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⑫東京から知床まで カブで行く10日間のバイク一人旅【6日目】

皆さんこんにちは♪minneやcreemaでハンドメイド作品を販売しているRE:(アールイー)です。
今回は6日目です。前日はリヤカーを引いて汗だくになったところに白く濁った水で頭を冷やし、謎の虫の合唱の中、1人でキャンプをした翌日のお話です。

□この日記は道中に見えた風景やその時の心情を記載したものです。おすすめの観光スポットをご紹介する日記ではなく、臆病者な私が意を決して旅をした道中記です。読んで頂いた方の何かのきっかけになれば幸いです。

・今日の行程
北海道空知郡上砂川町、午前6時頃
目を覚ますと霧雨が降っていました。昨日の祈りは通じなかった様です。
残しておいた飲料用の水でお湯を沸かし、コーヒーを飲みます(スティックコーヒー)
雨が降って気分が下がっていてもこの時だけは至福の時間です。ゆっくり身体を目覚めさせていきます。
今日は旭川を抜け、山道を越えて網走まで向かいます。網走湖の畔にある「呼人浦キャンプ場」が目的地です。
270km、約5時間の行程です。山道でガス欠になってしまったらアウトなので山道に入る直前で給油して向かいます。
誰もいないキャンプ場でテントの撤収です。
木の下にテントを張ったのでそこまで濡れずに済みました。
荷物をカバンに入れ終わり、リヤカーを取りに橋まで向かいます。行って戻ってまた行く作業は地味に大変です。やっとの思いでバイクに荷物を積み込み、キャンプ場を出発したのが午前8時頃でした。

今日の行程(Google MAPより)



・ヤエー
霧雨も通常の雨に変わっていきます。視界も少し悪い中バイクを走らせていると、対向車線を1台のバイクが走ってきます。すれ違い様に気づいたのですが、こちらに向かってヤエーをしていました。気付くのが遅く、私は反応できませんでした。
一瞬しか見えませんでしたが、そのヤエーは「雨で大変だけどお互い頑張ろう」そんな挨拶に感じました。
心の中では返しましたが、もしかしたらそのライダーはちょっとがっかりしたかもしれません。申し訳なかったなと思う出来事でした。

・ある考え
山道を抜ける手前、旭川で予定通り給油します。先ほどのヤエーが頭の片隅に残っていました。お互いに手を挙げて挨拶した時の楽しさや嬉しさを昨日知ってしまったせいです。
給油を終え再び走り出した時にふと、ある考えが頭に浮かびました。
「自分からやってみよう」
今回の旅でヤエーをする事は頭にはありませんでした。自分からやるなんてなおさらです。
私がやってもらって嬉しかったこの気持ちを、他の人にも感じてもらいたいと思ったのです。
タイミング良く雨も上がりました。
次にバイクが来たらヤエー決行です。

・一瞬の出会い
そう思ってからすぐ、向こうからバイクがやって来ます。「もう来たー」と内心ドキドキしていました。まっすぐの道、遠目から見る感じ、相手はスーパーカブ。自分からのヤエーの一発目がカブ同士だなんて、これも良いタイミングなのでしょう。
自分の中でのここだ!というタイミングで左手を挙げてスーパーカブの方に視線を向けました。相手は慣れていたのかすぐに手を挙げて返してくれました。
とても嬉しい気持ちでした。時間にしたら1、2秒くらいのあっという間の出来事です。相手がヤエーをしてくれて、それを返す事よりも、自分からやって返してもらえる事の方が何倍も嬉しい気持ちになりました。
この後、バイクとすれ違う度に私は左手を挙げていきました。
渋いバイクの年配ライダーや、2台でツーリングしているペアライダー、2〜3台のグループだと思って手を挙げたら20〜30台の大所帯だったグループまで(この時は内心ものすごくドキドキした)
何台とヤエーをしたかもう覚えていません。中には反応がなかった時もありましたが、しょんぼりはしませんでした。気づかなかったとか、タイミング的に手を挙げられなかったとか、そもそもヤエーは嫌いとか、理由は色々あるとは思いますが、それを知る由もありません。なにせ1、2秒の出会いなのですから。
だけどその1、2秒がとても嬉しい気持ちにさせてくれる最高の時間でもあります。
「120km先、右折」そうナビに表示された道を、私はひたすらバイクを走らせます。

