どこ見ていいのかわからない

電車内のポジションには序列があると思う。

私にとって序列最下層のポジションは、座席の人と向かい合う吊り革立ちポジションである。

座っている人が立ち上がれば座ることができ、場合によっては神位置にもなりうる場所である。

だから座れる座れない云々の問題ではない。

視線のやり場が無いところが地獄なのだ。


「だったらスマホをいじっていればいいじゃないか」という人がいる。

その意見に単刀直入に言わせていただくと、それは違うのである。
むしろスマホを使うことにリスクがあるのだ。

自分の背丈問題もあるかもしれないが、スマホをいじると丁度カメラが向かいに座っている人に向いてしまっている気がするのだ。


盗撮トラブルで溢れているこのご時世、「盗撮してるこの人…」と自分も疑われているのではないかとドキドキしてしまうことがある。

そんな時、レンズをスッと隠したりする時もある。

完全なる自意識過剰だし、その動作すら「さっきまで撮ってました!」と言わんばかりのものなのではないかと心配になる。

そうしていくうちにスマホをいじる英気も吸い取られる。
シンプルにおつかれで画面を見ることすら億劫だと感じる日もある。

そんなある日、荷物棚よりも上にある広告に目を向けてみた。


なんとなく見上げてみただけだったが、
あ、そうかと閃いてしまった気持ちになった。


名付けて
「私は広告見てますよ〜」アピール大作戦


初めは真剣に見入ってみたものの
見たくもない広告を見つめる虚無の時間がひたすら流れるのはしんどかった。


どんなに絶世の美女だろうと、乳酸菌飲料持つ天海祐希すら5秒も見れば事足りる。


結局は読書が一番だよなとたどり着くが、毎日本を持ち歩いている訳でもない。



電車内での上手い過ごし方ないのかなぁ。

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