見出し画像

⑰東京から知床まで カブで行く10日間のバイク一人旅【9日目〜10日目】

皆さんこんにちは♪minneやcreemaでハンドメイド作品を販売しているRE:(アールイー)です。
今回は旅9日目〜10日目(最終日)のお話です。前回は知床五湖を見学途中に雨が降ってきて一時、知床自然センターで雨宿りして雨が止むのを待っていたけどやむ気配がなく知床峠へ行くのを断念し峠を下りることに。
昨日と同じキャンプ場でテントを張り、雨の中一夜を明かしました。

□この日記は道中に見えた風景やその時の心情を記載したものです。おすすめの観光スポットをご紹介する日記ではなく、臆病者な私が意を決して旅をした道中記です。読んで頂いた方の何かのきっかけになれば幸いです。

・7月18日午前6時頃 斜里郡斜里町「みどり工房しゃり そよかぜキャンプ場」 
雨の音で何度か目を覚ましながらもちゃんと起きたのは6時頃でした。テントの外に出てみるとけっこうな雨が降っていました。キャンプをしていたのは私ともう1人だけでした。
もう1人の方もバイク(大型)で来ておりタープを使っていました。雨の日のキャンプはやはりタープが必要です。
濡れながらテントを片付けていきます。
日程としては終盤ですが、距離は折り返し地点です。ここから苫小牧まで一気に進みます。
何日か前に苫小牧からのフェリーを予約していました。一回だけなら無料で予約変更もできたのですが、この週末からハイシーズン料金になるのでそこには被りたくなく、帰りは少しきつめの日程となってしまいました。
ここから苫小牧まで時間的には7〜8時間。フェリーの出航時刻は日付が変わった19日の深夜2時前。早めに出て帯広で豚丼を食べて、苫小牧でのんびりという予定にしました。
午前8時頃、雨の中キャンプ場を出発します。何度も雨の中を走ってきたとは言え好きにはなれません。晴れの日以上に運転に気を張るので疲労感が違います。
まずキャンプ場近くのガソリンスタンドで給油をしました。この後、帯広の辺りでもう一回給油すれば苫小牧まで持ちそうです。そんな事を頭に入れながらバイクを走らせます。

今日の行程



・地元の人の意見
午前11時過ぎ
帯広まであと少しのところまでやってきました。※ここまでの道中はほとんど覚えていないのでカットしております。
雨も走り出してからすぐに止んでいた気がします。
予定通りガソリンスタンドに寄って給油します。給油してくれた店員さんが人の良さそうな感じだったので昼ごはんのおいしいお店を聞いてみました。
「帯広であればやっぱり豚丼だけど、地元の人はあまり食べない」との事。続けて店員さんは言います。「インデアンカレーというカレー屋さんがあるんだけどそこのカレーがすごくおいしい」
確かに北海道はスープカレーも有名だしそれも良いなと思い、どういうカレーか聞いてみると「スープカレーではなくドロっとしたカレーのお店です」との事。
私はカレーは好きだけどここに来て通常のカレーを食べるのもなと思いました。だけどその店員さんは「チェーン店でいくつか店舗があるけれど、東5条店が1番美味しい」との事。
恰幅の良い体型が説得力を増しています。持ち帰り用の鍋を持参して作ってもらう事もあるのだそう。
「せっかく北海道まできて通常のカレーを食べるのもなんだけど、でも間違いなく美味しい」との事。
お兄さんに感謝してガソリンスタンドを離れます。(※余談ですが北海道の人はお米は柔らかめに炊くのが好きな人が多いみたいです。それなら例の網走の海鮮丼も少しは納得)
走りながら考えていました。あれだけ推すのだからそのカレーは美味しいのだろう。だけどこの辺りにしかないお店だとは言え、通常のカレーを食べるのもどうだろうか。
悩みに悩んで私はカレーを食べに行く事にしました。地元の人に聞いてオススメのお店に行くのも旅の醍醐味かもしれないし、何よりあのお兄さんの推しの熱量がすごかったのです。ナビを東5条店にセットしてさっそく向かいます。せっかくなのでカツカレーにします。

・インデアンカレー
午後1時前 インデアンカレー東5条店
お昼時だからなのか駐車場にはけっこうな車がとまっていました。
店内は全てカウンターでした。ルーは3種類から選びそこにトッピングと辛さが選べるシステムでした。私は「インデアンルーにカツ(中辛)」を注文します。10分ほど経ってからカレーが出てきました。
銀色のアルミの器が小学生の給食の時の器に似ていて、なんだか懐かしい雰囲気。
さっそく一口食べてみると、とても美味しい。ドロっとしたルーにきっといろんなスパイスが入っているのでしょう。次々と口に入れたくなるそんな美味しさです。お腹が空いていたのもあったと思いますが、いろんなスパイスが入ったこのカレーの匂いを嗅ぐだけでお腹が空いてくる様なそんな香りです。
食べ終わった頃には順番待ちのお客さんが並んでいました。私は会計を済ませサッとお店を出ました。
これが地元の人に愛される味なのかと感心しました。
ガソリンスタンドのお兄さん、ありがとう。
ここからは苫小牧まで一気に進みます。残り200km弱、約4時間の行程です。

