
『話の特集』と『スペクテイター』のレイアウト
矢崎泰久(ジャーナリスト/元「話の特集」編集長)逝去のお知らせ
『話の特集』の編集長、矢崎泰久さんが亡くなりました。この雑誌がA5判のサブカルチャー誌のパイオニアであり、既に評価されている人物ではなく新しい才能(横尾忠則、宇野亜喜良、篠山紀信、立木義浩……)を次々と世に紹介していく新感覚の雑誌として衝撃的に登場したことは、サブカルチャー史に詳しいみなさんならご存知だと思います(丸投げ)。この雑誌を起点に『新宿プレイマップ』『だぶだぼ』『黒の手帖』『面白半分』『絶体絶命』『ビックリハウス』など次々と同じ雑誌フォーマットで登場し、A5判というフォーマットがサブカルチャーを伝えるメディアの定番となりました。
もちろんこれ以前にA5判の雑誌がなかったわけではありません。『文藝春秋』も『美術手帖』も『思想の科学』もそうです。しかし明らかにムードが違う。表紙の斬新さ、起用される才能の新しさ、うっすらと漂う反権力の香り、そして妙に洗練されたデザインのセンス。総合的に見て、『話の特集』がこれまでと違うフォーマットを作ったのでした。
さて、雑誌の詳細は矢崎さんの著書を読んでもらうとして、本題。『話の特集』の創刊から3年間エディトリアル・デザインを担当していた和田誠さんが、かつて同誌のデザインについて書いていたことがあります。1965年の創刊当時、和田さんはタバコの「ハイライト」のデザイン料で超高額を得ており、すでに有名なデザイナーでしたが、雑誌のデザインを引き受けたのは初めてでした。和田さんが意識していたのは「フォーマットを作る」ことでした。
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