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#7 バレンタインデー!あま~いチョコレート(味)はいかが?服薬補助食品_編集後記

おはこんばんちわなら!
編集担当のメガネです!
バレンタインデー!ドキドキするイベント!!

ラジオはこちらからどうぞ!


小生、現在で38歳ですが、もっと若い時の自分に言ってあげたいこととしては、「もっと素直に喜べ、もらった袋から褒めろ」ですね~…
チョコって、包装でも選んでくれてますもんね~。

と、いうわけで。過去を反省しつつ、編集後記です。


服薬補助食品、結構種類多い!

おくすり飲めたね

服薬補助食品といえば、これ!みたいな感じでしょうか。
歴史も長くて、名前も憶えやすい!
ゼリータイプなので、もぐもぐ期から使用可能です。

にがいのにがいのとんでいけ

森永製菓から発売!
チョコレートが苦い薬の味を隠すことはよく知られていました。
ほなそれ用のチョコレートつくったろ精神!なのかな?
チョコレート好きのお子様には心強い!

おくすりパクッとねるねる

クラシエが参戦!
聞いたことのある、「ねるねる」。
小さいころに食べた、謎の色・謎の食感でおなじみの、ねるねるねるねが、服薬補助食品に参戦だ!
対象年齢は1歳から。
お子さんと一緒に楽しめそう!大人は懐かしい気持ちになれそう!

服薬しやすくするグッズが増えるのは良いこと

うちの子供(n=1)は、体調崩した時の服薬は、アイスクリームがお好みでしたが、子供によりけりですよね。
体調が悪いときだからこそ、親も子供も平和に服薬を乗り切りたいところ。
服薬補助食品は、一つのツールとして良いのではないでしょうか。

薬はなぜ苦い?

地獄のように苦いマクロライド系抗菌薬、オセルタミビル…。
けっして苦い薬を作りたくて開発しているわけではないのですが、人間の進化の都合上、苦いものが薬効をもつ状況になってしまっています。

  • 太古の昔、人間は苦みで食べられるもの、食べられないものを見分けていた。

  • 摂食を避けたいものとしては、多くの場合、毒とされるアルカロイド。
    窒素原子を含み、ほとんどの場合塩基性を示す天然由来の有機化合物の総称です(ウィキペディアから…)。

  • 摂食すると、何かしらの反応を起こすから、毒。
    何かしらの反応を起こすということは、薬にもなる…。
    (食べると下痢する → 用法用量によっては [緩下剤] になる)

  • 現在、「薬」は人体の中で新しいものを作り出すことはできません。
    すでにある体内の反応を弱めたり、強めたりすることで薬効を示します。
    何かしらの反応を起こすためには、基本的には体内の何かしらのタンパク質と結合する必要があります。

  • つまり…薬はそもそも味蕾細胞に「苦い」判定されやすいと…。

現在は、フィルムコーティングがドライシロップの技術が発展しており、そもそも苦くないことも多くなっていますね。ありがたやありがたや。
なので、お子さんには「薬って苦いで~」とは、言わないのが大切です。
親の発言で、お子さんが必要な時に服薬を拒否される可能性があります。

とはいえ、タミフルのドライシロップの供給不足などもありましたので、
いろんな手を用意しておくのに越したことはないですね。

苦い薬は塩基性?

苦い薬は、窒素原子を含むことが多いと言われています。
つまり、塩基性になりやすいことは、もう自明ですね!(ハハハ!メガネは忘れていたよ!)
薬学部に入ると、1年生?で窒素化合物の塩基性の強さ順は、習うと思います。懐かしい…。薬剤師国家試験にも出ますね。
一般に、窒素原子の電子密度が高くなるとH+を受け取りやすくなるので塩基性が強くなる、また共役酸が安定であると塩基性が強くなる。でした。
国家試験で使う知識が、実臨床とつながると嬉しいですよね。

リポソーム化ドキソルビシンとか、リポソーム化イリノテカンは、生食で溶解したらダメ!5%ブドウ糖じゃないとダメ!とかね。(塩析、ですよね?)

臨床薬学の楽しみの一つかも、しれません。

まとめっ!

薬はどうしても苦くなりがち。
とはいえ、科学の力で苦みのコーティングはされているので、子供に「薬は苦い」と教えないように。
服薬補助食品にはいろんな工夫が施されている。原料、pHなどなど。
いろいろなツールを使って、少しでも服薬を楽に!薬剤師からいろいろ提案できるといいですね!

参考にした文献

今回から、ラジオで参考にした論文を載せてみます。
(Podcastの説明のところにも記載しています!)
何かの参考になれば、幸いです。

  1. 小児への投薬を容易にする服薬補助ゼリーの開発, 薬剤学, 2015, 75, 42-47.

  2. 服薬補助食品「にがいのにがいのとんでいけ」の小児投薬に対する有用性, 薬剤学, 2020, 80, 315-321.

  3. 入院中の患児に対する2種類の服薬補助食品の有用性に関する調査, YAKUGAKU ZASSHI, 2019, 139, 939-953.

  4. 服薬コンプライアンスの向上を目指した小児への散薬服用方法の工夫, 日本病院薬剤師会雑誌, 2005, 41, 1415-1419.

  5. 薬はなぜ苦いのか?, 薬読, 知識&学び, 薬にまつわるエトセトラ第58回, https://yakuyomi.jp/knowledge_learning/etc/03_058/

  6. 2023/24 シーズンのインフルエンザ治療・予防指針, 日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会

  7. 三菱ケミカル株式会社フード・ヘルスケア事業部, 製品情報, 糖質, エリスリトール, https://www.mfc.co.jp/product/tourui/erisuri/merit.html

  8. 福岡県薬剤師会, 浅田飴に含まれる還元麦芽糖水飴とは何か?, https://www.fpa.or.jp/johocenter/yakuji-main/_1635.html?mode=0&classId=16&blockId=39434&dbMode=article&searchTitle=&searchClassId=-1&searchAbstract=&searchSelectKeyword=&searchKeyword=&searchMainText

  9. バイオ研究者がちゃんと知っておきたい化学, 分子構造からわかる反応性, 実験医学, 2009, 27, 3159-3162.
    食品による医薬品の苦味マスキング効果, 第一薬科大学研究年報, 2013, 30, 11-18.

  10. クラリスドライシロップ新製品と旧製品の苦味比較, 医療薬学, 2009, 35, 423-430.

  11. 愛知県薬剤師会, お薬についてのお役立ち情報, 子どもと薬, https://www.apha.jp/medicine_info/entry-23.html

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