インデアンカレー東5条店


写真撮り忘れのためお店のHPより



・シカとの遭遇
午後5時頃、休憩を2回ほど取りながら苫小牧の端っこまで辿り着きました。まだ市街地とは言えないけれど建物がある場所です。
そんな場所を走っていると道路脇の草むらにシカがいました。私は「シカっ!」と叫んでいました。市街地の外れとは言えこんなところにいるとは。ムシャムシャと草を食べているのを見るとシカにとってはこれは日常なのでしょう。
北海道に来て、キツネ、リス、クマ、そしてシカ。北海道を代表する動物達に遭遇できた事は良い思い出です。
市街地へ入りガソリンの給油をします。時間はまだ午後5時30分ですが長距離移動の疲労がここに来てピークに。観光する気力もなくなっていました。まだ早いですがフェリーターミナルへ向かいます。
片側4車線のとんでもなく広い道路を走りフェリーターミナルへ到着しました。

途中に休憩をした時の風景
苫小牧フェリーターミナル(待合所からの風景)



・待機
午後6時頃、北海道苫小牧市フェリーターミナル
出発は午前1時45分なので6時間以上の待機です。受付で乗船までの流れを聞きます。午後9時頃から窓口で乗船券の発行をしバイクを指定の駐車場に停め、アナウンスが入り次第バイクに乗って乗船するみたいです。
流れを確認した後、待合所へ移動して休む事に。体のあちこちが痛かったのを覚えています。売店でお土産のスイーツが売っていました。小樽でのお目当てのスイーツではなかったのですがせっかくなので購入しました。
あとはひたすら出発まで待ちます。
午後10時30分過ぎ、乗船手続きをすでに終えて待機していた時に、乗船開始のアナウンスが流れてきました。バイクまで戻り乗船の準備です。いよいよ北海道を発ちます。

たくさんの大型バイクに囲まれた小さなカブ
乗船直前



・長いフェリー旅
乗船し部屋へ向かいます。事前にフェリー内へ持っていく荷物を整理していました。フェリーにはお風呂もあるのでバスタオル類、そして1番大事なのがサンダルです。明日の午後8時までの18時間フェリーに乗るので出来るだけくつろげる格好がベストです。
4名一室の客室に入り、疲れていた私は早々に眠りにつきました。(寝て起きてを何度か繰り返しながら朝を迎えていました)
午前8時頃、お風呂に入りに行きました。思っていたよりコンパクトなお風呂でした。空いていたから良かったですが、混んでいたらぎゅうぎゅうになっていたかもしれません。
お風呂から上がった後はご飯を食べたり甲板に出てみたり、また眠りについたり、そんな事を繰り返しながら時間を過ごします。
とても長く感じました。フェリーに乗る際はどう過ごすか考えておくのも重要です。
午後7時過ぎ、茨城県東茨城郡 大洗フェリーターミナル
やっと大洗に到着し下船の準備に入ります。
バイク組みは最後だったので実際に下船をしたのは午後8時頃でした。
ここからは約4時間ちょっとの距離。辺りはすでに暗くなっていました。私は家に向けて最後の行程を進んでいきます。

客室のベッド(一部ぼかしています)


船内の雰囲気
目前に迫る大洗港



・今までを振り返る
帰りの記憶はほとんどありません。ひたすらナビに従い走っていたと思います。東京に近づくにつれ知っている地名が標識に出て、それを見て関東に戻ってきたんだと実感していました。
私はバイクを走らせながらこれまでの道中の事を思い出していました。
初日ですでに帰りたいと思った福島県。身体を剥き出しに、謎の鳴き声に怯えながら一夜を過ごした岩手県。峠を越えている最中に台風並みの大雨にパニックになった青森県。バイカー同士の挨拶(ヤエー)を数えきれないほどやった北海道。そして知床で熊との遭遇。旅立つ前は平凡な旅だと思っていたけれど、そんな事はなかったです。全てが予定通りならあまり記憶に残っていなかったかもしれません(知床からの復路の移動はほとんど覚えていません。きっとこの道中記も書けなかったでしょう)
もうすぐ家に帰れる嬉しさを抱きながら、ただひたすらバイクを走らせました。
少しずつ確実にゴールへ近づいてきています。

・ただいま
7月20日午前0時過ぎ、ついに家に到着しました。達成感と言うよりは戻ってきた安堵感が大きかったです。事前連絡の時は寝てるかもと言っていた妻が出迎えてくれました。
妻の顔を見て私はこう伝えました。
「ただいま」
私の旅はここで終わりを告げました。


・後書き
「東京から知床までカブで行く10日間のバイク一人旅」は終わりです。(最後、うまくまとめられたら良かったのですが、私の力不足です)
ただ、この道中記を書けた事は良かったです。描き始めた当初は、自分の旅の記録としての位置付けが強かったのですが、思い出しながら書いていると、もう一度頭の中で旅をしている自分がいました。辛かった事、楽しかった事、嬉しかった事が感情として出てきていました。特集記事にも掲載していただき、たくさんの方に読んで頂ける結果となりました。「スキ」をしてくれた方、コメントをして頂いた方、ありがとうございました。日記を最後まで書く支えとなりました。
この道中記が何かのお役に立てていたら幸いです。
最後に、新しい旅企画を大雑把ではありますが考えています。そのお話はまた別の記事で書きたいと思います。
最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。それではまた次回の記事をお楽しみに!

2023年9月9日 記 RE:(アールイー)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?