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結果論で語ることなかれ!Mリーグ高宮まりインパチ放銃を擁護してはならない理由

いつもとテイストが違いますが、少しだけ軽くリスクリワードの話です。

南四局TOP目、高宮が子満貫の手が入ったところで、対面の親 日向・一色濃厚のソウズが一枚溢れたところへドラの東を切ってインパチ放銃、一気にラス目へという結果になった。

もし日向に当たれば河を見てもまずホンイツ・東・ドラ3で18000がほぼ確定。振込によって順位点は+50→-30で80ポイント下がる。18+80=98000点のリスク。わかりやすく言いかえれば親のダブル役満へ振り込んでもそれに見合うリワード8000点だったのかという単純な計算をしていたかどうかです。

リスク -98000  >> +8000 リワード

これは結果論ではなく、放銃する前に計算できるものです。

一方、ラス目の伊達にはこんなことがあった。南4局、親黒沢からリーチ。平均打点というものがデータにありますが黒沢とて12000点の放銃を想定していればまずリスクの見積もりとしては問題ないと言えます。(実際黒沢の手は9600)

もともと伊達はラス目なので振り込んでも順位点は変わらず-12000のリスクのままです。一方、伊達は好形満貫の絶好のイーシャンテンでした。上がれば8000点に+順位点が一つ上がるので20000点が追加されます。

ここで伊達は降りの判断。しかし

リスク -12000 << +28000 リワード

リワードの方が大きいことが結果が出る前からわかっているので、降りずにそのまま攻めていれば3巡後にハネマン自模で伊達は終了でした。

つまり伊達のこの場合 実際のリスクリワードはこうだったということです。

リスク -9600 << +32000 リワード

リスクリワードから見て、伊達は迷いなく攻めるべきであった。結局伊達は+32ポイントを加点できず、4位でフィニッシュ。ただ伊達がすごいのは次の試合、ふつうにTOPを取っていたことでしたが。

こういうリスクリワードの判断は 寿人や勝又、コバゴあたりは完全にマシーンと化して、機械のように正しい判断を下します。機械という言葉はプロに対する最高の誉め言葉です。

イチローもヒットを打つマシーンと化すまで感情を無にして徹底して練習をしたと伝えられます。

最後にもう一つ私が印象に残ったエピソード。勝又が南四局でラス4位だった時のことです。たしか親に向かって39の手で攻めて見事にマンガン放銃ハコテンを食らわされていたことがありました。39の手でも勝又が上がれば順位点があるので+20000が追加されます。

リスク -12000 << リワード +23900 

リスクリワードはきっちりあっているので勝又は判断そのものは正着なので眉一つ動かさず12000を親へ支払っていました。

勝又が平然とハコテンになってゆく姿を見た時、この人強さを見た思いがした。リスクリワードの判断は結果論ではなく事前にその判断が正しいかどうかはチェックできる。だから今回の高宮インパチ放銃は擁護すべきではない。

高宮と勝又の放銃はまるで質が違うということですね。

結果から高宮にどうのこうのいうつもりもないのです。もし高宮があの手で例えばラス目から一気に2着狙いのテンパイでインパチ放銃であれば、特別大きな問題であったとも思えません。

リスク -18000 << +48000 リワード 

であるからです。

全く同じ手牌でも 押すべきか 引くべきかは 自分の順位によって押すのが正着もあれば 引くのが正着もあります。4位であれば押すのが正解でも トップ目なら引くのが正解になります。

事前にわかるリスクリワードだけは結果論の外にあるという話でした。

自分のnoteには伊達が度々登場します。単純にファンと言ってもいいでしょう。しかしやっぱり勝又先生や寿人にはまだまだ学ぶべきものがあると思う。


最後になりますが、もしよろしければフォローくださると幸いです。

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