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好意のセルフコントロールについて

 皆さんは、誰かを好きになったことがありますか?
誰かから好意を向けられたことがありますか?
その重さ、距離感は適切でしたか?
それとも、どちらか一方。あるいはお互いのバランスが合わず、苦痛を感じたり、与えてしまったりしましたか?
 好意の大きさや重さ、表現の仕方や相手への伝え方というのは人それぞれ違うもので、他人同士で好意を向け合えば齟齬が生まれてしまうことだってよくあることです。
また、好意と言うものは、しばしば暴走してしまうこともあるものです。

 好意が暴走した時。
執着し、依存し、独占したいと思ってしまった時。
あるいは、自覚無くそうした衝動を抱いてしまった時。
人は、その対象となる相手のみならず、自分や相手の周囲の人々まで巻き込んで、人間関係を壊してしまうことがあります。
……望む望まぬに関わらず。
 今回はそうした好意の暴走に関するお話をしていこうかと思います。


他人は変えられない

 まず大前提として。
基本的に、他人の気持ちを変えることは困難だと思います。
もちろん地道に相手に尽くしたり、アピールしたり、少しずつ自分を魅力的に感じてもらえる努力は出来ます……が。
しかしその先で好意を返してくれるかどうか。
自分と同じ特別な好意として向き合ってくれるかどうかは、相手次第です。
そして、結果としてそれらが叶わないことの方が世の中では多いのではないかと思います。

 どれだけ尽くしても「良い人」としか見てもらえないこともあります。
どれだけアピールしても「受け付けない」と拒絶されることもあります。
どんなに想っても、相手もまた他の誰かを想っていることだってあります。
 たとえ百の魅力を掲げても。
たとえ千の誠意を尽くしても。
たとえ万の言葉を贈っても。
 あなたがどんなに魅力的な人だったとしても、叶わない時はどうしても叶わないもので。
残念ながら、相手の方がそれを望まない限り、相手の気持ちを変えることは難しいものだと思います。

心を切り離す難しさ

 では、想いが叶わなかった時。
人は簡単にその気持ちに蓋をして、諦めることが出来るでしょうか?
仕方ないものとして忘れ、過去の思い出として心の遠くへ置くことが出来るでしょうか?
 わたしは、人の心はそんなに簡単なものではないと思っています。
だって、もしもそんなに簡単に割り切れるのだとしたら、世の中にこんなに恋愛について悩み、苦しむ人たちも居なければ、そうした表現物や作品というものも多く生まれては居ないはずです。
 生きた感情を、心を切り離すということは、とても苦しく時間のかかるもので、色んな人に相談したり、あるいは色んな娯楽に触れたり、好きなものを食べたり、涙が枯れるほどに泣いたり。
そうやって色んなことをして気持ちに蓋をしようと思っても、何日も何カ月も、あるいは何年も掛かる事だってあるでしょう。

 けれど、そうして悩んでいる間にも、時間は過ぎるし生活は続くわけで。
日常的な生活の中で、相手の方との関係がぎこちなくなってしまうこともあるでしょう。
あるいはお互いが身を置いているコミュニティ全体が気まずくなってしまうこともあるでしょう。
 出来る限り「なんでもない」を装って。
それでも上手くは向き合えなくって。
 時には「どうして分かってもらえないのか」と相手に当たってしまうこともあるかもしれません。
会うことや見かけることも嫌になって、同じコミュニティから遠ざかったりすることもあるかもしれません。
傷付いて、傷付けて。
「いっそ全部ボロボロになってしまえば良い」なんて思うこともあるかもしれません。
 あなたはそれを望みますか?
それとも、お互いが少しでも傷付かない形を選べることを望みますか?

傷付けないために出来ること

 もしもあなたが相手や周囲を傷付けたくないと望むのであれば。
何か出来ることはあるでしょうか。
前述の通り、他人である相手の気持ちを変えることは困難です。
好きになってくれない相手を、その気持ちをコントロールして好きになってもらうなんてことは、よっぽど人心を掌握することに長けている人でも無ければ難しいでしょう。
 それなら、自分の好意はどうでしょうか?
感情のままにぶつけようとするのか、それとも好意が暴走しないようになんとか抑えようとするのか。
それだけは、自分で決めることが出来ると思います。
そして、強すぎる好意さえコントロール出来れば、友人としての距離感に戻る事も出来るかもしれません。

……とはいえ、好意のコントロールなんて、どうすれば良いのでしょうか。
例えば、相手の悪いところを探すというのも一つの方法かもしれません。
他に好きになれる人を探したり、関係無い人たちと一緒に遊んで気を紛らわせたり、娯楽作品にでも没頭して忘れようと努力したり。
色んなアドバイスが世の中には溢れていて、沢山の人がそれらを実践しているでしょう。
 しかし、それでも、どうしても。
ふとした瞬間に相手の事を思い出して辛くなってしまうことは沢山あると思います。
思い出した途端に気持ちが溢れて、どうしようもなくなってしまうことだってあると思います。
 今回ほじょりんが提案するのは、そういった時に行うことで、心に条件づけというものを試みる方法となります。

