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オリコン以前の戦後日本のヒット曲の売上枚数

日本の音楽市場で、売上ベースのランキングは、オリコンランキングがもっとも歴史があります。しかし歴史があるといっても、シングルランキングを発表しはじめたのは1968年1月4日付、LPランキングの発表は1970年1月5日付となっており、1945~1967年に何がどれだけ売れたかはわかりません。

1967年創刊『総合芸能市場調査』(オリジナル・コンフィデンス)。一度も見たことなし!

2019年に書籍化された『ミュージック・ライフ 東京で1番売れていたレコード 1958~1966』は、かつて『ミュージック・ライフ』誌で連載されていた、都内の主要レコード店の売上を集計した雑誌独自のヒットチャート「東京で一番売れているレコード」をまとめたもので、オリコンが存在しなかった時期(1958~1966)の売上ベースのランキングとして貴重なデータですが、残念ながらポイント制で、枚数は書いてないのです。

『ミュージック・ライフ 東京で1番売れていたレコード 1958~1966』記事サンプルより

でもそれ以前にミリオン・セラーというのは言葉として存在していました。たとえば1967年のテイチクレコードの雑誌広告を御覧ください。

「30万枚突破」とか「ミリオン・セラーを狙う」とか書いてありますね。つまり、オリコンランキング以前の売上枚数は、レコード会社が公式発表する枚数だけが頼りだったのです。それが水増しで発表されてるのではないかと思うのは世の常人の常。だからこそ実売枚数で見るオリコンが画期的だったわけです。今でもレコード会社は出荷枚数を発表し、売上枚数は出しませんね。

で、ワタシとしては、別にその水増しされてるであろう数字でいいから、昔のヒット曲の枚数ベースでの人気曲を知りたい!と常々思っていました。そしたら偶然それっぽいデータを見つけた!!ので今回はそれを紹介。なんとちょうど1946~1967年のデータで、オリコン以前となっております。

1946~1967年の日本のレコード売上枚数

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2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定の定額マガジン(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。あとnoteの有料記事はここに登録すれば単体で買わなくても全部読めます(※登録月以降のことです!登録前のは読めない)。『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』も全部ある。

2001年以降に雑誌等に書いた記事を全部ここで読めるようにする予定です(インタビューは相手の許可が必要なので後回し)。テキストを発掘次第追…

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