Fury Road
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Fury Road

株式会社バイキング/ゲーム会社

遡ること数年前、とある映画を観た頃からこの物語は始まります。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」2015

奪うか奪われるかの荒廃した世界の中、互いの意志を代弁するかのように
響き渡る官能的なエキゾーストノート!

「ぼ、僕もこの輪の中に混じりたい…」

ただし僕には致命的な問題がありました。車を持っていないのです。

「持つものと持たざる者」


皆様こんにちは。デザイナーの高野です。

自宅から徒歩1分圏内には業務スーパーやらコンビニやらがあり
休日も基本インドアなのではっきり言ってしまうと車は別に必要としていません。

だがしかし…

マッドマックスのインターセプター然り。
バックトゥーザフューチャーのデロリアン然り。
バットマンのバットモービル然り。
特攻野郎Aチームのバンデューラ然り。

いつだって主人公たちには専用の乗り物があります。
それはもはや単なる乗り物ではなく自我を持ったアイデンティティでもあるのです。

「ぼ、僕だって自分の人生の主人公だ!!!!」

自分を鼓舞して某中古車サイトを観ると変な車を見つけたので友人Hと一緒に販売店に直接足を運んでみました。

「SUZUKI ジムニーJA11 パノラミックルーフ バンカット仕様(水色)」 

パノラミックルーフは後ろの屋根に窓があり日差しが入る仕様です。
バンカットは後ろの屋根をぶった切ってオープンカーにする仕様です。
(ご興味をお持ちの方はそれぞれの単語で画像検索をお願い致します。)

友人H
「パノラミックルーフをぶった切るなんて台無しじゃないですか。」

返す言葉もありません。
前オーナーがなにをしたかったのかはわかりかねますが、たぶんパノラミックルーフだけでは解放感が足りなかったんでしょう。
そんなこんな話していると店員が間に入ってきました。

店員「なんなら2万円ぐらいお値引きします」

そんなに高くもないのに値引いてくる店員にもっと警戒するべきでした。

買ってから1ヶ月はまあこんなもんかと乗っていたらだんだんとオイルが漏れはじめるわ、なんかアイドリング高いなと思いスクリュー回して下げたらエンジン止まるわ、散々です。
交差点のど真ん中で止まることもあれば、踏切直前で止まることも…etc

またある日、コンビニの駐車場に止めて飲み物買って戻ったら車がいなくなってたこともありました。この間およそ2分。
盗難を疑いましたが、よくみると7m先の道路に停まっているではありませんか。
どうやら停めた場所が軽い坂だった様でコロコロと転がっていったみたいです(ブロック塀60cm手前で停車)
サイドブレーキ完全に引いてたのに。

色んな事があり過ぎるので販売店に都度修理依頼の電話してたらそのうち電話に出なくなる始末。
口コミサイトでみると悪い評判のオンパレード。
「ウチの店はこの手の専門店です」っていってたけどそういうこと?

友人H
「悪いヤツらから人質を無事取り返したと思えばいいじゃない」

前向きな考えですけど
人質の身代金を向こうから額面下げてきたってことじゃないですかそれ。

ここから再生計画が始まります。
調べたら徒歩1分圏内に別の自動車整備工場がありました。
灯台下暗しってやつですね。

子供が描いた車の絵を逆輸入で踏襲するシルエット

買って3~4年ぐらいは毎年エクストリームな出来事がありました。
以下はやることリストじゃありません。やったことリストです。

●エンジンオイル漏れ→ホース交換
●クーラント液漏れ→ホース交換
●クーラント液漏れによるオーバーヒート
●ウォーターポンプ死亡→交換
●水温センサーが腐食で根元から折れる→交換
●燃料ポンプ死亡→交換
●マフラー死亡→交換
●Vベルトの異音→バール使ってテンション張→その後減っていたので交換
●水温センサーと吸気センサーが逆→交換
●セルモーター不具合→掃除して復活
●燃料計死亡→交換
●ラジエータから漏れ→溶接修理
●ソレノイドバルブ異常→交換
●デスビキャップとローター交換
●サイドミラーが走行中に吹っ飛び行方不明→交換

「物を直しながら、自分も治している」 だれかから聞いた言葉です。

通常車というものは経年変化が起きて、基本的には引き算で性能が下がっていきます。
ただ自分のJA11は修理費用はかさみますが、その分本来のポテンシャルを取り戻していくことになりました。

皆さんは手塚治虫氏の描いた漫画「どろろ」をご存じでしょうか。
主人公の百鬼丸は体の部位を48の妖怪に供物として捧げられてしまいます。
百鬼丸はそこから義手や義足に仕込んだ刀・硫酸などを駆使して妖怪を退治し、本来の姿を取り戻していくというお話です。
https://tezukaosamu.net/jp/manga/310.html

僕の車も各種税金と各種修理代金と戦いながら本来の姿を取り戻していくという点で「どろろ」にとても強いシンパシーを感じました。

ポンコツと言われればそれまでですが、こんな副産物もあります。

・直っていく過程が楽しめる
・車に乗っているからといって過剰に気持ちが大きくならない
・オイルが点染み程度で多少漏れてても気にならなくなる
・友人などが乗っている最近の市販車の驚愕スペックを毎回堪能できる

いい車に乗って最高の乗り味を堪能するのも車の魅力ですが
世の中にはこういう身の程を知った車の楽しみ方をしている人間もいます。

最後に…

先ほどからちょくちょく出てくる友人Hですが、家族ぐるみでお世話になっていたので挨拶がてら車に乗って馳せ参じた際にこんなことをいわれました。

Hの父親「こんな車じゃ葬式とかいけねえじゃんWWWWWWW」

パノラミックルーフをバンカットされて水色に塗られた車ですからね。

その1年後にHの父親が急性心筋梗塞でこの世を去りました。
お葬式の連絡電話でこんなやり取りをしました。

自分「親父さんの葬式、自分の車でいっていいもんかねえ」

友人H「父も喜ぶと思います」

インターセプターやバットモービルみたいなかっこいい描写とは
違ってしまいましたが、様々な思い出ができました。
車を購入してよかったなと思います。

この記事を読んでいる方で車購入の参考になれば幸いです。
以上、デザイナー高野でした。


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