嗅覚を利用した好意のセルフコントロール

 これは、以前X(旧Twitter)に投稿したものですが、改めてこの場所で説明していこうかと思います。
なお、内容にVRSNSやメタバースという言葉が入っているのは、この投稿がVRChatでの恋愛にまつわる人間関係の崩壊について書いたためです。
しかし、好意のコントロールそのものは、VRSNSやメタバースとは関係なく一般的に言えることだと思うので、今回はそうした界隈に限定せずお話をしています。

 簡単に言うと、嗅覚は好意や嫌悪をはじめ本能的な感情に作用するものであり、好意を抱く相手に苦手な臭いを紐付けることで、本能の側から好意と嫌悪感をぶつけて相殺するというような内容となります。
 それでは画像を交えてお話していきましょう。

好意のバランスが崩れてしまうと、とても心がつらいもの
時には人間関係の重大なトラブルに結びつくことも

この辺りは、前述したような好意の暴走によるトラブルに関する内容となっています。
「引退に至るケース」というのはVRSNSから離れることを表しています。

好意的感情を匂いでコントロールしましょう

 ここからが本題で、好意的な感情というものを匂いでコントロールしようという案内になります。
 嗅覚というのは本能的に危険を察知して忌避行動に誘導する主嗅覚系というものと、俗にいうフェロモンなど、好意的な感情を抱かせる反応の副嗅覚系というものがあります。
そうした、本能レベルで好きや嫌いといった感情に作用する嗅覚を用いるのが今回の提案内容となります。
 では、どのように匂いを活用していくか? というお話の前に、もう一つ【条件づけ】というものについて簡単にお話していきます。

条件反射についての説明ページ

 条件づけというのは、簡単に言えば「特定の刺激(条件)」によって「生理的な反応(反射)」、いわゆる条件反射を起こさせる試みです。
「パブロフの犬」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、それも条件づけの中で古典的条件と呼ばれる有名なお話となっています。

 図の中では、犬に対して「ベルを鳴らした後で餌を見せる」という手順を繰り返すことで、餌が無くともベルの音だけで犬がよだれを垂らすようになるといった内容と、もう一つ。
白いラットを怖がらない赤ん坊に対して、ラットを触ろうとする度に「金属棒を打ち鳴らして怖がらせる」という手順を繰り返すことで、白いラット自体を怖がるようになる。といった内容を載せてあります。
 こうした「特定の現象」に対して「特定の感情」を抱かせる条件づけというものを、好意と匂いに当てはめていきます。

本題である、好意のコント―ロールについて

 強い好意を抱いている相手を思い起こしてしまって辛くなったとき、自分にとって苦手な匂いを嗅ぐようにします。
匂いはなるべく弱めで、何度も繰り返し試行することが出来るようにしておくのが良いでしょう。
逆に強い臭いはこの手順そのものを繰り返すのが苦痛になってしまうため、避けた方が良いと思います。
 そしてそれらを繰り返すことで「好意を抱いている相手」と「嫌な臭い」を紐付けし、「相手を思い起こすと嫌な臭いを嗅ぐことになる」という条件づけをしていきます。
これが上手く作用することで、「相手を思い起こすこと」自体を避けるようになり、好意的な感情に結びつくことをブロックするのがねらいです。
 また、これらを繰り返すことで「思い起こす」ということ自体が事務的なルーティンの中に組み込まれ、自然と感情から切り離されやすくなるねらいもあります。

 やることは以上。
シンプルで簡単で、誰にでも出来る内容となっています。
ただ、いくつかの注意点があるので、以下の内容もご確認ください。

健康被害や行き過ぎたコントロールに関する注意点があります。

健康被害の問題や、行き過ぎた条件づけで好意が反転して嫌悪にならないようにという内容となっております。
 まず、腐敗を避けるために臭いの元として生ものは使わない事。
そして、薬品類も健康被害に繋がりかねないので避けること。
あとは、強すぎる匂いの場合、そもそもこのコントロール方法を試行出来なくなってしまうため避けるようにお願いします。
体調が悪くなるようなことがあれば中止してください。
また、嫌いになるまでやってしまうのはやりすぎなので、あくまで好意が抑えられる程度に留めておいてください等々……

 匂いの元は、出来れば自然由来のものだったり、人体に害のないようなものが推奨です。
匂いの強さも、しっかりではなくほんのり香る程度が良く、1度で強く行うのではなく、何度か繰り返すことで少しずつ条件づけが起こるように行うのが良いと思います。
また、香水等であればハンカチ等に噴霧して、必要な時だけ嗅ぐのが良いと思います。
そうしてゆっくり繰り返し、少しずつ執着や依存、独占したい等の強い感情が薄れてきたら、これらのコントロールは完了となります。

最後に

 このコントロール方法ですが、あくまでほじょりん個人が思いついて書いている内容となっているため、効果を確実に保証するものではありません。
好きな音楽も朝のアラームにしてしまうと嫌いになってしまう。程度のものと考えていただければ幸いです。
 また、重ね重ねではありますが、健康被害につながるような匂いの元や強すぎるもの、行き過ぎたやり方はしないようにご注意願います。

 傷付け合わないことを望むあなたが、少しでも良い形で好意をコントロールし、交友関係を続けられるように。
そして、別の相手や別の形であっても、いつか幸せになれるように。
ほじょりんは祈るばかりです。
「ただ、そうであるように」と。

 

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