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BYARD開発記

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【全13話】BYARD・代表の武内俊介が、サラリーマンから税理士資格の取得を経て起業し、BYARDというプロダクトを作り上げるまでの開発ストーリー。 開発に至るまでの背景や、プ…
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記事一覧

バックオフィスが生産性を上げるために本当に必要なこと|#BYARD開発記 13

「日本は労働生産性が低い」「今の仕事の多くは将来ロボットやAIに奪われる」——そんな言葉が叫ばれ始めてから何年経つでしょうか。 BYARD開発記の最終話となる今回は、バックオフィスが生産性を高めるためにはどうすれば良いのか、BYARDはそれをどうやって実現しようとしているのかをご紹介します。 1. 増え続ける情報の“量”と、複雑化・高度化する業務まずは現代のバックオフィスを取り巻いている環境や、その時代背景について考えてみます。 デジタル化によって、企業が扱う情報の“量

改善サイクルを回すための「データの蓄積」|#BYARD開発記 12

改善のPDCAサイクルは「一度やったら終わり」というものではありません。“サイクル”と付いているように、繰り返し業務を回しながら改善し続けていくことが大切です。 今回は改善のPDCAサイクルを回し続けていくためのBYARDの機能について解説します。 1. 改善のために必要なのは「データ」1-1. まず必要なのは「記録すること」 PDCAサイクルは最初が“Plan(計画)”になっていますが、計画を立てるためには、まず「現状はどうなっているか」を“Check(分析)”しなけ

“使える”業務マニュアルを作るための「テンプレート」機能|#BYARD開発記 11

普段の業務で使っていて便利だからこそ、あらゆる仕事がBYARD上で行われるようになる——BYARDはそんなバックオフィスのプラットフォームであるために「BYARDで作業した方が便利」になるような機能を用意しています。今回はその中の一つである“テンプレート”の機能をご紹介します。 1. そのマニュアル、本当に“使える”ものですか?がんばってマニュアルを作っているのに、実際はあまり使われていない——。 半年に渡る徹底的なユーザーヒアリング(第7話参照)によって見えてきた具体的

バックオフィスに必要なのは 「鳥の目・虫の目・魚の目」|#BYARD開発記 10

前回・第9話でご紹介したとおり、BYARDが目指すのはバックオフィスの業務を支えるプラットフォームです。 今回は“マネジメントサイド”と“現場”サイドの二つの観点から、課題を解決するためにどのような機能を実装しているのかを解説します。 1. 既存のツールで満たされていなかった要素は「鳥の目・虫の目・魚の目」バックオフィスの業務管理にとって必要不可欠であり、かつ、既存のタスク管理/プロジェクト管理ツールでまだ満たされていない要素とは、「鳥の目・虫の目・魚の目」ではないかと考

BYARDが目指すのは「バックオフィスの業務を支えるプラットフォーム」|#BYARD開発記 09

スタートアップとして「事業の成長」という使命を背負う以上、成長できる見込みがある市場で勝負しなければなりません。第9回は、BYARDでは市場をどのように定義したのかを振り返ります。 1. ブルーオーシャンはレッドオーシャンの中にある市場を検討するためのフレームワークはいくつか存在しますが、今回は「ブルーオーシャン戦略」について考えてみます。 1-1. ブルーオーシャン戦略とは ブルーオーシャン戦略とは、INSEAD(インシアード、欧州経営大学院)のW・チャン・キム教授と

最強の仮説検証ツール〜市場調査より試作品よりまず「プレトタイピング」〜|#BYARD開発記 08

ユーザーが語っている課題が本質的かどうかは分からないし、身銭を切らない意見は残念ながら当てにはならない。ではどうすればよいのか——。 第8回は、ユーザーから「意見」ではなく「データ」を集めるために行ったプレトタイピングについて、どんな手法なのか、実際に何を行ったのかを振り返ります。 1. プレトタイピングは「そもそも」を検証するためのツール 1-1. プロトタイピングは「試作品」を作り、プレトタイピングは「ふりをしたもの」を作る プレトタイピングとは、書籍「NO FL

