当たり前を忘れたことを思い出したこと
揃って揺れる電車の吊り革。
小雨でも傘を刺して歩く人々。
検索履歴に残る「春服コーデ」の文字。
21時には静まり返る街。
頼んだ次の日には届く宅配物。
いつの間にか当たり前になってしまっていた。
だから当たり前じゃなくなったものに気づかなくなっていた。
6月24日。
私は部屋でひとり、昨日黙祷することを忘れていたことを思い出した。
6月23日。
幼少期の私にとってこの日とその数週間前は「もうわかったから」と言いたくなるほど、島全体がそういう空気に包まれる、そういう日だっ