・ライダーズハイ
ここの道路が今まで全行程の中で1番走りやすかったです。信号がなく、ほとんど平坦な道で広い道路幅。そして大自然を感じる景色。
ライダーズハイというのがあるのなら、今の私がまさにそうでした。バイクを停めて撮りたい景色もありましたが、止まるのがもったいない、ずっと走っていたい、そんな気持ちでした。(なのでこの道の写真は1枚もありません)

・がーん
北海道網走市 午後1時過ぎ
気付いたら網走市街地に着いていた、そんな感じでした。
「呼人浦キャンプ場」は網走湖の畔にあります。道を間違えながらも午後1時30分頃、無事に到着しました。
湖を前に左右に長く広がっているキャンプ場は、開放感のある気持ちの良い景色です。北海道初日のキャンプ場と引けを取らないロケーションでした。
しかし、見渡す限り誰もいません。「ちょっと早く来すぎたかな?それにしても3連休初日なのにおかしいな」そんな風に思いながら、嫌な予感がしました。
入口に立て看板があった事を思い出し、そこまで戻って見てみると、
「インターハイボート競技大会開催のため、キャンプ場は利用できません」

「がーん‥」
理由は違えど、まさか2度もこんな場面に当たるとは。
岩手県の事を思い出しました。休暇も兼ねて少しのんびりしながら別のキャンプ場を探す事に。

2度目のがーん



・わがまま
15分〜20分ほど南下したところに「女満別湖畔キャンプ場」(めまんべつ)がありました。ここも網走湖の畔にあるキャンプ場です。さっそく電話をかけると、現地に管理人がいるのでそこで受付をするみたいです。
向かっている途中、雨が降り始めました。不安定な天候です。キャンプ場に着いた頃にはけっこうな雨でした。
そんな雨の中でもたくさんのテントが張ってありびっくりしました。受付で使用料300円を支払い説明を受けます。どこにテントを張るか悩んでいた時に、地元の常連キャンパーの方とお話をしたのですが、どうやら先ほどまでは天気が良かったみたいです。先ほどのキャンプ場が使用できないのも影響しているのかもしれません。私と同じく皆さんもこっちに流れて来た様な感じでした。
空いているスペースを見つけテントを設営していきます。雨の中の設営は大変です。タープ(日差しや雨を防ぐ屋根として使用する広い布)があると便利だなと思いました。
濡れながらもテントを設営してひと息つきます。
車で来ている方は椅子やコンロなど設備が充実しています。グループで来ているのもありますがテントも大きいです。バイクでは中々難しい装備です。
それにしても今日は人がとても多い。私は自分がとてもわがままだなと思いました。
誰もいなければ寂しさを感じ、人が多いとちょっと嫌だなと感じる。わがまま以外の何物でもありません。そんな事を考えながら早々にご飯を食べ終えました。近くに温泉に入れる場所もあったのですが、疲れていた私は温泉に入らず眠りにつきました。

女満別湖畔キャンプ場(奥に少し見えるのが網走湖)




旅6日目はここまでです。知床まであと少しの所までやってきました。明日は網走監獄へ観光に行きます。今回の旅で初めての観光です。
※日記の更新ペースが落ちてきていますが、全力で書いております。楽しみにお待ち頂ければ幸いです。(いいね!してもらえるとペースアップするかもしれません)
最後までご覧いただきありがとうございました!次回もお楽しみに。

2023年8月16日 記 RE:(アールイー)

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