ユーザーが答えを知っているわけではない|#BYARD開発記 07

第7回は、ユーザーへのヒアリングにどのような心構えで臨んだのか、「解決すべきユーザーの真の課題」の設定がヒアリングをし直す前と後でどのように変わったのかを振り返ります。 ユーザーヒアリングの徹底的なやり直し新しい製品やサービスを開発する際には、皆さんもいろいろな市場調査を行っていると思います。しかし調査結果の中に明確な答えが存在するわけではなく、結果をどう解釈し何をプロダクトに反映させるかは自分で決めなければならないところに難しさがあります。 SmartHRの当時のCEO

全体最適がなぜ重要なのか〜書籍紹介「ザ・ゴール」〜|#BYARD開発記 06

第6回は、BYARDの設計思想に多大な影響を与えた書籍「ザ・ゴール」をご紹介します。 「ザ・ゴール」とはどのような本か業務設計について語るとき、私が折に触れて紹介している書籍が「ザ・ゴール」です。日本で翻訳版が発売されたのは2001年で約20年前(原作がアメリカで発売されたのは1984年でなんと約40年も前)ですが、その課題認識やソリューションは現在でも十分に通用します。 本書で紹介されているのは制約条件理論(Theory of Constraints、以下、TOC)とい

SmartHRの「強くてニューゲーム」のメリット|#BYARD開発記 05

第5回は、なぜ「SmartHRのグループ会社」というスキームを選んだのか、そこにはどんなメリットがあるのかを振り返ります。 最初はリベロ・コンサルティングの新規事業として実施するつもりだったSaaSプロダクトの開発。進めていくオプションをいくつか検討しているなかで出会ったのが「SmartHRのグループ会社」というスキームでした。 この出会いによって開発の道のりは大きく変化し、それがBYARDへとつながっていくことになります。 強くてニューゲームとは?「強くてニューゲーム

プロトタイプの開発をそのまま進めなかった理由|#BYARD開発記 04

第4回は、プロトタイプが生まれた背景と、なぜプロトタイプの開発をそのまま進めなかったのかを振り返ります。 BYARDのプロトタイプについて構想を練り始めたときは、プロダクトの中身も、事業としての有り様も、現在とは少し異なる形でした。 自分たちが感じていたニーズから始まったプロダクト開発は、コアな部分は変わらず、その外形要素は少しずつ変化しながら、現在のBYARDというプロダクトへと昇華されていくことになります。 自分が感じる「強いニーズ」は本当に正しいか2020年の秋。

提供価値をどのような形で届けるのか|#BYARD開発記 03

第3回は、提供価値のデリバリー方法がどのように変化し、現在のプロダクトの形にたどり着いたのかを振り返ります。 大企業で、いくつもの部門をまたいで業務とデータのフローを設計したこと 会計事務所で、「会計」という裏方のフローをすみずみまで取り扱ったこと これらの経験を踏まえて、ITツールとを組み合わせて業務プロセスを設計し、事業成長の基盤となるバックオフィスを作る——この業務設計こそが独自の強みであり提供価値なのだという手応えを得て独立・起業へと進み始めます。その提供価値がB

建物を設計するように「業務」を設計する|#BYARD開発記 02

第2回は、プロダクトの設計思想の根幹になっている「業務設計」の概念が生まれた背景について振り返ります。 コネクティング・ザ・ドッツ——大企業での業務フローの構築、会計の世界、そしてスタートアップ 大企業からスタートしたキャリアが、気が付いたら今はスタートアップの道を歩いている。 もちろんこれまでも、その地点ごとに志や目標は立てていました。しかしそれぞれの点は、現在をあらかじめ見すえてつないできたわけではありません。スティーブ・ジョブズが言ったとおり「点と点は後からつなぎ

仕事を動かすのは「データ」という血流、そして「人の手と心」 | #BYARD開発記 01

第1回はプロダクトの設計思想の元になった、原体験について振り返ります。 社内外を流れる「データ」という血流私の仕事における最初の原体験は新卒の頃にさかのぼります。高知県の高校から早稲田大学へと進学し、新卒で入社したクレジットカード会社で私のキャリアがスタートしました。 配属先は商品開発部。営業側と連携しながら新しいクレジットカード商品を企画、開発する仕事で、主に提携カードを担当していました。「カード商品の企画開発」と一口に言っても、その業務範囲は多岐に渡りました。 クレ