしょっちゅう口にする
「現代は縄文時代から何も進歩しちゃいない」
という説が、何いってんだこいつと思いながらもどこか否定出来ない。
すごい話でした。普通、という、多数派の、圧。

そしてナレーターの大久保佳代子さん、ピタリとハマる雰囲気で、本の雰囲気に合った語り手、というのは大事な要素なのだとしみじみ感じました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?