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【H28過去問】7ステップで解く子ども・子育て支援センター<エスキス59分~グリッド確定まで10分~>

こんにちは、さよきすです。

当記事をお読み頂きありがとうございます。

エスキスのスピードをあげたいという方は、当記事、そして過去記事を通して手順と思考を身につけて頂ければ、そのお役に立てるのではないかと思います。

エスキスのスピードをあげるためには、手順を省力化し機械的に導きだせるようにすることが不可欠です。

タイトルにあるグリッド出しも機械的に作業を行っているため、10分ほどで導きだすことができます。これまでアップしたH23、27の問題でも同じ作業を行って10分以内にグリッドを確定させています。

10分で導きだす基本的な方法を学んだら、あとは過去問や入手した課題を繰り返し応用力をつけていきます。

今回過去問のH28「子ども・子育て支援センター」ですが、解いたのには以下の理由があります。

H28 の問題も3階建てでありながら基準階型の応用型とも捉えることができます。こんな出し方もあるという一例として捉えて頂けたらと思います。また「屋上広場」が指定してあったりと、屋上緑化関連のボリュームを作る事例としても参考になりそうだったため紹介します。

一級建築士製図のエスキスですが、過去問を理解していれば解けます。感覚をつかむまでは難しいと感じると思いますが、繰り返し問題を解いていると、非常に単純なことをやっていると感じるようになります。

できれば試験本番の1週間前にはこの感覚に辿り着き、残された時間はあなたの弱点を補うことや休憩に時間を使って頂きたいなと思います。

一級建築士の試験に限らずどの試験にも共通することかと思いますが、

「考え方、手順を理解する」→「問題解く」⇄「できない」の末➡︎「できる」

かと思います。

できないのはできるまでの回数が足りないからです。

できるようになる方法は、ただひとつ、練習を繰り返すことだけです。

限りある時間の中で本番で再現可能なレベルに達し、上位4割に入り合格するためには練習しかありません。

冒頭の繰り返しとなりますが、エスキスに詰まっていても、この記事を含め過去に書いた記事をお読み頂ければ、手順が理解できスピードアップできるかと思います。エスキスはできるようになってしまえばやることは単純です。

解けないうちは視野が狭くなりがちですが、練習を重ねるに従い視野が広くなり、以下のような合格に必要な守るべきことも身についてきます。

・課題文をもれなく網羅していること
・法律に触れてないこと
・欠格要件に触れてないこと

解答をつくるためのエスキスは、手順としてひとつひとつ作業に分解できます。その作業で何がひっかかっているか、何に時間かかっているか、原因を突き止め、対策していけばエスキスは必ず早くなります。

エスキスを進めるにあたっての手順=ステップですが、これまで解いた過去問と同じ、目次の通りです。

付け足すなら高さや採光の確認などです。

例えば2面道路緩和や、敷地隣に川があった場合はどうなるか、作図の仕方の踏まえて確認しておくと安心感が増えるかと思います。

では順に見ていきたいと思います。

Ⅰ.準備-利用者確認、建築面積算出

1.主文を読んで利用者を確認

主文の内容から

①「保育所」との記載から、保育園児と保育士
②「小学生」との記載からそのまま小学生
③「子育てについての相談」との記載から保護者

が利用者として想定されます。

他にも「パッシブデザイン」を積極的に取り入れるとありますので、念頭に置きながら読み進めていきましょう。

<経過:60秒>

2.建築面積の確認

敷地の寸法50m×36mで、建ぺい率:70%ですので

建築面積:50×36×0.7=1,260㎡

となります。

<経過:1分50秒>


Ⅱ.アプローチ決め

アプローチを確認していきます。

敷地をみると、北:16m道路、東:16m道路、西:校庭のある学校、南:公園があります。

北と東が太い道路+歩道つきなので、メインのアプローチの候補となりそうです。「駅から約200mのところに位置」という記載もあります。

想定される利用者はⅠ-1で見た通り、「①保育園児」「②小学生」「③保護者」でした。その使われ方から、メインは①と②で③は同伴者的な扱いです。

では①と②の利用者はこの施設にどのようにアクセスしてくるでしょうか。

この施設の特性上、「①保育園児」は周辺地域からくる方がほとんどで、もしかすると電車に乗ってくる方もいるかもという可能性も想定しておきます。

「②小学生」は圧倒的に隣接する公立小学校からでしょう。

すると北、南、西、東全方向からアクセスがあることになります。その場合、メインの出入り口は東側ではなく間口が広くとれ、目立つ北側が適当そうと仮定できます。

管理の入り口は、北側の西寄りか東側と考えられます。

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<経過:3分>

Ⅲ.へり空き確認と外構施設に必要な寸法の仮定

へり空き設定もいつも通りです。

へり空きを設定する方法については、H27の記事をご参照ください。
今回のへり空きで気を付けたいのは、「屋外遊技場」です。

課題文を読むと以下の条件が書いてあります。

<屋外遊技場の条件>
①直径5mの円が1つ以上はいるスペース
②200㎡以上を確保
③日射遮蔽効果のある樹木を植樹
④セキュリティを確保し、隣接する公園へ直接出入りできるように

上記を踏まえて、屋外遊技場の寸法を考えてみます。
①③の条件から、まっさきに影響をうける奥行を考えみましょう。何mに設定するのが妥当でしょうか。

まず覚えておくこととして「直径〇mの円」のような条件が来た場合

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